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ラグナロク  作者: ピロ
第4章 地下迷宮へ
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ミレニアの焦り

とうとう本格的に体調を崩して更新出来なかったです・・・

インフルエンザじゃなかったのが救いっス

宿屋をスプラッターハウスにしてしまった。

盗賊ギルドからの刺客を撃退したまでは良かったけどさ、血沸き肉躍る世界を宿屋にキャンパスとして描いちゃったからね。

アイラちゃんは困ったちゃんだよ。

何が「証拠が無ければ犯罪は成立しません。これで何も無かったことになりますよ」だ。

宿屋の店主や冒険者達が見る前に次元収納に死体をしまえば、誤魔化すことも出来たかもしれないけど、しっかり見られてるし血痕だってバッチリ残ってるでしょ・・・

それに魔女狩りを放置してる世界に、そんなセリフが通用する訳無いじゃないか。

多分ミレニア教の連中が仕掛けてきたんだろうから、どのみち街から出て行かなければならなかったんだろうけどさ、朝ごはんにポトフみたいなあったかいスープが飲みたかったな・・・


「小夜はこの暗い森の中を歩いても大丈夫ですか?」

「まぁね。吸血鬼の遺伝子が入ってるからバッチリ見えるよ」


私達は騒ぎになる前にコピットから逃げ出した。

街の外壁はアイラえもんの次元収納から出した梯子(はしご)でササッと超えたから、私達が街から出ていることに気付いてないと思う。今頃ミレニア教の人達は大騒ぎさ。

「ねぇねぇ。地下迷宮ってすぐ近くにあるんじゃないの?」

「はい。ここからあと20kmの所にありますよ」

「グハッ。全然近くないし・・・」

ここは日本じゃないからなー。おっきい街の道はそれなりに整備されてるけどさ、こんな小さな街に続く道なんて酷いもんだよ。丸一日歩くことを覚悟しないとだね。


鬱蒼とした森を切り開いたこの道は、獣道よりはマシな程度だ。

辛うじて月明りが入り込むのが唯一の救いではあるが、小夜の体には吸血鬼の遺伝子が組み込まれている恩恵で、問題なく歩くことが出来ていた。

「ふぁあああああ~。眠いー」

小夜はこれでもかというくらい大きな口を開けて欠伸をする。

気持ち良く寝ていたところに襲撃されて、そのまま街から逃げて来たのだ。

3時間も寝ていないだろう。

いくら遺伝子操作をして高スペックの体になっていたとしても、連日の襲撃に小夜は疲れきっていた。

「小夜、今日はこの辺で野営しましょう」

「大丈夫なの?追っ手がくるんじゃないの?」

「ええ、来ていますよ。30人近い人間が馬に乗って街を出た所です」

「そんな事も分かるんだ。凄いよね」

「ナノマシンを散布しましたからね。リアルタイムで街中を監視しています」

そういうとアイラは空中に画像を投影する。

「何もない所に画面を出せるって凄いよね」

小夜はマジマジと見つめるが、どうやって画像を映し出しているか全く理解出来なかった。

「魔女狩りを仕切っているのがこの司祭です」

「へぇ~。やっぱ性格悪そうだね」

「司祭の他には騎士が5人、ミレニア教の兵士の格好した男が12人。それから傭兵が10人の計28人です」

この街の規模でいったら教会関係者全員と見ればいいだろう。

野営するんじゃないの?と小夜が口にしようとしたところ、アイラは大きな物を取り出した。

巨大な箱のようなものに砲身が付いている。

固定する為の台を組み立ててそこに設置し、アイラの体に付いているコネクターと接続すると箱が起動した。

「ねぇ。コレは何なの?」

「レーザービーム砲ですが?」

それがどうかしましたか?と言わんばかりの発言だ。

何事も無かったかのようにアイラはどんどん準備を始めて行く。

「ここから結構あるけど届くの?」

「はい。そこに届くだけの出力さえあれば問題ありません」

スコープ機能の付いたサングラスを装着し、更に前面に立体モニターを展開する。

すると拡大してミレニア教の連中が拡大して映し出された。

「目標ヒューマン」

アイラの声に合わせ、そこにいた人の頭上に逆三角のマークが表示された。

全ての追っ手にカーソルが表示されているかアイラは確認する。

「目標ロック」

全員を打ち貫く事が出来る時は画面に赤くFIREと表示される。

だが、全員を打ち貫くタイミングはなかなか合うことがない。

アイラの目が鋭くなる。

「設定を変更。照射時間を2秒にし、エネルギーを3倍へと変更。エネルギーチャージ」

するとレーザー砲のエネルギーゲインのメーターが増え、アイラからエネルギーがチャージされていくのが分かる。

「設定を追加。目標のズレをレーザー砲にて自動追尾」

「アイラちゃんの体が凄く熱いんだけど大丈夫?」

「急速にチャージを行っているので体が熱くなっています。問題はありません」

1mくらい離れている小夜が熱いと感じるのだ。アイラの体は相当熱を持っているに違いない。

本当に大丈夫なの?と思っているとアイラの背中が開き、強制的に放熱を始めた。

すると周りの草が一瞬にしてシナシナになって倒れていく。

うわぁ、アイラちゃんヤバすぎ。


ピッ。


レーザー砲の本体からエネルギーの充電の完了を知らせる音が鳴った。

「それでは消滅して下さい」

アイラがレーザー砲のトリガーを引くと、細く高出力のレーザーが発射される。

立体映像に映し出されていたミレニア教の追っ手は、レーザーが通り過ぎた瞬間バラバラになり、熱によって蒸発してしまった。

「未来の武器ヤバすぎでしょ」

恐らく追手は死んだことにすら気付いていないんだろうな。でもさっきアイラちゃんが殺した相手みたいに苦しんで死ぬよりはマシだよね。

「どうです?カッコ良くて、メチャ()えましたよね」

と、振り向きざまにピースをしてくる空気の読めないターミネーター。

「一発で全員キルしました。私を褒めたたえてもいいですよ」

やっぱアイラちゃんってズレてんだよなぁ~。

「ハイハイ、凄い凄い。ねぇ、それより魔女狩りの親玉を捕まえて、情報を吐かせた方が良かったんじゃないの?」

「情報は必要ありません。ミレニアを倒す。以上です」

実際そうなんだけどさ、少しくらい情報集めたりしないのかな?

難しいことは全てお兄ちゃんに任せてたからね。

私は向いてないんだけど、アイラちゃんも私と似たタイプかもしれない。

アンドロイドのくせに全然駄目じゃないか。

「まぁいっか。なる様になるさ」

「そうです。だから小夜はちゃんと寝て体を休めて下さい」

珍しくアイラは開いたスペースにモンゴルの遊牧民族が使うゲルを出してくれた。

しかも光学迷彩付きのハイテクゲルってやつだ。

「ふ~ん。アイラちゃん私の事気を使ってくれたんだね」

中に入ると絨毯が敷いてあり、ストーブも完備してお風呂もお焚けるようになっている。

「おおお~っ。ありがとうアイラえもん。これで伝説のの●太さんのエッチ~!!が出来るってもんだぜ」

「アイラえもんって何ですか?よく分かりませんね」

さすがに300年以上前のアニメなど知る訳ないか。

「小夜は頑張ってくれてましたからね。コレはご褒美と思って下さい」

「やった~!!」

って喜んだけどさ、アイラちゃんがド●えもんなら、この世界のの●太は私だったぜ。

当然伝説など起きるハズも無く、面白くも何ともないまま小夜は眠りにつくのであった。



「どういうことだ!!何故仕留められないっ!!」

イライラした女性は持っていたセンスを投げつける。その場にいた使用人らしき女性達は震えて下を向いていた。

「申し訳ございませんミレニア様。次こそは必ずや・・・」

「もうよいっ!お主等はまた同じセリフを吐くだけに違いないわ!!」

床に額を付け、頭をあげようとしない男に呆れていた。

全くどいつもこいつも使えぬ。

小夜という小娘一人を仕留めるだけの簡単なことが出来ない無能な手下共め。

この世界の創造神であるミレニアはイライラしていた。


「イライラしておるではないか」

「黙れっ!!長生きしているだけのドラゴン族の長老が何しにきた!!」

「おぉ、くわばらくわばら。まぁそういうでない。お主にとっていい話を持ってきてやったというのに」

「フン。下らない話ならお主を永久に追放してやる」

ミレニアの高飛車な態度に長老はため息をつく。

「ウチの一番強いドラゴンを向かわせる。成功した暁にはこの世界が現世に顕現した時、我々ドラゴン族を高天原(たかまがはら)の一員として迎え入れてもらおう」

「何っ!?ケダモノ風情が何様のつもりだ!?」

「ほぅ。そこまで言うか。我々は今後そなたに対して一切協力しなくてもいいのだが?」

今後協力を得られなくなるのはさすがにミレニアも困るのか、黙り込んでしまう。

「チッ。分かった、認めよう」

しばらく考えた末、ミレニアは答えを出した。

さすがに手の打ちが無いのか、ミレニアもドラゴン族を神族として高天原に迎えるしか選択肢は残って無かった。

「但し、人化出来る者だけだ。高天原の地に入ることは、その条件が出来ない者は認めない」

「ホッホッホッ。いいだろう。我々も人化も出来ぬ者と同列と見られるのは嫌だからのう」

ドラゴン族の長老は頭を下げ部屋を出て行った。




宇宙(うちゅう)開闢(かいびゃく)以来、輪廻の恩恵を受けているのは高天原の神のみだった。

土着(どちゃく)の神が輪廻の恩恵を受けるなど前例の無いことなのだ。

高天原にいる神は全て人の神であり、それ以外の神は国津(くにつ)(かみ)として存在している。

これは決められた不文律であり、変わることではない。



「ケダモノが・・・」



ドラゴン族の長老め、何を企んでやがる・・・


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