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Please your money!!

 ほぼまだプロローグなんですが、始まりました。本編!←

 ギャグなんだか真面目なんだかイマイチですが、そのノリは変わりません(笑)

 視点が色々変わりますので混乱するかもしれませんが、よんでやって下さい!

 いつもの帰り道。薄暗い路地に灯りがともってきた商店街を一人歩く。ちりんちりんとベルを鳴らす自転車が傍を通った。

 今日もいつものように、授業が終わったら即バイト先に向かった。女子高生らしからぬ行動だと思う。しかし私にとってはそれもまたいつものことで、違和感は感じなくなってきた。

 普通の高校生なのならば、部活に明け暮れ勉強をする、なんて言う生活をエンジョイして当たり前だ。私だって出来ることならしたい。……出来ることなら。

 どうして私がバイトに明け暮れているか。それは、1ヶ月前の出来事のせいだった。

 私の家は父が幼い頃死去し、母は女手1つで私を育ててきた。高卒の彼女がいきなり一般企業に勤め始めるのは苦痛だったろうに、母は誰にも愚痴などこぼさずに努力をしてきた。私はそんな母が憧れで、尊敬していた。本当に大好きだった。

 ……なのに、だ。

 1ヶ月前、母は部屋で首を吊って亡くなっていた。首つりとなれば一般的に自殺と断定できるだろうけど、遺書も見つからないし自殺する理由なんか何もない。少なくとも私には皆目見当がつかなかった。けれど、“密室”と言う自殺には適した条件――否、自殺しか適さない条件があったから、警察は自殺と断定した。

 そんなのおかしいと思った。しかしそんな私をあざ笑うかのように、母の『弱音の吐かない強さ』が自身を自殺に追い込んだ、という見解で事態は収拾してしまったのだ。

 私も最初は警察に行って証言したり再捜査を求めたりした。お母さんが自殺する訳ない、自分で自分を追いこむなんて馬鹿な真似しない、だからもう一度調べてほしい、など。でも無駄だった。結局は聞いてくれやしなかった。大人の都合は子供にはわかるまいと、聞く耳を持ってくれなかった。証拠も無い状態なのならば、確かに私が言っている事は子供の戯れ言だったのかもしれない。

 もう無理だ――そう思ったのが二週間ほど前。聞いてくれやしないことに嫌気がさしたのか、はたまたもういいやと諦めたのか。私はもう警察に電話することも抗議することも出向くこともしなくなった。いつまでも後ろばかり振り返ってちゃいけない。そう、自分に言い聞かせて。

 私を引き取ってくれたのは父方の祖父だ。私の家は父には兄弟はいなくて母は両親と縁をきっていた。その為、今の身内は父方の祖父しか居ないことになる。祖父は優しくて穏和だけど、数十年前に足を悪くしてしまったらしく、車いす生活を送っている。私をひきとることになった時に無理してでも働くと言った祖父を止めて、私がバイトをするようになった。

「立ちゃんは唯一の家族だからね。あまり無理をして、追いつめないでおくれ。」

 そう言っていつも優しく微笑みかける祖父は、いつも何処か寂しげだった。

 バイト帰りで暗くなっていく商店街。横を通りすぎる自転車。そろそろ早くしないと、祖父が心配する。そう思って足を早めた瞬間、肩に違和感がした。


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