一姫の素朴な疑問(後編)
次の日、一姫は素朴な疑問を口にした。
『ねえ。ママ。アインシュタインの相対性理論ってどういう事?』
――アインシュタインの相対性理論・・・ですか?
やはり一姫の手にありますのは、“子供の科学”なる雑誌。
――えっとね~宇宙船に乗って宇宙に行って帰ってくると、地球の方が時間が経ってるって説だよね、確か。
『そうそう。なんかこれ読んでてもよくわからなくて』
――ちょっと見せて~そうそう、光の速さに近づくと時間の流れが遅くなるだって~まず、光が1年で進む距離が1光年ね~それで光速の宇宙船に乗って、12光年先の星に行って帰ってきたら行きで12年帰りで12年合わせて24年経っているでしょ。でも地球では40年経っているのよ。10才の双子の一人が宇宙船に乗って、もう一人が地球に残ったとして、宇宙船が帰ってきた時に、34歳と50歳になっているって事なんだよ。
と、私が一生懸命説明いたしますと、一姫はちょっと呆れた顔をして、
『ママ、それ雑誌に書いてる事を読んでいるだけじゃん』
と、突っ込みが入りました。
――そんな事言ったってこれ以上わかりやすい説明はないよ。
『私が言いたいのは、宇宙船の中の時間がゆっくり動いているって事なんだよね。それって、地球から見たら、宇宙船の中の人がスローモーションで動いているって事なのかな?』
――ああ、確かにそう言う事だよね。でもあくまでも理論だから。多分そうなるだろうって事で、まだ事実は確かめられてないと思う。
『どうして?』
――今の科学では光速の宇宙船って作れないよね?
『宇宙船は無理かもしれないけど、光速で移動するなんか小さいものなら作れるかもよ』
――じゃ仮に光速で動くものが作れたして、光速の物体が目の前を通り過ぎたとしても、中がスローで動いていたかどうかの確認は難しいと思う。
『どうして?』
――動体視力がついていきません。卓球の球ですら、きちんと見えないのの光速の物体なんか、ママに見えるわけがないよ。
『・・・そっか・・・そうだよね』
* * *
ps:なんて話をしておりましたら、その次の日の朝、一姫発熱。
(姫、中学生になってまで知恵熱?)なんて心の中でつぶやいておりましたら、溶連菌でした。 ♪




