ダイエット
アンナの通う国立クリセナル魔法学園は日本でいう中高一貫の学校で全寮制である。この学校は初代聖剣が国王の協力のもと設立したこともあり魔法科だけでなく剣術科もあるのがほかの大きな学校との違いらしく剣士を目指す学生にとっては唯一の魔法学園のため剣術科はとてつもない倍率になるらしい。またガナード王国首都クリセナルにあるためインフラ整備もされていて過ごしやすいことも人気の理由だ。
集落からは片道3日の距離なのでアンナは長期休暇の時だけ地元に戻るらしい。
ちなみにアンナは中等部、カレンは高等部の共に魔法科の学生である。
私は学校に通うための準備をしていた。
「こっちの世界の学校はどんなだろうなぁ。魔法の講義とか楽しみだなぁ。大学の学食はあんまりだったからこっちの学食は美味しいといいなぁ...あ、私もう食事できないのか...。お母さんごめんなさい私はもうこんなに汚れてしまいました。ヨヨヨ....よく考えたら聖剣だし汚れとは正反対のとこにいたよ」
なんて軽口を叩いていると背後から声をかけられる。
「ハルカ様どうしたんですか?」
あー。私の1人ボケツッコミをアンナに聞かれていたようだ。もし剣の体でなければ顔が真っ赤になっていたことだろう。
「それになんだか赤くなってますよ?」
訂正、剣の体でも赤くはなるらしい。
「そのことなんですけどハルカ様...私もあれから力をつけようと鍛えてはいるのですが学校が始まるまでにその...持てるようになれるかどうか...」
アンナの会心の一撃。
お前は重いすなわちデブ。
まだ転生したての女子大生にダメージを与えるには充分な一言。
たとえ剣の体でも心は女子大生なのだから傷つくのだ。
でもアンナの言うとおりである。
学園までは約3日歩いて行くのだ。歩けなくはないだろうがおそらく倍の時間かかると推測される。そうなれば野宿の回数が増え危険も増す。
「アタイ決めた!ダイエットするよ!」
「だいえっと?って確か初代聖剣様が伝えた想像を絶するほど過酷な修行のことですよね。確か書物が保管されていたはずなのでお持ちしますね!」
そういうとアンナは部屋から出ていった。
「え、か、軽い気持ちで言ったんだけど...過酷な修行ってなんだ、そんなのやりたくないよぉ」
しばらくして戻ったアンナの手には古びた巻物が握られていた。そしてそれを私の前で広げて見せてくれる。
「これです!未知の言語が使われていて学者たちも解析に乗り出したんですけど結局今の今まで解読できてないんです。ただ名前がだいえっとの書ということだけは伝えられてきたんですよ。もしかしてハルカ様は読めるのですか!」
アンナのテンションが少しおかしい。きっと彼女は古代の文化に興味があるのだろう。いつもは大人しい子が今は目を輝かせて迫っている。
しかし読めるか?か。
もちろん読める。
なんせ約20年の間使い続けた慣れ親しんだ文字なのだから。
『ダイエットの仕方を紹介するよ!
まぁ剣の身体だから普通のダイエットなんて効果がないことはわかってると思う
なので身体の形状を変化させる魔法を私は開発しました〜!
多分よく使ってたから記憶スロットの比較的見つけやすいとこにあると思うからそれを参考にやって見てよ。』
「日本語じゃん!!しかも軽い!!」
ここまでで10%くらい。そのあとは魔王への愚痴、冒険したパーティーに男しかいなくて女の自分に対する配慮が欠けていたなどパーティーへの愚痴などダイエットとは関係ないことが残りの90%だ。
何が過酷な修行だ。
読めないと思って適当言ったな初代聖剣。
きっと巻物型なのも個人の趣味だろう。
私が同じ立場でもなんか巻物の方がいいするなあくらいの気持ちでそうしただろうしね。
しかしどうやって巻物を書いたのだろう。読み方が伝わってないことから代筆という可能性は低いだろう。
疑問は残るが今は目下の目標ダイエットを遂行するとしよう
金属の冷たい身体に刻まれた記憶を探るとたしかにそれっぽいものがある。イメージするのは指輪。そして魔法を実行する。
すると私の身体は指輪の形になったあと段々と縮んでいき一般的な指輪の大きさになった
「ハルカ様。まさかもう修行が終わったのですか?」
「うんそう見たい。アンナちゃん私を指にはめれば持ち運びに便利便利だと思うんだけどどう?」
アンナは私を左手の薬指にはめる。
「なんだかハルカ様のお嫁さんになったみたいです!」
可愛い
なんだこの娘は、可愛すぎるだろう。
前はオタクたちが萌えとか尊いとか言ってたの全く理解できなかったが今はわかる。
アンナちゃん尊い。
「これでいつでも一緒ですね!」
トドメの一撃をもらった私は幸せに笑みを浮かべながら萌え死んだのだった。




