ある日森の中2
おかしい。
私たち3人は昨日森を吹き飛ばした。
そこにできた荒地で一晩を過ごしたはず。
なのになぜいま、目の前には生い茂った木々があるのだろう。
「ねぇ...みんな起きてよ...なんかすごいことになってるよ」
「んん...おはようございますハルカ様、どうかしたんで....」
私の声で目を覚ましたカレンも言葉を失った
「...おはようおねぇちゃんハルカ様。...。なんで私たちまた森の中にいるんですか?」
「いや、私もわかんない。」
アンナはそこまで驚いてないようだ。きっと最近私関係でいろんなことが起き過ぎてこう行った状況になれてしまったのかもしれない。
どんな場面でも動じない強い精神力が身についたと言える。
流石にポジティブな考え過ぎた。
こんな場面に出くわして疑問を覚えないのはそれはそれでマズイと思う。
「私たちは気づかぬうちに移動したのでしょうか?ハルカ様なんらかの魔法の痕跡などありますか?」
「私魔法の痕跡とかわからないからね!自分で言うのもなんだけどそういうとこ役に立たないよ!」
私は高いポテンシャルはあるのだがそれを引き出す知識が不足しているため言ってしまえば無能なのだ。
その知識を得るために学校に行こうとしているのだから。
「でも移動とかはしてないと思うよ。証拠にほらそこ見て」
私は昨日焚いた焚き火の跡を指差す。
そこに焚き火の跡があるということは少なくとも私たちが移動したという可能性はないだろう。
地面ごと違う場所に転移させるような魔法があるのなら別だがそれもないだろう。
流石に無能の私でも魔力の高い者が近づいてくれば嫌でも分かる。
その辺の知識より感覚的なところは他より優れている。
「たしかにそうですね...そうなるとここに一晩で木が生えてきたということですね...。なんだかそれもそれで可能性低くないですか?」
「え、なんか植物成長を早める系の魔法とかあるんじゃないの?それでちょちょいっとやったとか?」
「確かに"ファストグロウ"という植物の成長促す魔法はありますが、農作物の成長速度を少しあげる程度なのです。一晩で木を生やす魔法なんて私は聞いたことありませんよ!」
カレンはそういったがまだ学生だから知らない魔法があっても不思議ではない。
しかし例えそんな魔法があったとして私が感知できないほど弱い魔力しか持たない者がそんな魔法使えるとは思えない。
ふとあたりが少し暗くなる
「曇ってきたのかな..雨は降らないでほしいなぁ」
ぶっちゃけ私は指輪の状態なので雨が降ろうがなんてことはないのだが、他の2人は森で迷子、いやもう遭難している。その状態での雨は精神的にも堪えるだろう。
ところがそんな私の心配をよそに太陽は顔を出した。
「なんだ、少し雲が通っただけみたいだね。木が邪魔で空がよく見えないからなんとも言えないけど。」
「ハルカ様とりあえず移動しましょう。いつまでもここにいても仕方ありませんし、近くに魔物もいるようなので」
確かにカレンのいうとおりである。
不思議現象の原因は気になるが私たちは絶賛遭難中なのだ。一刻も早く集落に戻る方法を考えなくてはならない。きっと集落の人々も心配しているに違いない。




