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第5話 大山タヌキ集会

 翌日。

 夜も更け、辺りは夜の帳に包まれた。俺はひょっこり巣穴から顔をだし、周囲の様子を注意深く窺ってから巣穴を離れた。目を黄色く光らせ、鋭い眼光を走らせる。周囲の匂いにも注意を向け、感じた匂いを頼りに地面を掘り返し、ミミズを食べる。


 これで出発前の食事はオーケーだ。さて、それじゃあ行くとしようか。


 俺が住んでいる場所の目の前にある沢。振子沢と呼ばれるその沢には滅多に使われることのない山小屋がある。

 そこが、大山タヌキ集会の会場なのだ。




 さっきも言った通り、会場は俺の巣穴のすぐ近くにあった。前日に下見をしていたから、会場に行くのに苦労はしない。

 が、まだ会場入りはしない。ひとまず様子を窺おうと決めていたのだ。近くの岩陰に身を潜め、野生動物の五感を最大限に高めて、注意深く辺りの様子を窺う。


 聞いた時間よりも早く来たのはそのためだ。

 俺はタヌキになって間もない。なんとか一週間を過ごすことは出来たが、それは全て自分一人で行ってきた。これから潜入するのは、俺にとっては未知に等しいタヌキ社会。人間の時には決して見ることが敵わない、タヌキだけの空間だ。

 この時の俺は、不安で仕方がなかったんだろう。まったく知らないコミュニティの中に単身潜入するというのは、それだけ精神をすり減らす。

 引っ越しなんかと同じだな。良く慣れ親しんだ地を離れ、周りの誰もが自分を知らず、自分も周りの全てを知らない、そんな地に単身出向くのだ。

 恐怖じゃない。不安だ。

 だから俺は、自分の身を守るために、こうして様子を窺うのだ。

 用心するに越したことはない。じっと、息をひそめて、その場で待つ。




 やがて、月すら見えなくなった山の中に、一匹の動物がこちらに近づいてくるのが見えた。丸々とした毛で覆われた身体。丸っこい耳にふさふさとさわり心地のよさそうな尻尾。そして暗闇の中でも光る黄色い目。窓に写った俺と瓜二つな見た目、間違いない。


 タヌキだ。野生のタヌキ。


 一匹の出現に呼応するかのように、二匹、三匹と続々と集まってくる。その数十……二十……ダメだ。数えるのが大変になる。とにかく、たくさんのタヌキが集まってきた。

 その中の一角、べったりくっつきながら二匹のタヌキがやってきた。ああ、確かめるまでもないな。常盤と郁夫。リア充クソタヌキだろう。


 さて、だいぶ集まって来たがまだ集会は始まっていないようだ。思い思いにタヌキたちが会話を重ねているのが目に映った。

 驚くべきことに、その会話の内容は俺にもスルスルと理解できる。俺もタヌキになったからタヌキ語を理解できた、ということか? いや、そもそもタヌキも言語を介して社会を持ってるとは。今までなら気づくことのできなかっただろう新たな世界に来てしまった、そんな気分だ。

 しかし、そんな関心を持ったことは少し失敗だったかもしれない。集会の場は大量のタヌキで埋め尽くされており、立ち入る隙がない。

 アウェー故の辛さだ。全く知らないコミュニティに立ち入るのは、想像以上に勇気が必要だ。いつしか俺は、隠れたその場から動くことが出来ずにいた……。


 ヤバい。

 このままでは、俺はタヌキの中でも孤立してしまう。こういう時は自分のことをよく知ってもらうための挨拶なり自己紹介なりが大切だってことは分かってる。新しい学校に行ったときや部活に入った時はそうするだろ? 当たり前だ。

 だが、このまま隠れていたら、それすらできない。焦りと、だが出ていくことのできない葛藤。それらが、俺の中を逡巡し……。


「ねーにいちゃん。いつまでかくれてるの?」

「……いや、何か出て行き辛くてな」

「そうなの? ヘンなのー? じゃあさ、僕と行こうよ」

「いいのか……?」


 そこまで自然と口にして、ふと、疑問が脳をつつく。

 ……あれ? 俺、今誰と喋ってた? 確か、隣から声が聞こえたよな? ってぇことは……俺が気づかぬうちに……。


 恐る恐る、ゆっくりと首を回すと、そこにもタヌキがいた。

 俺と比べると一回りも二回りも小さい。だけど、その姿は間違いなくタヌキだ。ちょこんと地べたに座り込み、まんまるな目を期待に輝かせて俺に向けていた。おそらく子供のタヌキだろう。期待に輝く眼は、親戚のちびっ子たちに登山経験を話してやった時と同じ、無垢な子どものそれ。


「……って!? お前いつからここに!?」

「んー? 僕はね、集会に一番乗りしよーって思って、お月さまが顔を出してすぐに来たんだ。そしたらにいちゃんが来て、じーってしてたから、傍で(・・)真似したんだよ。じーってね」


 子供のタヌキはキラキラと目を輝かせながらはきはきと喋った。現実に目の前でタヌキがしゃべるのを見たのは衝撃だ。

 ……いやマテ、この子タヌキは今なんて言った? 俺の傍で(・・)

 つまりそういうことか。俺はタヌキたちの様子を見ようと注意深くしてたってのに、子供のタヌキ一匹の接近に気づけなかったってことか?


 ――……うわぁああああああ!! なんか情けないよぉおおお!!


「おい金次。遊んでないで早くしろー。集会始めるぞー」

「はーい! 今行くー!」


 子タヌキは集会場からの声に元気よく返事する。

 ああ、こいつが金次か。「暇だから遊びたいよー」とか言ってた。ふーん、まだ子供のタヌキなのね。


「そこの新入りも早くしろー。お前が出てこないから始められないだろうがー」




「ぎゃぁあああああああ!!!! ばれてたぁああああああああ!!!!」


 念に念を重ねて隠れてたってのに、全部お見通しだったと。そーですかそーですか……情けなくて泣きたくなるよチクショー……。


 俺は、とぼとぼと崩れ落ちそうな足取りで集会会場に向かった。




***




「えっと、悠治と言います。最近ここに流れてきて勝手に住みつかせていただきました。今後ともよろしくお願いします」

「うぃーす。よろしくなー」

「よろしくー」


 どうにか当たり障りのない挨拶をすませる。反応は、いたって普通だな。もう少しインパクトが必要かとも思ったが、あいにく、俺はショックから立ち直れておらず、気の利いた挨拶は出来なかった。

 さて、他にももう一匹ここに流れて来たタヌキがいるらしく、そいつが俺の後に挨拶をした。それが終わればタヌキ集会は本格的に始まる。

 最初は、この辺りの代表タヌキによる挨拶だ。

 俺は、なんとなく学校で毎月行われた全校集会を思い出す。校歌を歌った後は、校長先生が長ったらしい話を始めるアレだ。立ったままその話を長々と聞かされ飽き飽きしたものだ。穂田なんかは、立ったまま校長の話の間だけ眠るという器用な技術を身に着けていた。


「えー、それでは新入りの皆様のご挨拶も済みましたようで。では、これより今月の大神山タヌキ集会を始めさせていただきたく思います。

 ……えー、本日もお日柄がよく……大山在住のタヌキの皆様もますますのご健勝のことと……そして……であって……なので……」


 そして、まさかの予想通りに校長の長話モードが始まった。しかも中身が薄い。うん、聞いてなくていいよね。

 ところでさ、視界の隅でリア充タヌキがなんかやってんだけど。公衆の面前でなに見せびらかしてんのコイツラ。

 あてつけか? カノジョカレシのいないその他タヌキ共へのあてつけか? だとしたらこの場のタヌキ大激怒じゃないか?


 と思ったが誰もかれも無反応。ってか完全無視だ。

 「あーはいはいいつものことですねー。勝手にやっててくーださーいよっと」みたいな生暖かい空気を送りながら、他のタヌキたちも思い思いに会話に華を咲かせてる。


「郁夫さんと常盤さんは先月からずっとあれなんだってー。みんなもう飽き飽きなんだよねー」


 俺が呆れた表情を浮かべているのに気付いたのか、金次がそう教えてくれた。

 なるほどね。先月運命的に出会ってそれからずっと、と。アツアツでいいことだ。だが、それは自分たちの巣でやってくれよ。

 “彼女いない歴=年齢”の俺みたいな奴にはすっごいあてつけになるから。

 周りの会話に耳を傾けてみると、最近の山の自然の事とか人間の事とか真面目な話をしている奴もいれば、美味しい食べ物談義をするやつもいる。そんな姿を見ると、とても野生動物の日常だとは思えなかった。普通に、農家の集会みたいなのんびりと落ち着ける空気が漂っている。親父が猟師仲間と話している時となんら変わらない。


 野生動物の世界なのに、人間の時と変わらないな。


「ねーねー、ゆーじにぃちゃん。にいちゃんのことさ、“にいちゃん”って呼んでいいかな?」


 服の裾を引っ張る様に、金次が俺の毛を軽く食む。「にいちゃん」ってのは、さっきからずっとそう呼ばれてるよね。


「あー、まぁ別にかまわないよ。でもなんで?」

「えへへー。さっき思ったんだ。僕ねぇ、にいちゃんがにいちゃんになってほしいなーって。さっきのあれ、みんなから隠れてるフリしてたやつ。なんかすっごいおもしろそうなんだもん。ねー」


 隠れてる……フリ、か……。俺としてはマジだったんだが。フリか。

 金次君。その一言がさ、俺の心を抉って行くんだよ。穴埋めの何かが欲しいなぁ。美味しい食べ物とかさ。

 それはさておき。悪くないな。俺は一人っ子だったからこういうべったり懐いてくれる弟or妹には軽いあこがれがあったもんさ。弟妹がいる奴は「メンドーなだけ」というが、いない奴からすればすごい羨ましいんだ。面倒だって言うけど、その面倒さが羨ましいのさ。


「まぁ、俺で良ければ別にいいよ」

「ほんと!? やったぁ、さっそくみんなに教えてこよーっと」


 金次はとびあがるほど――ホントに飛び上がって喜びを表現し――タヌキたちの雑踏の中に走り込んでいった。たぶん、親に伝えに行ったのかな。


「よ、よぉ。ゆ、悠治だって?」

「え? はい、そうですが?」


 おっかなびっくり、恐る恐る一匹のタヌキが近づいてくる。なんか、すっげぇ怯えられてるんだけど。俺、なんか怖がらせるようなことしたっけ?


「な、なぁ……こないだのアレ。お前だよな。その……大丈夫だっただか?」

「??? 大丈夫って、何がです?」

「ホラ、あれだよ。毒キノコを貪ってたの……おめぇさんだろ?」


 毒キノコ!

 そうかそうか、ってことは俺が鬼の形相――だったらしい――でキノコを貪ってた時の姿を目撃したタヌキはこいつか。ならこいつの名前は……嘉六(かろく)だったな。


「いやぁ、空腹感が酷くてですね。我慢できなくて、つい……目の前のキノコに猛然と……」

「だからって毒キノコを喰うなよぉ。前にオラの知り合いがアレ喰ったんだけどな。三日三晩身悶えてポックリ逝っちまったんだよ。おめぇは助かったみてぇだが、気ぃつけろや」

「あ、ははは……忠告ありがとうございます」


 あれ、そんなに酷い毒キノコだったのね。うん、今後は気をつけます。しかし、俺キノコの見分けとかつかないし、誰かに教えてもらったがいいな。


「なんだったら今度、オラが食べられるキノコ教えてやるよ。そのぐらい分かんだろうけどさ。おめぇが前住んでいた所といろいろ違うかもしれんし、念のためな」

「ホントですか!? あ、ありがとうございます!!」


 キノコの違いなんてほとんど知らない俺にとって、その申し出はありがたいことこの上ない。二つ返事でお礼を言う。

 そんな俺の態度に、嘉六はニカッと笑って見せる。


「なんでぇ、結構気の良いタヌキでねぇか。ハナっからそういう感じで居ろよ。皆気にしてたんだぜ、おめぇの事」

「え……?」

「この世の終わりみてーな、くーらい顔してこんな奥地までやってきてよぉ、その上毒キノコ喰ってぶっ倒れて、心配して様子を見に行けばケロッと麓まで遠征。ずいぶん変り種が来たもんだってぇ、みんな恐々だったからなぁ」


 「ハッハッハッ」と、嘉六は快活に笑った。気づいたら俺の周りには談議に華を咲かせていたタヌキたちが続々と集まりつつあった。


「なぁ悠治、今度うちに来いよ。いい餌の場所を教えてやるから」

「そうだ、人間どもの道には近づくなよ。あいつらこわいもの知らずだから……」

「あ、情報掲示場の場所も案内しねぇと……」

「それだったら伊吹さんも一緒がいいんじゃない? あの子も新入りでしょ?」

「ねぇ、毒キノコってどうだった? 私は食べないけど、その時のことを子どもたちに話してあげて。きっといいクスリになるから」

「そうだ! せっかく大山に来たんだ。今のうちに山頂を見に行っとけ。今なら人間どもも少ないから気軽だぞ」


 口々に、タヌキたちはいろんなことを話してくる。それに一言答えるだけで俺は精いっぱいだった。そして……


「ん? おいおい、な~に涙なんか出してんだ?」

「え?」


 嘉六に言われて気付いた。俺の瞳から、滴が「つー」と、流れていた。


「え? あれ? 何でだろ……、あ~よく分かんねぇや」


 思わずタヌキたちから目を逸らし、前足で目を擦る――擦れないや。

 分からない……わけがない。俺は嬉しかったんだ。ここのタヌキたちは、俺をすんなり受け入れてくれた。最初は持っていただろう先入観もあっさり吹き飛ばして。ただ目の前にいる俺という存在だけで判断してくれた。嬉しくて、溜まらない。

 今の人間社会にはない暖かさ。特に中高生では、ほんの少しの失態や行動で、一気に心象が変化する。それが酷くなって、いじめや差別になることを、俺は知っている。良く知っている。

 だから怖くなった。全く知らない奴と、関わることが。

 嘉六が言ったように、俺の第一印象は変なタヌキだったのだろう。だけど、実際に俺を見て、タヌキたちはあっさりその印象を捨ててくれた。“変な奴で近寄りがたい”から“変な奴だけど面白い”に。ほんの少しの違いだろうが、与える印象は大違いだ。それをタヌキたちはあっさり受け取ってくれた。それが、素直に嬉しい。


「おめぇさ、何があったか知らねぇけどよ……焦りすぎなんじゃあねぇの?」


 焦り……過ぎ?


「昼夜問わず歩き通しで巣を探したり、飯食うだけなのにわざわざ日を跨いで麓にまで下りたりな。それに腹が減ってるからって手当たりしだいに喰らったり。慣れねぇ土地で気持ちが落ち着かねぇのも分かるけどよ、もっと落ち着けって。分かんねぇことなら、オラたちがナンボでも教えてやっから。困ったことがあればオラたちを頼れ。同じ山のタヌキでねぇか」


 俺の中で、その言葉は何度も反響し意識をはっとさせた。

 焦り過ぎ。

 そうだ、焦っていたのだろう、俺は。

 突然タヌキになって、タヌキで生きることを決定されて、それに納得……はしてないが、それでも何とか生き延びようと苦心した。全部、一人で。

 その言葉が胸に染み入ると同時に、俺の中にあった何かが抜け落ちたような気がする。つっかえてた何かが、さ。




「ねぇ、あなた……悠治、だったわよね?」

「え?」


 また別のタヌキに声をかけられ、顔を上げてそちらを向くと、一匹の雌タヌキがいた。一発で雌と解ったのは、タヌキの感覚だ。一目見ただけで、このタヌキは雌だと断定できた。

 そのタヌキには見覚えがあった。俺の自己紹介の後に話してたタヌキだ。彼女も新入りのタヌキで……。


「あたしは伊吹。忘れかけてたでしょ? 同じ新入り組なのに」

「あ、はい。伊吹さん……ですね。オッケーですよ。ええと、伊吹さんも最近こちらに来られたと」

「伊吹でいいわよ。あたしはね、故郷を離れてあちこち旅してる途中なの。落ち着けるところを探してね。ここはよさそうだし、しばらく――今年一年はこちらに滞在しようかなぁって」


 へぇ~タヌキって旅なんてするんだな。ちょっと驚きだ。伊吹の話からすると、日本全国あちこちを歩き回るってことだろう。そんなタヌキがいるのなら、俺もそのうち行ってみようかとも思った。もっとタヌキに慣れてからだけど。


「――にいちゃーん、ねぇちゃーん」


 お、この声は金次か……ってねぇちゃん!?


「あたしも金次君に懐かれちゃって。その辺りも、よろしくね」

「ははは、りょーかい」


 その後、金次も含めて三匹で会話に華を咲かせていると、ようやく校長もどきのタヌキ――鈴之助の話が終わった。

 この長さはいつもの事らしく、ガン無視するタヌキたちがほとんどだ。それに気づかず話し続けた鈴之助はなかなかの猛者だな。


「えー、では次に連絡事項に入ります。まずは――景千代さん」


 景千代、と呼ばれたタヌキが鈴之助の前に歩み寄り、こちらに向き直る。


「掲示場にもあります通り、朧さんの姿をもう一ヶ月も見ないのです。だれか、知っていることがありましたらお知らせください」


 ああ、そんな話もあったな。まぁ朧って誰って思うのだが。


「金次君。朧さんって、どんなタヌキ?」


 同じ疑問を持っただろう伊吹が質問する。


「おぼろさんはねぇ、このあたりでは一番お年寄りのちょーろータヌキなんだ。みんな困ったことがあったらおぼろさんに聞けっていうんだよー」


 ふぅん。つまりはお年寄りの知恵袋みたく重宝されてたんだ。朧ってタヌキは。


「集会には欠かさず来てたし、毎日山の中を歩いてるおぼろさんを誰かが見てるから心配なかったんだけどね。最近見かけないし……おぼろさんの巣はだれもみたことないんだって。僕は大山タヌキの七不思議の一つだと思うんだ!」


 へぇ。謎多き長老タヌキか。しかし、最近見てないかぁ……それって嫌な予感しか出てこないんだが。


「悠治。もしかしたらその朧さんって……」

「ああ、みなまで言わなくても分かるよ。一途の希望に縋って……的な感じみたいだし」


 情報を求めている景千代の雰囲気からそんな気がする。


「えー他にはありませんか?」


 その後も何匹かのタヌキから連絡事項があり、最近の山の情勢や山に立ち入る人間のこと、それから他の動物たちの動きについても情報交換がなされ、本日の大神山タヌキ集会はお開きとなった。

 当然ながら、集会が終わった後も屯するタヌキが何匹か居り、俺は伊吹さんと一緒にこのあたりの餌場の事や毒キノコの事――これ最重要!!――情報交換に使われる公衆便所……もとい情報掲示場の場所を聞いて帰ることにした。

 ついでに金次と伊吹の巣の場所も聞くことが出来た。知り合いになったタヌキ同士、これからも仲良くやっていきたいものだ。


 明日からは、さっそく教えてもらった餌場を見に行ってみようかな。今まで食べてなかったものに巡り会えるかもしれない。

 そうして今晩の集会を終え、巣穴に帰宅すると翌晩までぐっすり眠ることにした。




 ちなみに今日は金次がお泊りしてきた。一人で寝るよりもあったかいし、なにより俺より小さい子タヌキの金次の寝顔は何と可愛らしいことか!

 これだけでご飯三杯ならぬミミズ百匹は平らげられそうだったぞ!!


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