アンナ同盟
生き返った私はあれからずっとアンナと生活を共にしている。
ずっとだ。
学園の宿題をしている時も、ご飯の時も、寝る時も、お風呂も一緒だった。そのためある程度こちらの生活にも慣れ、宿題を一緒にやることで多少の知識も身につけていった。
そんなこんなで集落での生活も2週間ほどが経過しあと1週間ほどで学校も始まる頃だった。
私は集落での自分の扱いについてあまり良く思っていない。酷い扱いを受けている訳ではない。むしろとても丁寧におもてなししてもらっている。高級旅館に泊まった時のような扱いだ。2、3日なら気分良く思えるのだろうが2週間もだと疲れるのだ。フランクに接して欲しいと頼んだところ了承してくれたはずなのだが全く改善されていない。
そのため変に媚びたりせず話してくれるのはアンナくらいしかいない。
いや、もう1人いた。
姉のカレンだ。
だが彼女は少し違う。
なにかと私に突っかかってくるのだ。
最初は何故だかわからなかったが最近ようやくわかってきた。
彼女はアンナを取った私が気にくわないようだ。
そんなある日の夜アンナと共にベッドで寝ているとカレンが部屋にやってきた。
「ハルカ様。明日は修行も兼ねて(私の)アンナと"2人で"近くの魔物の討伐に行こうと思ってます。ハルカ様の力を借りずとも充分戦えるようする意味も兼ねてハルカ様は部屋でお休みいただいて結構ですから、よろしくお願いしますね?」
ついに表立って私を排除しに来たようだ。
それになんだ!私のアンナって!
アンナちゃんはお前のじゃない!
私のだ!!!
「いやいやカレンちゃんだけじゃもしもの事態に対処できないでしょ?アンナちゃんを守るにしては力不足だと思うなぁ?その点私は伝説の聖剣だし?逆に私とアンナちゃんだけでいいんじゃない?」
「ぽっと出がよく言うわ!私のアンナに対する愛情は不測の事態さえ乗り越えられほどのものなのよ。」
こないだ盗賊に殺されかけたのを忘れてしまったのだろうか。
「まぁあなたのアンナ愛が確かなものならば同行を認めてあげてもいいわ。私のアンナに関する質問に答えてみなさい?」
急な展開で追いついていけない。でもだてにアンナちゃんと寝食を共にしているわけではない。生年月日などはもちろん好きなものから嫌いなもの、お風呂で最初にどこから洗うかまで抑えている。
「いいよ、質問してみて。」
するとカレンは不敵な笑みを浮かべ
「じゃあ問題よ。アンナが6歳9ヶ月22日6時間52分に発した言葉なに?」
「そんなんわかるかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「あら残念だわぁ。その程度じゃアンナ愛があるとは言えないわね。ちなみに正解は"私大きくなったらお姉ちゃんのお嫁さんにしてくれる?"よ。つまり私たちは相思相愛なわけ。ぽっと出の剣風情が入る余地なんてないのよ!」
「ぐぬぬ..」
ぽっと出の剣風情と言われた。
まぁ私は大人だから小娘の暴言程度軽く流せる。でも私にそんな暴言を浴びせたと族長たちが知ったらどうなるだろうか。あとで言いつけておこう。
「ムニャムニャ....おねぇちゃん...」
アンナの寝言のようだ。少し騒ぎすぎたかもしれない
「ムニャムニャ...私、ハルカ様のお嫁さんにしてもらったのぉ...」
私は心の中でガッツポーズ。
さてさっきまであんなに威勢の良かったカレンちゃんはどんな顔をしているのかな?
イタズラ心でカレンの方を見ると先程までと打って変わった様子、ショックで全く動かない。
「あれ?相思相愛って言ってなかった?ごめんねぇ」
ここぞとばかりに追撃する。これで少しは大人しくなるだろう。
「ヒグッ...グスン...ヒッ...ング....」
カレンの目からは大粒の涙がボロボロとこぼれだす。
「ご、ご、ごめん!」
「わ..私の方が...ヒグッ...私の方が...グスン」
「う、うんそうだね!!いつもアンナちゃんから聞いてるよ!おねぇちゃんが大好きだって!いつまでも一緒いたいってよく言ってるよ!!あー私じゃ敵わないなぁ!!」
大人気なく子供を泣かせてしまったので私は焦ってフォローする。
「それは...グスン...本当なの?」
「ほんとほんと!いつもアンナちゃん思われてて羨ましいなぁ!!!」
「ええ...まぁ当たり前よね...ヒグッ....でもあなたもほんの少しだけだけどアンナに慕われているようだから...一緒に行くのも許してあげるわ..グスン...」
うまく着地点を見つけられて良かった。
「...グスン...これからはアンナ同盟としてアンナを共に守っていきましょうね!!」
こうして私はアンナ同盟に加入することになった。




