一姫と吹奏楽部5
一姫は見てしまった。
『今日ね、部長の妹の○○ちゃん、キーキーしててすごかった』
――へぇ、どうしたの。
『まず、ファゴットの子に文句言ってたの。ファゴットの子はマウスピースが硬くて取れなくて、男の先輩に取ってもらおうと机の上に置いていたの。そしたら、それを見つけた○○ちゃんが“こんな所に楽器置きっぱなしにしちゃだめでしょ!”すっごい勢いで怒り出して、ファゴットの子が説明してても全然聞かないですごい勢いでなんか言ってた』
――それは…ファゴットの子ついてないっていうか災難だったというか。。○○ちゃんも3年生になったら部長になりたいんだから、もっと上手にモノを言わないとね。。
『でね、その後トロンボーンの子達に何か言ってて、トロンボーンの子達もめんどくさくなっちゃったみたいで、皆で無視してたみたいなの。そしたら、“ちょっと聞こえているんでしょ!返事しなさいよ!”って机をバン!って叩いていた…』
――え~?!トロンボーンって△△ちゃんや□□ちゃんや◇◇ちゃんの3人だよね。あの子達は人を無視したりする子達じゃないんじゃない?どうしちゃったんだろうね?っていうか、そもそも○○ちゃんはオーボエだよね?なんでファゴットやトロンボーンに行って文句言ってたの?よっぽど虫の居所が悪かったのかね?一姫も見てたんなら止めてあげたら?
『え~、知らないよ。トランペットの練習してて、気が付いたら、○○ちゃんがキーキーしてたんだよ。それに私だってトランペットの二人にいろいろ言われてて、二人の相手で大変なんだよ。他のパートまでは首突っ込めないよ』
――そっか~そうだよね。それにして大丈夫なの?吹奏楽部1年生?もしかしてすっごく悪いんじゃない?
『微妙~。今、吹奏楽部1年は3つのグループに分かれている。○○ちゃんやトランペット二人を中心に仕切りたい子やそれに従う大人しい子達のグループとそのグループに反発するグループと私のようにどちらにも属さない少数派』
――え~そんなんじゃ不味いんじゃない?そんなんじゃ3年生になっても金賞狙えないよ~。
『そんな事言われても、私一人で演奏しているわけじゃないからどうしようもないよ』
――そうだよね。仕切りたい子達も仕切るのは構わないからもっとコミュニケーション能力を身につけないとね。。




