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別れは突然に

再び2人一緒に過ごす毎日が始まった。

琉星が合宿から帰ってきてからの1ヶ月は、

誰から見ても理想のカップルだった。


しかし、それも長くは続かなかった。


付き合ってから1年半が経ったある日。

2人は近くのイルミネーションを見に行くことになった。

周りには当然のようにたくさんのカップルがいたが、2人だけは周りのカップルのように幸せそうではなかった。

なぜなら琉星が涼香に対する気持ちが冷め始めていたからだ。

そして、その3日後。

琉星から別れのLINEが。

理由は、近すぎたこと。

琉星が涼香のことを好きかどうかわからなくなったということ。

涼香は受け止められなかった。

1年半一緒に過ごし、両親の公認の元

結婚の話までしていた2人に突然何が起こったのか、涼香は考える暇さえなかった。

別れた時期はクリスマス前だった。2人はクリスマス旅行を計画していた。

2人ともその旅行は楽しみにしていた。

そのため、琉星は別れても旅行は行こうと言っていた。


その日は考えさせて、という言葉で事は済んだが、3日後涼香の方から承諾のLINEをした。

涼香は色々考えたがすぐに戻れるだろう、とそのくらいでしか考えきれずに承諾したのだった。


クラスが一緒だったため毎日顔を合わせ、

嫌でも隣の席、という毎日を過ごしていた。


別れてから1週間後、琉星の性格に異変が起きた。

基本的に大人しく、女の子に自分から絡みに行くような性格ではなかった琉星が、女の子に自分から絡みに行き、女の子の側にずっといる。

周りのクラスメイトもひいていた。

涼香も初めは「なんであんなことしてるんだろう?」としか考えられなかったが、ふと思った。

“私が嫉妬をしてたことで女の子と話せなかったのが、別れたことで爆発したんだ。”

そう考えた涼香の考えはあながち間違ってはいなかった様子だった。

そんなちょっとした琉星に変化がある毎日を過ごしていたが、ある日、

涼香が琉星に「話したいことがある」とLINEしたところ、「絶対に来るな。顔も見たくない。まじで俺に関わるな。」と言った返事がきた。

琉星がそこまで言うのは初めてだった。

琉星が怒っている理由は元をたどれば涼香が悪いことではあった。

しかし、そこまで怒るような内容でもなかった。

だが、一つ不思議なことは、顔も見たくないと言った割には解決するための話し合いの時間を作ろうとしてくれていることである。

“何かがおかしい?”と考えた涼香は助けを求むべく、琉星の高校の頃の先輩である修也さんに相談した。

修也さんカップルと涼香と琉星はよくカラオケに行くなど、仲が良かった。

修也さんは快く相談に乗ってくれた。

涼香が修也さんに、

「琉星のせいでストレスがひどいです。

どうしたらいいと思いますか?」と言った。

すると、修也さんはこう答えた。

「可哀想だね、琉星。

涼香にはまだ余裕が見える。だけど、琉星にはもう余裕はないよ。」

涼香はその答えに初めは疑問しか持たなかった。

“なぜ私じゃなくて琉星が可哀想なの?

私だって余裕なんかないのに…。”

涼香は琉星の行動を色々と含めて考えてみた。

女の子との接触がかなり増えたこと。

小さなことでも涼香にかなり怒ること。

しかし、仲直りの場を設けようとすること。


色々考えた結果、一つの答えが出た。

“琉星は強がっている。”

それはどういうことかと言うと、

自分だって女の子と話せるんだってところ見せつけたいということ。

琉星は対人関係のこと等でストレスを溜めていたが爆発させられるところもなく、

涼香が当たりやすい所にいたということ。

涼香に爆発させたその一瞬はスッキリするが、その後当たってしまったことに後悔していたということだ。


これらに気づいてしまった涼香は琉星ときちんと話すことにした。

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