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【書籍化・コミカライズ】【Web版】おっさん(3歳)の冒険。  作者: ぐう鱈
3章:学園編!…だよ?

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53「お上りさんはチートの夢を見る1」

後半はある人には胸糞。ある人にはすっきりな部分がありますお気を付けください。

 昔は干し芋が嫌いだった。

 いつだっただろうか、親戚のおじさんがお土産で持ってきた干し芋を食べて以来好きになった。

 干し芋に目覚めてからは天国だった。

 関東在住なのでよりおいしい芋の情報も入ってくる。なので、勉強疲れを癒してくれる甘味として品種・ブランドを楽しませてもらった。そして高校の最後は産地へ小旅行をするのが卒業前の計画でもあった。

 ……突然しんみりして申し訳ない衛です。


「……うまい」

 西の領地、グルンドから本日入荷した干し芋に唸ってしまった。

 芋自体の研究も進んでいるらしい。しかも、干し芋って熟成期間があったはず……それも研究済みなのだろうか。

 居候だが食が進む。


「美味いだろ? それもルカス様産だ」

 …………英雄便利すぎ。

 俺は無心で干し芋を食み、茶をすする。

 ふと視線を向けると神官長のジュウザさんとその妻セリヌさんも至福の表情だ。

 心がポカポカする食卓の光景である。


 現在異世界5週目。

 このお2人は弓の師匠と魔法の師匠だ。

 どっちも初級レベルなのでもっとレベルあげねば


「本当にルカス様の農業魔法は偉大ね」

 へぇ、魔法で作ったのですか。熟成とかの魔法もあるのか。すごいな……。


「ああ、今グルンドではルカス様の農業魔法によってもたらされた結果を再現しようと、多くの研究者が農業研究に取り込んでいるぞ」

「これはその恩恵よね」

 どうやら英雄魔法で採れるものは地元グルンドと言う街にて消費されるのが基本。街の外へ輸出されるのは英雄の部下たちの研究成果として量産されたもののみのようだ。


「食の都グルンド。いつかは食い倒れ! グルンド!!」

「私達もまた行きたいわね~」

「そして私はまたお留守番ですね」

 夫婦の楽し気な会話に、赤毛の少女がふてくされながら言う。

 この子は神官ミルスさん。

 次代の神官長と目されている人物だ。ちなみに17歳。

 ……ふてくされても可愛いなぁ……。なっ、な~んてな。

 流れる様な赤毛の髪と『出るとこ出て、引っ込むとこ引っ込む』体型。

 丸顔で頬がぷっくら愛らしい。

 いわゆる狸顔というやつだが、おめめぱっちりで美しい。

 ……ああ、そうだよ。ストライクだよ。真ん中ドッカンだよ。


 日本のほうが化粧品とか、美容品が豊富で全体的にきれいな人が多い。

 この世界なんて旅人は水浴びしかできないから肌荒れてるし、臭い。なんか香水でごまかしてたりする。

 けどね、皆、目がきれいなんだよ。

 しかもね、魔法力とレベルの恩恵らしいんだけど老化が遅いのよ。

 一時状態悪くなるけど平均して美しいのですよこの世界の人たち。

 そして……ミルスさん……。めっちゃ女神!!

 神像彫るなら彫ります!

 今ならスキル、生えそうな気がします!


「お留守番なら俺と2人ですよ。さみしくないですよ」

 自身の顔が真っ赤になっていると判る。けど言わずにはいられない。アピールチャンスは少ないのだ!

 そんな俺をセリヌさんが楽しそうににやにやしてみている。

 奥さんことセリヌさんはふくよかな女性だ。

 柔らかな見た目通り、田舎のおばちゃんみたいな気さくな女性だ。そして、やはり、恋愛や噂話が好きらしい……。いいネタが見つかったような顔をしている。

 反対に夫のジュウザさんは何か戸惑っている。

 大丈夫ですよジュウザさん。

 運命神の加護付きの俺です。

 神官長の資格くらい頑張って取ります! 見ていてください!!


「……そんなこと言いながらきっとマモル君は旅についていってしまうと思うです……」

 そっと伸ばしたミルスさんの手から干し芋を取り上げる。


「そんなこと言う人には天罰です。ミルスさんの発言に傷付きましたので損害賠償とも言う」

「ぶー」

 お皿に残っていた最後の一切れは無情にもセリヌさんが持って行ってしまうとミルスさんは本格的にふてくされた。食卓に暖かい笑いがおこる。その後そっと干し芋を半分にちぎって渡してあげると空間に花が咲くような笑顔を向けてきた。本当に可愛らしい人だ。


「……マモルよ。今日の午後はどうするんだ?」

 今日は午前中に弓の鍛錬をして午後は空いている。


「昨日ハンター登録したので街の外で狩りにでも行こうかなと、ちょうど先輩のハンターのソミルさんに誘ってもらえたので」

「そか、ソミルか。モンスターじゃない狩りなら丁度良いか……。よく教えてもらえよ。そして決して無理はするなよ……致命傷は回復魔法でも直せないからな」

「……はい」

 そう、人は思った以上に簡単に死ぬ。そんな世界に俺は居るのだ。しかしこの時は日本にいた時の感覚が強く、……あまり実感を持っていなかった……。


 山に入れば案山子防衛網から外れる。

 油断して足を踏み外せば這い上がれないがけの下かもしれないし、落下衝撃で死んでしまうかもしれない。

 獲物がイノシシやクマのような凶暴性があれば下手すれば逆に喰われる側になってしまう。

 遭難した際の装備なども準備せねば……。万が一片足になっても戻ってこれるように……。

 そう、俺は油断せずに山に行った……。はずだった……。


※好みではない方は飛ばすことをお勧めします。

香澄から英治への手紙――


 拝啓、ゴミ男さん


 ゆく秋の寂しさ身にしみるころ、いかがお過ごしでしょうか。

 もうそろそろ昼は暴力でなぶられ、夜は男の慰み者にされる生活に慣れましたでしょうか。


 ご安心下さい。貴方が私に与えた屈辱はその程度では終わりません。

 長く絶望を御贈りいたしますので、存分にお楽しみください。


 また、先日は素敵な謝罪文ありがとうございました。

 とっても、胸糞が悪くなったので思わずネットに貴方が犯されている動画をアップしました。

 その手の方の反応が大変良かったので貴方の個人情報も漏らしておきました。


 ああ、そういえば。貴方の妹さんですが、貴方とお付き合いのあった大陸系マフィアの方に拉致されてしまいました。私が貴方にひどい目に逢わっている隙に衛君に近づいた雌豚、当然の結末です。ですが面白そうだったので背後関係を洗ってみました。

 貴方大変な組織とお付き合いがありましたね……。

 一国民の義務として証拠そろえてメディアと公安にリークしました。

 貴方が出所したら熱烈な歓迎に会うと思います。

 今が極楽に感じる日々になると思いますのでお楽しみください。


 ちなみに、死んで逃げることは不可能です。

 貴方に苛まれた半年で私は魔術を学ぶことができました。

 貴方や関係者の皆さんには『自死不可』の呪いがかかっています。ご安心ください。


 そろそろ理解できましたか?

 嘘だと思いましたよね?

 でもね。

 貴方は信じることになります。

 断言します。


 ああ、そうだ私に逆恨みしても無駄なので書いておきますね。

 貴方では発見不能な場所にて衛君と二人で幸せになります。


 年末に向かい何かとお尻がご多忙のことと存じますが、何卒お身体ご自愛下さい。

 尚、この手紙は読み終わると発火・消滅します。


とある施設職員の記録―――


 本日21時、田中英治が部屋でボヤ騒ぎを起こした。

 何を持ち込んだのか調べたが全く不明だった。その為記録するに収める。

 田中英治ですが当初は「魔術だ、俺は呪われてる。神父様を呼べ」と錯乱していましたがすぐに正気を取り戻しました。

 経過観察は必要かと思いますが現状大人しく真面目です。

 このまま更生してくれることを切に願いこの記録を終了します。


衛君頑張れ。と書いておきます。

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