一姫の素朴な疑問(前篇)
ある日、一姫は素朴な疑問を口にした。
『ねえ。ママ。宇宙の果てはどうなっているの?』
――宇宙の果て?なんでいきなり宇宙の果ての話なの?
『だって、ここにね~宇宙はビックバンで出来てからずっと広がってて~それでその広がる空間が無限にあるかどうかって話なんだけど~空間が無限にあったら宇宙はどこまでも広がるでしょ、それならいいんだけど~でも空間が限られていたら限られた空間の中に宇宙が広がるだけ広がったらその後は縮んでくるんだって~それって密閉された空間にいるって事なんだよね~なんか閉じ込められているみたいで~なんか嫌だなぁ。ママ、そう思わない?』
一姫の手にありますのは、“子供の科学”なる雑誌。
――そうだね。閉じ込められているって考えたらちょっと嫌だね。でも、宇宙に終わりがありますよ~端っこがありますよって言われてもね~まず太陽系がいくつも集まって銀河系を作ってて、この銀河の他にもいくつも銀河が存在しているんだよ~それが全部宇宙で~スケールが大きすぎちゃって~なんかピンとこないよね~だってママが地球から出た事すらないんだよ。
『・・・そう・・・だよね』
遠い目をした一姫、子供の科学を読みふける。




