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ラグナロク  作者: ピロ
第3章 商会 前編
28/45

ご褒美は?

ドジャースVSブルージェイズの試合見てたのですが、凄いのひとことです。

延長18回までとか2試合じゃん!!

熱い試合で、日本人選手の活躍もあり興奮してましたアッヒャッヒャ!ヽ(゜∀゜)ノ ㌧㌦! ㌧㌦!

ホクホク顔のベルクとは他所に、アリューシャとユキの機嫌は悪いままギルドに到着する。

「レン殿は住む家を購入するつもりはありませんか?」

「ええ。資金も入ったし購入するつもりですよ」

「もしレン殿が我々の所有する物件で良ければ安く提供しますよ」

「本当ですか?少し考えさせてもらいますね」

「では決まるまでギルドの宿に泊まって下さい」

俺は商人ギルドの宿に来てから、宿泊料金を一切取られていない。俺が上客だからか?。

いつの時代でも一番上の人間に取り入るのが一番だ。気に入られれば気に入られるほど、待遇が良くなる。

ここにも気に入られないと困るレディがいる。さっきから嫉妬でプンスコしているユキだ。

「ユキ。いい加減機嫌を直してくれ。甘くて美味しいデザートでも食べに行くか?」

ユキは黙っているが、耳がピコピコ動いている。どうやら魅力的な提案のようだ。

ユキを抱きかかえて、大通りにある高級なお店が並ぶ所に向かう。

「いい匂いがしてきた。この匂いは美味しい匂いじゃないのか?食べたくないか?」

への字口が一文字くらいに変わる。

「コッチもいい匂いがするけど、美味しいそうな匂いじゃないか。食べたくないか?」

ユキの口が横からみた平皿のような口になる。口元にヨダレが溜まってるぞ。分かりやすいやつだ。

俺は店に入ると、甘い匂いが店内に溢れていた。

「いらっしゃいませ。こちらにどうぞ」


見た目というのは凄く大事である。初めての印象はその人の格好で決まるといっていい。金を持っていると思われれば、必然的にいい席に案内される。

金を持たない客は客ではない。ここは日本ではない。客は平等ではないのだ。

バックに手を入れて、金貨を握ってテーブルに置く。

「このテーブルが埋まるようにデザートと果物を絞った飲み物を持ってきてくれるかな?」

「はい。すぐにお持ちします」

ウェイターが驚いた顔をして慌ててカウンターの奥に消えて行った。

「あんちゃん。そんなにお金使わなくていいよ」

金貨を見てユキが焦ったように言ってきたけど、コレはユキへのご褒美だ。

「テーブルいっぱいのデザートを食べてみたいと思った事はないか?」

「あるよ。でもそんなの夢でしかないって思うのが普通だよ」

「夢が叶って良かっただろ?」

「・・・うん。嬉しい」

店内のウェイターが急に忙しそう動き出す。

最初のデザートはフルーツの盛り合わせだ。俺が見たこともないフルーツが乗っている。

ただ周りが山に囲まれていて、熱帯の気候ではないので、柑橘系の果物が多い。ブドウもあるが、海外産の小さい粒と同じくらいだ。日本で見る物より明らかに粒が小さい。

「美味しいっ!!」

この世界で甘味を食べる事はなかなか出来る事ではない。ユキの笑顔に癒される。

「これから出てくるのは全部ユキの物だからな。遠慮しないでいっぱい食べてくれよ」

「えっ?あんちゃんは食べないの?」

「コレはユキへのご褒美だから、ユキが全部食べていいんだよ」

「あんちゃんも一緒に食べてよ。じゃないとオイラ寂しい・・・」

「分かった。じゃあ俺も一緒に食べる事にする。後でもっと食べたかったとか言うなよ」

シュンとしてしまったユキの頭を撫でる。毎日髪を洗って、ちゃんと栄養を取っているからか、毛艶が良くなってきている。サラサラな髪を撫でる感触が心地よい。

「美味しい?」

俺がビワに似た果物を口に入れると、甘みが広がる。甘すぎないからいくらでも食べる事が出来そうだ。

「ああ。美味しいな」

「でしょ?やっぱ一緒に食べる方がもっと美味しいね」

なかなかの大皿だからすぐには食べ終わらないだろうと思っていたが、ユキが幸せそうに無言で食べ続けているからか、あっという間に無くなっていった。

「ねぇ、あんちゃん。さっきからもの凄くいい匂いがしてるよ」

ユキが鼻をクンクンさせていると、厨房の方からアップルパイを焼いている時のような匂いが漂ってくる。

「ホントだ。美味しそうな匂いがするな」

ユキの口端にヨダレが溢れ出ている。

漫画だけの世界じゃないのかよ。

ユキの口をフキンで拭く。すると、厨房の方から、色々と運ばれてきた。

まず、柑橘系を絞ったジュースだ。色が濃くて美味しいのが見ただけで分かる。

それからタルトがやってくる。

「マジかよ」

驚いたことに、カスタードクリームが存在している。

手で持って被りつきたいところだけど、格式の高い店でやるとマナー違反だ。

でもナイフで切ると、横からクリームが出ちゃうから好きじゃないんだよな・・・

「美味しいっ!」

イチゴの酸味をクリームが整えてくれる。いいバランスだ

ユキの機嫌が完全に良くなった。パティシエに感謝しなければな。

それからはどんどんデザートが運ばれてくる。気付けばテーブルがデザートで埋め尽くされていた。

「あんちゃん、オイラの夢は叶ったよ」

「そうか。俺はユキが嬉しそうにしてるのが、一番のご褒美だよ」

もの凄い勢いでデザートが消えていく。この体のどこにデザートが消えていくのか・・・

「お待たせしました。これが最後の品になります。焼きたてのアップルパイでございます」

店内にずっといい匂いがしていたが、アップルパイの匂いだったか。

「ありがとう。どれも美味しいものばかりだったよ」

ウェイターは会釈をすると、食べ終わった大量の皿を持って奥に消えていく。

よくあの量の皿を持って運べるよな・・・

6つに切り分けられたアップルパイを取り皿に一切れを乗せて、更にひと口大にして食べてみる。香ばしい香りが鼻腔を刺激し、熱されて変化したリンゴの触感がたまらない。

コレだよコレ。

熱されることによって甘みを増したリンゴから、噛んだ瞬間に果汁が溢れてくる。

ユキも早速一切れを頬張っている。目を大きく開いたと思うと、幸せそうにモグモグと食べている。一緒に食事をする時に、美味しそうに食べる人と一緒だと、より一層美味しく感じるのは何でだろう。

「あんちゃん。もう食べれないよー」

さすがにもう食べれないか。あれだけあったデザートをほとんど食べたからな。

食べきれなかったアップルパイを俺が食べて店を後にする。

着た時と同じようにユキを抱きかかえる。店に入った時と、出た時のユキの重さが明らかに違う。

そう思ったけど、言わないでおくか。

ご機嫌なユキは、俺の頭を抱え込んで頬をスリスリして甘噛みしている。来た時とは打って変って今はご機嫌だ。

ただ重くなったことはユキには言わないでおこう

子供とはいってもレディだからね。



「さぁ帰ろうか」

「うん。ねー、あんちゃん。今日の夕飯は何が出るかな?」

「ユキ、お前まだ食べるのか?」



俺はユキの食欲に感心しつつ、宿の帰るのだった。




先日京都に行ってきたのですが、時間がほとんど無くて、食べたかったサツマイモのモンブランが食べれなかった・゜・(ノД`)・゜・。

結局京バウムだけ買って帰ったんですけど、食事もその辺で適当に済ませるしかなくて残念です・・・

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