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第 7羽   鳥、はスキルを検証する

 


 どうも俺です。性別はまだない。

 いや、性別は『俺』だったな。


 ……うん、すまない、現実逃避だ。

 あれから全てのスキルの確認を終えたところなんだ。

 そのスキル内容があまりにも異常でね、精神の安定のためにも現実逃避は必要なのだよ。



 さて、話を進めようか。

 どうやら俺のステータスを見ることが出来たのも、スキルの詳細を見られたのも全てはコイツ、


【真眼】:

視覚に関する能力を大幅に強化する。

指定した対象の情報を読み取ることが可能になる。

視覚妨害を無効化するが、このスキルよりも上位ランクのスキルによる妨害は無効化できない。



 【真眼】様のスキル効果だったようだ。

 指定した対象の情報を読み取るんだと。

 それを理解した俺は全てのスキルの詳細を確認していった。

 その中でも特に重要だと思われるものを復習しようか。


 まずは固有スキルから、




【超回復】:

核となる魔石を破壊されない限りあらゆる傷、毒、病気、呪い等のバッドステータスを自動治癒する。

【生命力回復速度上昇・Ⅹ】【生命力回復量増大・Ⅹ】

【魔力回復速度上昇・Ⅹ】【魔力回復量増大・Ⅹ】と同等の効果を得る。

常時発動。


【紅炎】:

あらゆる炎熱魔法を使用可能となる。

このスキルの保有者は、スキル【消費魔力半減・炎熱】【属性強化・炎熱】を取得する。


【蒼炎】:

魔導の域に至った上位の蒼き魔炎。

効果対象を指定することが可能であり、魔法効果は術者のイメージに依存する。

このスキル保有者は、スキル【業火】【魔導・炎熱】を取得する。


【聖炎】:

不死の炎。炎熱と神聖、二つの系統属性を有する銀の炎。

効果対象を指定することが可能であり、魔法効果は術者のイメージに依存する。

質量を持たせることが可能。

攻撃と治癒、二つの性質を持ち、術者の意思により効果を切り替えることが可能。

対象の炎熱耐性、神聖耐性を無効化する。

このスキルの保有者は、スキル【炎熱系統完全耐性】【神聖系統完全耐性】を取得する。


【天空】:

ありとあらゆる高度、場所での飛行を可能とし、飛行による疲労が生じない。

魔力を消費することで飛行性能を向上させることが可能。

空中にいる際の行動に極大の強化補正が掛かる。

このスキル保有者は、スキル【烈風】【空間把握】を取得する。



 次は通常スキル。



【魔喰】:

自身が持つ属性耐性に属する魔力を食することが可能となる。

食べられる魔力は属性耐性のレベルに依存する  

所持する属性耐性より上のランクの魔力は食べられない。

食べた魔力は必要な栄養素へと変換され、身体へと吸収される。


【烈風】:

魔力を込めて風を発生させることで、風の勢いを強化することが可能となる。

込めた魔力量に応じて、より強力になっていく。


【魔導・炎熱】:

炎熱魔法を魔導の域にまで到達させた証。

炎熱属性の魔法を使用する際、無詠唱で魔法を発動可能。

基礎となる最大魔力量を5000消費することで、指定対象にスキル【炎熱魔法・Ⅰ】を取得させる。以降、5000ずつ消費量が増えていく。



 こんなところか。


 御覧の通り、チートである。俺のスキルなのに俺が引いてしまうぐらいのチートっぷりだ。

 所持スキルが多いのは、スキル効果で別のスキルを取得するスキルが存在したのも原因だろうと思う。なんかスキルっていうより称号みたいなのもあるし。


 スキルの効果を比べてみるに、『固有スキル>スキル』と考えていいだろう。

 しかし名前が読めない固有スキルは当然の如く詳細も確認できなかった。

 何か特殊な発動条件でもあるのかもしれないが、名前も分からないんじゃどうしようもない。これに関しては追々考えていくしかないだろう。

 現状、名前が判明している六つの固有スキルだけでも持て余しそうなので、精神の安定のためにも今はこれでいいと思う事にしよう。


 【紅炎】【蒼炎】【聖炎】の三つのスキルなのだが、説明を読む限り、

 紅炎=赤の炎、蒼炎=青の炎、聖炎=銀の炎、っぽい。

 赤、青、銀。……うん、見たことがある色ばっかりだ、というか生まれ変わってから毎日見ている、っていうか食べてる。

 俺の食糧の色だね。二色の炎花と銀炎さんだ。

 食べていた炎の色と所持しているスキルで色が一致している。何も関係が無いと考えるのは難しい。


 火口の銀炎は、恐らく俺の親鳥にあたる存在が設置したものだと思っている。

 この考えが正しいならば、二色の炎花も親鳥が設置したのかもしれない。

 俺は三色の炎スキルを持っている、ならば親鳥が同じスキルを持っていても不思議ではないしな。

 この洞窟は俺にとって都合の良過ぎる環境だった。親鳥が雛鳥のために最適な環境を整えた可能性は十分にあるだろう。

『固有』スキルである点に引っかかりを覚えるが、<固有スキル>の意味を調べようとしても【真眼】の対象に指定出来ないようで調べることは出来なかったのだ。

『一個人での固有』なのか『種族としての固有』なのかが判断できない。

 恐らく後者だと思う。勘だけどね。


【紅炎】【蒼炎】【聖炎】のスキルはどの程度の威力を発揮するか分からないので、後で外に出て試してみようと思っている。


 【超回復】はスキルの名称通りの効果なんだろう。

 常時発動とあるが、発動してる感覚なんて分からん。

 これから生きていけば怪我もするし病気にも罹るだろうからその時に効果を実感できると思う。生命力と魔力量の回復速度が上昇しているらしいが、元々の速度が分からないので気にしないことにする。

 それよりも詳細の説明文にある『核となる魔石』ってのが気になる。

 【真眼】での説明にそう記述されているってことは俺の体内に魔石とやらが存在してるのは確かなのだろうが、体内のどの部分に存在しているのかが分からない。心臓か? 頭か? それとも他か?

 以前読んだことのあるファンタジー小説では、モンスターの胸部に魔石が埋まってるって描写があったんだが、俺もそうなのかは分からん。自分で胸部を掻っ捌いて確認するわけにもいかんしな。

『核となる』ってぐらいだ。最重要器官っぽいから足や翼に在るってことはないだろうと思うが……。というか俺の生命力じゃどんな攻撃でも致命傷になるっぽいから、気にしなくていいかもしれんね。


 【天空】は俺的ランキングナンバーワンのスキルと言えよう。

 ありとあらゆる高度、場所での飛行を可能とし、飛行による疲労が生じない。

 ……素晴らしい。俺の為に誂えられたかの如きスキル効果である。

 固有スキルの中で一つだけ選べと言われたら迷わず【天空】を選ぶと断言できるな。


 【魔喰】は通常スキルに属するようなのだが、現状最もお世話になっているスキルだ。

 どうやら俺は炎を食べていたというよりも、その炎に含まれる魔力を食べていたっぽい。俺は【炎熱系統完全耐性】と【神聖系統完全耐性】のスキルを持っているので炎花も銀炎天井も食べることができたのだろう。

 通路に生えていた赤い水晶も食べられたことから、あの水晶は炎熱系統の魔力で構成されていたのだと予想できる。

 今日まで生きてこれたのは【魔喰】のおかげと言っても過言ではないな。魔力さえあれば生肉や虫を食べる心配とは無縁でいられるだろう。

 これからもお世話になります。


 ~~


 さて、俺は今外にいます。スキル試用のためだ。

 もう銀炎――いや、聖炎の天井も大して苦労することなく食べ尽くすことができるようになったようで、サクッと出て参りました。身体が光って羽の色が変化してからなんだか調子が良いんだよね。聖炎天井は謂わば自宅の玄関扉のような物なので、開閉が楽になったのは良いことだ。……開閉の度に食事することになるのは困るけど。


 ではでは、スキル使ってみますか。



 ~~



 はい、使ってみました。

 結論、ヤバイです。

 目の前で溶岩がグツグツしてます。


 まず俺はスキルの説明に多く出てくる言葉、"魔力"とは何ぞや? というところからスタートした。が、これはあっさりとクリア。

 【魔力感知】で感知できるんじゃね? と思ったらできたのだ。

 スキルは『○○のスキル使う』と思えば発動するようだ。実にお手軽である。

 で、魔力というものが何となく感じ取れるようになった俺は、【紅炎】【蒼炎】【聖炎】の順に使ってみることにしたのだ。


 紅炎は『あらゆる炎熱魔法を使用可能』とあることから、ある程度決まった形の魔法を使えるようになるみたいだ。

 火の玉だったり、火の矢だったりだ。火の玉の形を星型へ変形させようとかは無理だった。とはいえ、かなりのバリエーションがあるようで、『こんなのあるかな?』って思ったものはだいたい発動した。

 それと、"炎熱魔法"ではなく"紅炎"を強くイメージすると炎の色が真紅へと変化した。真紅の炎は威力が上がっているようで、【紅炎】本来の性能であるっぽい。

 魔力は一応消費しているようなのだが、数秒で回復してしまう程度。ぶっちゃけ無限に使い続けられそうだ。

 真紅バージョンだと消費量はちょっと増えるが殆ど変わりない。よって使用時は常に真紅バージョンでいこうと思う。


 蒼炎は『魔法効果は術者のイメージに依存』の説明通り、俺のイメージに合わせて形を変化させられた。紅炎では無理だった星型火玉も問題なく使えたのだ。

 【蒼炎】で出現する炎はその名の通り全て蒼色だった。

 ちなみに、その辺の岩に向かって最小出力で適当に火炎放射したら岩が溶けて溶岩になりました。

 消費魔力は【紅炎】の五~十倍ぐらいが基準ぽい。イメージが複雑になるほど消費量も増えていくようだ。


 聖炎は蒼炎の上位互換バージョンだ。

 攻撃と治癒の性質を持つらしいので、まずは攻撃ということで火の玉(小)を岩にシュート。

 岩が蒸発しました。岩があった場所の周辺は例の如く溶岩祭り。

 その光景にしばし唖然としていた俺は「これはあかんヤツや」と認識。

 "効果対象を指定"せずに使用してはエライことになること請け合いのチートだった。

 【炎熱系統完全耐性】と【神聖系統完全耐性】が無ければ自分の炎で死んでたと思う。あ、でも【聖炎】の説明に炎熱耐性と神聖耐性を無効化するって書いてあったので、自分の魔法では怪我しないって不思議設定があるのかも知れないな。


 火口の聖炎天井はちゃんと効果対象を指定してあそこに設置されているんだろう。でなければここら一帯は灼熱地獄だ。

 治癒の性質はまだ試せていない。

 欠点もある。魔力消費量が半端じゃないのだ。火の玉(小)でも魔力がゴリッとゴソッと削られる。しかも対象指定すると更に消費が増えるのだ。調子に乗ると直ぐに魔力切れになる。


 まとめると、


 威力  :紅<<蒼<<<<聖

 消費魔力:紅<<蒼<<<<聖

 利便性 :聖≦紅≦蒼


 って感じだ。

 【紅炎】は消費魔力は文句無しなのだが、決まった術式? でしか発動できない。

 【蒼炎】は思った通りの炎を使用できるのだが、イメージがあやふやだと発動しないことがある。

 【聖炎】は威力、消費魔力ともに大きすぎて使い辛い。対象指定すれば周囲への被害は何とかなるが魔力消費量が増えるからな。


 格ゲーで例えるなら


 紅炎:通常攻撃

 蒼炎:コマンド技

 聖炎:ゲージ大量消費の超必殺技


 だな。格ゲーで例えたことに特に意味は無い。


 そうそう、【魔導・炎熱】の効果である炎熱無詠唱のおかげか、全て詠唱無しで発動できている。

 そもそも詠唱とか分からんしな。詠唱無しで発動できるのだからそれでいいだろ。


 さて、スキル検証はこのぐらいでいいかな。



 ……少し、気になることができた。








お読みいただき、ありがとうございます。


評価、ブックマーク共にありがとうございます。

稚拙な文章と語彙力ですがどうかこれからもお読みいただければ幸いです。


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