明るい毎日
5月10日の出来事が過ぎ、涼香も琉星も毎日を楽しんでいた。
涼香はひとりっ子で近所は男の子ばっかりだったため女の子はあまり得意ではなかった。
そのためか、学校では香澄と男の子と一緒に過ごしていた。
そうなると必然的に琉星とも一緒に過ごすことになる。
初めは2人とも実家ぐらしだったため、2人の時間を作るためにはホテルを利用するなどしかなかった。
しかし、付き合って4ヶ月後、涼香は1人暮らしを始めることになった。
それが琉星は心配であった。
なぜなら、琉星の過去に親戚で有り得ないことがあったからだ。
琉星の親戚で結婚をし、新居を立てた夫婦がいたそうだ。
引っ越した次の日に細かい残りの荷物が届く予定だったらしい。
旦那は奥さんへ荷物のことを任せ、仕事へ向かった。
昼前にインターホンが鳴った。
奥さんは荷物が来たと扉を開けた。
しかし、それは引越し業者を装った男だった。
奥さんはその男に犯され、中出しまでされた。
奥さんは、旦那に全てを話した。
しかし、心の傷は消えず、奥さんは自らの手でこの世を去った。
彼女のお腹には2ヶ月になる赤ちゃんがいたそうだ。
こんなことがあり、琉星は涼香の1人暮らしにかなり心配をしていた。
琉星は心配のあまり涼香の家によく泊まるようになり、結局同居することになった。
琉星と涼香は周りから見ても、理想のカップルであった。
しかし、やはり同居し、一緒に過ごす時間が増えると相手の嫌なところも見えてくる。
そして必然的に喧嘩も増えてくる。
琉星も涼香も気が強く、喧嘩をすればどちらもひくことはなく、終いには手が出ることもあった。
そこまでの喧嘩をしても次の日には何もなかったかのように笑顔で接していた。
だがそれも周りからは理想だと慕われていた。
1年生も終わりに近づいていた頃には、クラス内には3カップルできていた。
そして香澄は自分の夢を見つけ、学校を辞め、東京へと飛び立った。
いろいろ変わったが、みんな毎日を充実させていた。
付き合って初めてのクリスマス。
涼香と琉星は旅行を予定していた。
まだ免許も持ってなかったため、バスでの旅行だったが、2泊3日を鹿児島で過ごした。
2人での旅行は初めてで、道に迷うこともあったが、それも含めとても楽しい思い出になった。