1年が経っても
付き合って早くも1年3ヶ月が経った。
涼香と琉星は最初の頃よりも少し冷めていた。
しかしそんな頃、琉星は合宿免許を受けに宮崎県へ行くことになった。
初めて3週間程度会わない日が続くことに。
出発の前夜、琉星はいきなり飛び起きた。
理由は嫌な夢を見たからだという。
ーー親父さんと一緒にコンビニに行った。
そしたら、いきなり停電になったんだ。
わけもわからなく慌ててたら、いつの間にかコンビニからバスの中に変わってて、バスが落ちたんだ。ーー
その夢に涼香も琉星も嫌な予感を感じた。
なぜなら琉星は合宿先までバスで行く予定だからだ。
しかし、その頃2人の中で流行っていた夢占いでこの夢を見てみた。
すると、そこにはーー落ちる夢が
不安の高まりとか精神が安定してないとか
バスっていうのが集団で何かしたいとかーー
と書かれてあった。
まとめれば、合宿に3人で行くことが楽しみで、早くやりたい!と思う反面、試験に一発で受からなければならない不安がある、ということだった。
そんなこともあったが、なんとか気持ちを切り替えて琉星は出発していったのだった。
その間、涼香はバイトに専念しようと毎日寝る暇もなくバイトをしていた。
しかし、体力が追いつかなくなり、
バイト中に過労で倒れ、病院行きになった。
その日、久しぶりに琉星からのLINEがきた。
涼香は琉星には車校に専念させなければならないと思い連絡しなかったのだ。
このことには怒られた。
「俺のことよりもお前の体の方が大事だろ?なんでそんなに気遣うんだよ。」
この言葉に涼香は1年経った今でも幸せを感じていた。
病院から帰った涼香は一人暮らしの寂しさを晴らすために…とハムスターを飼うことにした。
ハムスターを飼う話は前々から琉星にもしていた。
「名前はこじろう、な!」
そんなことを言いながら飼うのを伸ばしていた。
涼香はハムスターを買って帰り、琉星に報告した。
琉星はすごく喜び、毎日のように早く会いたい、写メ送ってと言っていた。
琉星が帰って来る当日。
涼香はバス停まで迎えに行った。
琉星は涼香の顔を見るなり笑顔の反面、照れ臭そうな顔をしていた。
食事をして帰宅し、琉星は初対面のこじろうに。
琉星はそんなに?っと思うほどの笑顔でこじろうと戯れていた。
そんな琉星の姿を見ながら、涼香はまた幸せを感じていた。