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狐物語   作者: 有機物N
1/2

~第一夜~

駄文注意。

おかしいところやもっとこうした方がいいんじゃない?ってところがあったらアドバイスいただけると嬉しいです!

「お前は、醜いのだ。」


生まれてから一度も言われたことのない言葉が脳内にはっきりと響く。

代々声変わりが起こらない彼の家系ではあり得ないはずの低い低い男の声だった。

何を戯れたことを、と自分に向かって呟く。

きっと最近の激務で脳が疲れているだけだ。


この国の統治者「金狐」の第一王子、それが彼の名前だった。

正確には産まれたときに、彼の祖父であり当時の金狐から賜った名前があるらしいのだがもう父親の代に変わってしまい、彼には自分の名前など知る由もなかったし、知りたいとも思っていなかった。

第一王子だと言ってもただ金狐の正妻、金姫が最初に産み落とした男の子だというだけで彼のことは皆「二の君」と呼んでいた。

なぜ第一王子なのに「二の君」と呼ばれているのかというと彼には一つ上の兄があったからなのだ。名を「寒空」というのだが初めて聞いたときは彼も女の子かと思ったものだ。まぁ、寒空は側室、妖姫の子なので第一王子でいられたのはほんの1年だったが。


この国では第一王子が必ず金狐になれるとは限らない。

継承権を持った金狐の息子(それがいない場合は娘)が全員成人するのを待って、その中で一番美しいものが金狐の正当な後継者となれるのだ。

今回、継承権を持って二の君と争うのは三人、寒空、二の君の双子「三の君」、二の君の甥「春日」であった。

二の君は他の三人に直接あったことはないのだが、不思議と金狐の座は自分が手にすることができる気がしていた。

寒空は名もそうだが姿も女らしくなよなよしているという。三の君の下馬評は最悪で髪はぼさぼさ、毛並みも輝いていないという。それに春日はまだ数え年で10の14日前であったから幼いことによるあどけなさはあっても「美しさ」はないのではないか。そうすると二の君が次代金狐になることは確実と考えられたのであった。

それと、二の君が自信をもっている理由はもう一つあった。

彼は今まで出会った誰からどんな罵りを受けても「醜い」という言葉だけは言われたことがない。そしてその人々は口々に二の君とその母親である金姫の美しさ、聡明さを讃えていた。実際に彼の尾をふんわりとおおっている毛は金色に輝き「月の明るさにも見劣りしない」とまで言われていたし、自らを着飾って色々な飾りがついた布から細く伸びた腕は病的なほどに白く金色の毛と並び双方を引き立てあっていた。

そして彼の遺伝子の半分を構成する母親も大層美しく彼の目にはいつでも彼女の優しい毛並みが浮かんでくる。

今は「もう二の君は大人になられたのだから」と全く来なくなってしまったが昔はよく彼の部屋へと赴き遊び相手になってくれ、疲れた時にはその白い絹のような肌で覆われた柔らかな太ももに乗せてあやしてくれたものだ。

そんな風に育った彼は自分の母を誇りに思っていたしその母から受け継いだ容姿を以て勝てないはずがないと考えていた。

金狐の跡継ぎが決まるのは14日後春日が10になってからだ。

目前に迫った跡継ぎ決めのため、二の君はいつもより早めに着床した。


読んでくださりありがとうございました。

おかしいところやもっとこうした方がいいんじゃない?ってところがあったらアドバイスいただけると嬉しいです!

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