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こうして実った愛

コンパの後、他のみんなは2次会に向かった。

しかし、涼香・香澄・琉星・賢志だけは2次会へは行かず、プリクラを撮って帰ることにした。

プリクラを撮った後、涼香は賢志に呼ばれ香澄と琉星を残し、UFOキャッチャーをすることになった。

遠くに見える香澄と琉星が何かを話していた。

涼香はその話がものすごく気になった。


そして、ゲームセンターを出て、帰宅することになった。

香澄と涼香、琉星と賢志が同じ方向で、

"バイバイ"をしてからそれぞれの道に分かれた。

涼香はさっきのゲームセンターで琉星と何を話していたのか聞いた。

香澄は笑顔で答えた。

「琉星が涼香のこと気になってるのか聞いただけ!」

香澄の答えに涼香は驚きと不安を隠しきれなかった。

香澄は行動力のある人ではあったが、

まさか涼香の知らないところで勝手に動いてたなんて思いもよらなかった。


「それでね!今涼香が告白したら受け入れる?って問いに、うんって答えてたよ!」


この香澄がとった勝手な行動から涼香は

答えが出せた。

「自分が好きな人は、彼氏ではなく琉星なんだ。きちんと彼氏と別れ、琉星と付き合いたい。」と。


そして、涼香は賢志に相談をした。

仲の良い賢志ならきっと何かを知っているはず、そう思ったからだ。

賢志は案の定聞いていた。

「言わないでって言われてるからそんなに話せないけど、コンパの後、電車で帰ってたんだけどあいつ泣いてたよ。初めてちゃんと好きになった人が彼氏持ちだったって。あいつは自分から言えるようなやつじゃないから俺から言うけど、明日学校できちんと話してくれない?」

と言われた。

涼香はきちんと話すいい機会だとも思い、

琉星に連絡をした。

「明日の3限目に話したいことがある。

場所は練習室220で」


琉星にLINEをしたその後日。

話し合うのは3限だ。

1・2限は授業のはずだったが、2限が休講になった。

涼香は香澄に昨日、賢志から聞いたこと等を話そうと2限はコミュニティセンターにいた。

すると、そのコミュニティセンターの前を琉星と賢志が歩いて行くのが見えた。

琉星の目には大粒の涙が浮かんでいた。


まだ3限の時間には早かったが、涼香は琉星に話そうと声をかけるため近づいた。

しかし、琉星は賢志やその他の男子に囲まれ、ベンチに座り泣いていた。


男が人前で泣くなんて、普通の女性ならひくだろう。

だが涼香は普通の女性ではない。

彼を自分の手でどうにかしてあげたい、

そんな気持ちで必死だった。


涼香は賢志に「先に練習室220に行ってるね。

琉星の気持ちが落ち着いたら来るように行って。」

そう言い残し、練習室へ向かった。

30分後…。

涼香のいる練習室に琉星がやってきた。


琉星は入ってくるなり

「初めてこんなに人を好きになった。

彼氏持ちだって分かってたのに、諦めきれなかった。でもどうしていいかわからなくて、辛くて…。」と言った。

涼香は答えた。

「ありがとう。私には彼氏がいるけどね、

私が今好きなのは琉星だよ。私はいつの間にか琉星のことが好きになってた。でも彼氏が別れてくれなくて困ってたの。

私も好きだけど、どうしたいのかわからない。

好きだけど彼氏がいる。でも琉星と付き合いたい。」

琉星はすでに答えを決めていた。

「初めは形上でもいい。彼氏と別れるのを待つから。いくらでも待つから。それまでは二股みたいになるけど、みんなには時期になったら話せばいい。俺は涼香と付き合いたい。」


この琉星の話に涼香は賛成した。

涼香は嬉しさの反面、彼氏と別れることができるのかという不安でいっぱいだった。

入学して1ヶ月。5月10日の出来事だった。

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