コンパで
新歓コンパの日当日。
涼香はコンパが始まる30分前までバイトだった。
コンパの集合時間には到底間に合わなく、
コンパに10分程遅れて行くことになった。
しかし、涼香はコンパの店の場所を知らなかったため、街に着いてもどうしていいのか悩んでいた。
すると、琉星からのLINEが。「街着いた?」
涼香は「着いたけど、場所がわかんない。」
と返すと、「俺と賢志で迎え行くからPARCOの前で待ってろ。」と言われた。
涼香は迎えに来てくれることが嬉しかった。
LINEが来てから5分後、迎えに来てはくれたがそこに賢志の姿はなかった。
「あれ?賢志は?」その問いに琉星は「いや、賢志楽しんでたし、あいつ酔っててめんどくさいから連れてこなかった。」と言った。
2人で街を歩くのは当然初めてだった。
新歓の話で盛り上がりながら店に入った。
店の中ではみんなが楽しそうにはしゃいでいた。
しかし、一つものすごく気になることがあった。
先程、琉星は、賢志は酔っててめんどくさい。
と言っていたが、賢志は酒を飲んではいなかった。
なぜ嘘ついたの?
涼香は疑問に思ったが、香澄の言葉を思い出した。「琉星は涼香のこと好きなんじゃないの?」
琉星が賢志を連れてこなかったのは、私と2人っきりがよかったからなのかな…。
色々考えながらも涼香は新歓コンパを楽しんだ。
コンパも終わりが近づいてきた頃、
琉星から、「どうやって帰るの?」と聞かれた。
涼香は、親に迎えを頼んでいたが迎えの時間までは30分以上もあった。
そのことを話すと、「1人で待ってるのは危ないから、一緒にいるよ。」と言われ、
涼香は迎えまでの時間を琉星と過ごした。
その後の1週間、涼香と琉星は毎日連絡をとり、電話をしたり、遊びにも行った。
そして、新歓コンパから1週間が経ち、
琉星から誘われた学年コンパ。
涼香は琉星の隣に座った。反対側には香澄。
涼香は決して酒に弱くはなかった。
しかし、グラス2杯の酒を飲んだだけで立てなくなるほどに酔った。初めてだった。
琉星が隣にいるから…?悪酔い…?
ぐったりしてる私に水や飲み物、食べ物まで琉星は面倒を見てくれた。
涼香は酔っていたため記憶は薄かったが、
一つだけはっきりと覚えてることがあった。
それは琉星がつけていた香水の香りだ。
その香りを嗅いでいると、ものすごく安心している自分がいたことを。