最近購入したスポブラがエロ衣装だった
タイトルとあらすじのままです
購入したスポブラが、エロ衣装だった。
誤解を招かないように明確に言うが、私の購入したスポブラがエロ衣装めいたものだったという話であり、世のスポブラがエロ衣装というわけではない。
改めて……先日、服飾コーナーで見つけた既に持っているスポブラと被らないデザインのスポブラを購入した。
それを本日、実際に身につけたら、エロ衣装となった。
保持率を高めるためだとおもうのだが、前面で左右のカップを構成する布を交差させるような作りになっているデザインのスポブラ。
それをいざ身につけたら、交差箇所の隙間が胸部の肉によって押し広げられ谷間をみせつけるような穴を形成したのだ。
衝撃を受けた。
よく考えればそうなるとわかるはずの物を購入してしまった、仕事明けの私の思考力の低下っぷりに衝撃を受けた。
『わぁ、エロ漫画のえっちなおねーさんみたいだ』というのが最初に脳内に浮かんだ、己のズレっぷりに衝撃を受けた。
ついでに、こんなエロ衣装がスーパーでお手軽に手に入ってしまう事に衝撃を受けた。
一通り衝撃を受けた後に、このスポブラがエロ衣装になってしまうのは、私が肥えているせいではあるまいか?包む肉の量が通常よりもおおいせいではないか?と考えたが……おそらく、私より小柄な人物が着ても同じようなエロスポットが発生するであろう。
なぜなら、これは胸の動きを抑えるスポブラ。
ある程度しっかり押さえつけることを前提としているタイプの衣類である以上、布の伸縮による保持の恩恵を得られる胸の大きさであれば穴を押し広げるだろうし、それがおこらない場合は素直にワンサイズ小さい物を買わないと布の中で肉塊が乱舞する結末になるはず。
……となると、やはりこのスポブラは適正に身につければエロ衣装化するものであると言わざるを得ないだろう。
正直、後悔はしている。
私は別に痴女ではない。このスポブラのポテンシャルを引き出せないむちむちした干物がエロ衣装を手に入れてしまったという事に、言いようのない申し訳なさを感じる。
それに、奇妙に恥ずかしい。
ハーフカップのブラジャーなら余裕で出ている部分だが、それはそれとして一部だけ肌を露出するというのは大変恥ずかしい気持ちになるというのがわかった。
確認不足による露出という己の注意不足からくるもののせいか、靴下や服の一部に穴が開いているのに近い恥ずかしさと心もとなさを感じる。
意図して購入していれば、きっとこのような恥ずかしさは感じなかっただろう。
だが、すべてが悪かったわけではない。
注意や確認の大切さ、それを行うための思考力の確保が人間にとって重大なものだと再確認できた。
エロ衣装の参考資料にもなる。
そもそも上から服を着るんだから誰に見せるでもないし、スポブラとしての機能は普通に果たせる。
そして、何よりも『ネタになるなあ』と感じた。
ここしばらく、何かを書こうとしても描写も何も浮かばない虚無めいた思考の中にいた。そんな私がこの失敗をただの恥ではなく『作品にしちまえばプラスだ』と感じることができた。
いつ抜け出せるのかわからないようなうすぼんやりとした閉塞感が、こんなバカなことで打破されてしまったことが、不思議で、笑えて、なぜか納得できてしまった。
それが嬉しかったから、私は失敗を文章にする。
そうして素敵な小説でもなろうに対する提言でもない、そんなエッセイを今、私は書き終えた。