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鈴木
本当に来た、大蔵さん。
青木さんが来るのは予想外だったけど、そんなに支障は無さそうね。
「緑茶です」
お盆にのった二つのコップを、一つずつ、丁寧に、テーブルに置く。
青木さんはスミマセン、と、軽く会釈をして一口。ずずーっと。
「おいしいです」と、彼はにこにこしてみせる。
ああ。今、彼の体に睡眠薬が染み込んでいく。
もう数分もしないうちに眠っちゃうかしら。
「大蔵さんもどうぞ」
「どうぞ、おかまいなく」
飲まない!
なんで飲まないの。
早く飲みなさいよ。
早く
早く
早く
「はやく!」
しまった!思わず言ってしまった。
「はい?」
大蔵さんは苦笑いだ。
「あ、いえ、あの、早く、事情聴取などしてほしいなあと」
即興の嘘にしては秀逸だろう。と、ひとまず胸をなでおろす。
「なん…だか……ねむ…く………Zzz………」
もう効いたんだ。睡眠薬っすごいなあ。
「まったく青木はだらしないなぁ。すいませんね。」
「いえいえ。きっと疲れてたんでしょう。ベッド貸しますよ。」




