30「モンスター退治?幼児には無理です。お引き取りください」(復活済み)
タイトル変えたらアクセス倍増です。Σ(・□・;)びつくりです
※大幅見直し中【5/9】
リビングにボールが飛んでいく。
祖母が暇つぶし用に作ってくれた中に布の切れ端が詰め込まれたつぎはぎのボールです。
綿に比べるとちょっと重いが安全に遊べる遊具の一つなのです。
いつもは子供部屋で遊んでいましたが、今日はリビング。なお、キャッチボールの相手はバン兄である。
このキャッチボール、この幼児心に誘われるものがある。つい夢中でボールを追いかけてしまう。
バン兄とはお互いまだ体の操作が未熟なためまっすぐ飛ばない。でも楽しい。
つい夢中でキャッキャしてしまう。
それを見守る大人陣の微笑まし気な視線も慣れたものである。
私自身、変態王子の変態行動に最近心が疲れていたので癒される。
相手が『癒し系幼児』『奥様のアイドル』ことバン兄なのでさらに癒されます。
変態王子ですか?
今はまじめにお仕事中です。夜に向けた仕込み中だそうです。
夜になったら料理人として厨房に立つのだとか……。ちっ、できる変態さんなのです。
あ、ボールがそれました。ダッシュなのです!
ダッシュしたら周りが見えないので、障害物に当たることが多いのです。
勝の時も子供たちもよくぶつかって泣いていましたね。なんとも懐かしい。さて、私の場合はぶつかりそうになると襟首を掴まれて持ち上げられます。ネコではないのですよ? 権三郎。
「最近ミリ姉を見ないのですが、なにしてるんですかね……ぇぃ」
ミリ姉はあの、人権略奪装備を嬉々として着せてくる方なので関わらないのはありがたい話なのですが、家族ですので見かけないのが多いと気になります。……ああ、勝の時、子供たちとは週末しか顔を合わせられなかった……、子供たちは私と会えないことで心配と不安を抱えていただろうか……。
勝の脳裏に一度弁護士さんに連れられ元嫁と間男同伴の調停会に出たことを思い出した。
あの馬鹿どもは『私達は本当に愛し合ってる』とか『お金を稼ぐだけで家族ごっこ出来たんだ安いだろ』とか『お前に会う前から自分たちは深く愛し合っていたんだ邪魔するな』とか……、一番辛かったのは『子供たちも昔から俺が父親だと思っている』でしたね。
隣で聞いていた間男の兄が間男を、元嫁の父が元嫁を殴り倒していなければ、弁護士さんがぶちぎれてしまいそうな場面でしたね。
……もう過去の話なのです。が、踏ん切れませんねぇ……。
「あれ? まーちゃん目が腐ってきたよ? 大丈夫?」
バン兄の言葉が直球です。そして6歳でそんな心情を読まないでください。やっぱり弟は貴方の将来が不安です。この世界初めてのホストクラブとか経営して大成功しそうです。……ふむ、その時は1口乗らせてください。王都とかで大儲けできそうですね。おっと、いかんいかん。
「大丈夫です。ミリ姉は今どちらなのでしょうか」
「今ですと。ハンター組合かと思われます。マスター」
権三郎さすがなのです。
「ハンター組合ですか?」
「12になったら通う予定の騎士学校は王都だからな、実践できる環境から遠くっていうんでな俺が許可した」
父が登場です。
「危なくないのですか?」
10歳の女子に魔物はかなり危ないと思うのですが。いかが?
「危なくないぞ、今年あいつは神に会って力をもらってるからな」
ほう。
「5級ハンターぐらいの力はすでにあるかな」
5級? と思ったら説明してくれました。
≪ハンターランク≫
・登録試験(体力測定と筆記試験、有資格者による面接試験)
一般登録者:10級開始
騎士学校卒業生:7級開始
・ランクアップについては、職員による推薦が前提で体力測定と筆記試験がそれぞれ設定されている
・各ランクと目安
10級:害虫駆除や街中での便利屋稼業
9級:街中での高度な便利屋稼業
8級:町の外での害獣駆除などの便利屋稼業
7級:PT編成での小型モンスター討伐
6級:単体での小型モンスター討伐
5級:PT編成での中型モンスター討伐
4級:単体での中型モンスター討伐
3級:PT編成での大型モンスター討伐
2級:単体での大型モンスター討伐
1級:ドラゴン・竜などの危険モンスター討伐
特級:災害指定モンスター討伐
父はそんなことを書かれた紙を渡すと『じゃ』っと手を挙げて仕事に戻っていった。
ハンターの等級について書かれており、等級によって目安仕事紹介の基準となるようです。
4級以上のランクについては王都での試験が必要との事でした。
ハンター組合という組織はモンスターの脅威に抵抗するため昔から国家が運営している組織とのことでした。国家を超えた組織とかではないようです。
国の組織ということで試験とかかなり厳正に行われているようです。
この制度は現国王が若かりし頃ハンターに憧れていた際にハンターの死亡率が気になっていたそうで、即位した後に法整備したそうなのです。
さてここで頭の中で思い浮かべてしまったファンタジーの常識を、一般常識に当てはめて考えてみましょう。
ファンタジーとか映画でよく見る『吹き飛ばされて壁にめり込んだ!』っとかあるじゃないですか?
人体は壁にめり込みません。
めり込む勢いだったら壁の赤い染みになります。
めり込む勢いで叩かれたらそこで粉砕されて肉片です。
大型モンスターやドラゴンと戦うのであれば、それぐらいの勢いで叩かれても耐えられないといけません。
全部かわせって?
いやいや、そんな体力ないでしょうし、相手大型ですよ?
攻撃半径・攻撃範囲が違いすぎます。
それでもハンターとしての基準はあるのです。
それは成した人がいるということ。
大型魔獣や竜の間合いで戦っている実績があったということ。
少なからず大型魔獣や竜の攻撃を2~3回防げる人類が存在する。という事になります。
竜がどれぐらい大きいか私にはわかりません。
仮定として4mだとしましょう。
竜はその巨体を支えるだけの強度と柔軟性を持っていることになります。
それを討伐する為には、その強靭な外皮、筋肉を断つための斬撃が必要です。
最初は攻撃力。
私が知る常識的な人間は、そんな攻撃を放った瞬間腕が吹き飛んでいると思います。
作用と反作用というやつです。
これは欧米人が好きなムキムキ筋肉と日本人が好きな細マッチョでも違いなんてありません。
あっても誤差にすぎません。
次に傷、防御力です。
『傷つきながら倒した』とか漫画アニメで見かけますが、そもそも人間は少しの切り傷だけでも戦闘力激減します。
足とかのちょっとした切り傷で歩きづらくなった覚えありませんか?
スポーツしていた人ならわかると思いますが、肉離れとかしたら激痛で1か月歩けなくなりますよ?
脱臼とかしたら引退の危機だったりもしますよ?
結論、この世界の人間は『神の恩恵を受けるという事は細胞単位、もしかしたら遺伝子単位で人間やめてる』のでは?
魔法力なんてものがあり、魔法力を生成する器官が体内にある時点で私が知っている人間ではないのですがね……。今さらの話ですが……。
ふむ……………………。
「……行ってみたいですね」
ぼそりとつぶやくと、皆私と視線を合わせてくれません。
なので権三郎の肩によじ登り言い放ちます。
「ハンター組合までGOなのです!」
「……リード、リードはどこだったっけ?」
人権さんが再びピンチな気配を感じます。早くいきましょう!
行かないという選択肢ですか? あるとでも?





