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ラグナロク  作者: ピロ
第2章 異世界
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グレンデル辺境伯邸 2

テレビ石って知ってますか?文字が書いてある上にその石を置くと、石の上に紙の文字が映るんです。ウレキサイトって石なんですけどアレ大好きです。

「奥様達が参られました」

扉の外から執事のジョルジュの声がする

「入れ」

扉が開くと美しい女性二人が部屋に入ってくる。一人はおっとりした雰囲気の女性、もう一人は豊満な体つきで、見つめられただけで男を篭絡させてしまいそうな雰囲気を持つ女性だ。

二人共20代半ばくらいに見えるが、二人共領主の奥方である。

「あなた。わたくし達に用事との事ですがどのような要件でしょう?」

「コリーナ。ナディアもまぁ座れ」

二人が座るとその前にネックレスを置く

「あ、あなた・・・・コレは凄い物ですわね・・・」

「この世の物とは思えないほどの美しさですわよ。こんなに美しい宝石を見るのは初めてです」

予想以上の物が出て来たからか、夫人達二人は驚きを隠せない。

それもそのはず。この世に出回っているエメラルドとサファイヤはとても希少だ。

内包物が多く入っていてもかなりの高額となっていた。しかし目の前にある二つのネックレスに付いている宝石は、巨大でいて、内包物もクラックも無い完璧と言える宝石なのだ。

しかも見たことも無いカットが施されていて、光が当たる度にキラキラと輝いている。

そして周りについているクリスタルガラス。コレもこの世界には存在しない物だ。

光が当たれば虹のように七色の光を反射し、驚くほどに輝いている。

「コレはここにいるレンが持ち込んだ物だ。レンの家が所有していた家宝だそうだ。欲しいか?」

「欲しいか欲しくないかで言えば、欲しいに決まっています。この見事な宝石。こんな透き通った宝石なんて見た事ありません。それにこの宝石の形はどうやってできたのでしょう?」

「それについては私から説明します」

夫人達は興味津々だ。

「宝石は磨いてカットをすることによって光を反射し輝きます。カットの数が増えるほど技術を必要として、見事なまでに宝石の美しさが増すのです」

「凄いですわね」

第一夫人のコリーナが感嘆の声を上げる。目は宝石から離せないようだ。

「お二人共是非一度付けて見てはいかがでしょう?」

「俺は使用人の方に目を向けると、すぐに二人がやってくる」

使用人達がネックレスを付けると、夫人達は少女のような眼差しで見つめている。

「光が当たる所に行くとこの首飾りの本当の素晴らしさが分かりますよ」

窓際に行くと光が反射して、どの角度からでもどこかが光り輝いている。クリスタルガラスは鉛が入っているため、虹色の輝きを目が痛くなるほどに反射させる。

「キレイ・・・」

夫人達はあまりの美しさに時間が止まっている。

「ナディア、あなた初めての社交界を楽しみしている少女のような顔をしているわよ」

「何言ってるのコリーナ、それはあなたも一緒じゃない・・・」

二人共口元が緩みっぱなしだ。

「本当にコレは凄いな。レンよ。本当に一つの値段でいいのか?」

「はい。その代わり先程の件宜しくお願いしますね」

「分かった。じゃあベルク。早速値段の話をするとしよう」


夫人二人と使用人の二人は女性談義に花を咲かせている。二人共20代に見えるが、こうやって笑っていると、もっと若く見えて俺がドキッとしてしまう。

ベルクに事前情報として聞いているが、二人共俺より年上の20代の子供がいるんだよな。

俺は執事のジョルジオさんに連れられて控室に戻る。

「あんちゃん。もう終わったの?」

「ああ。俺はな。あとはベルクさんとアルバート様が値段の話し合いをするだけだよ」

さすがに貴族の偉い人と話をするのは緊張するな。

ソファーに座り込んで紅茶を頂く。冷めてはいるが、糖分が脳を活性化させてくれる。

「レンさんお疲れ様でした。奥様達の反応はどうでしたか?」

「ああ。凄く良かったよ。アリューシャの言う通りだった。あれが一つしか無かったら、片方が嫉妬すること間違いよね」

ユキは朝から気を張っていたからか、ソファでウトウトしている。俺が起きれなかったら困ると思って、あまり寝て無かったのかもな。

俺はユキを抱き寄せてポンポンと肩を叩いていると寝てしまった。

「今日はありがとな」

ここ数日で俺はかなりの金を落として人脈を作ってきた。

領主に顔と名前も憶えてもらう事が出来た。ネックレスはいくらで売れるか分からないが、元値は大したことは無いし、売値なんかどうだっていい。

自分で国宝級と言っていたし、二つの値段を一つでいいって限定したから値切ることはしないだろうけどね。

とりあえず資金を増やすことが出来て、更に貸しを作ることが出来る。コレは大きい。

ギルドマスターのベルクにも売値の一割を渡すことで、好意的になってくれるだろうし、アリューシャにもいい印象を持たれているはずだ。冒険者ギルドにも悪い印象は持たれていないと思う。

今のところは成功といっていいだろう。

ここは死が身近にある世界だ。生き残る為にも味方が多いに越したことはない。

無駄になったとしてもいつ何があるか分からない。だからこそのコネクションだ。

これからは仲間を増やして、それから小夜を探すフェーズに移行する。


コンコン

「少しいいかしら」

応接室にノックして入ってきたのは、コリーナ夫人とナディア夫人だ。

俺はユキが倒れないように横にして、ソファーから立ち上がる。

俺は貴族の礼をしてから彼女らの言葉を待った。

「レン。今日はありがとう。こんな素敵な首飾りを手にすることが出来て本当に嬉しいわ」

「コリーナ様、本当に素敵ですよ。その首飾りはコリーナ様にこそ相応しいものだと思いました」

「まぁ嬉しい。でも良かったの?家宝だったのでしょう?」

「ええ。ですが今の私には身に余る代物ですから」

「レン。わたくしの方はどうかしら?」

「はい。ナディア様もよくお似合いです。引き込まれそうなその青さが、ナディア様の瞳と同じで、見ているだけで心を奪われてしまいそうです」

「あらお上手。レンは凄く可愛くて、褥を共にしたいくらいだわ」

ナディア夫人の瞳が妖艶な眼差しに変わる。

「あらっ。私もレンのこと好みだわ。今晩私の寝室にいらしても良くてよ」

コリーナ夫人は子供っぽく可愛い感じで俺を誘う。

冗談ならいいが、半分は冗談に聞こえない。怖い選択肢がやってきた。

どれを選んでも駄目な選択肢だ。

「奥方様、冗談はそれくらいにして下さい。レン殿が困っていますよ」

執事のジョルジオさんが困った顔で苦言している。

助かった。ジョルジオさんがバッサリと切ってくれた。

「えーっ。ちょっと本気だったんだけどな」

コリーナ夫人が俺の所に来て耳元で囁く。そして頬にキスをしてから部屋を出て行った。

「また私に会いに来てね」

ナディア夫人も同じように耳元で囁くと、コリーナ夫人がキスした反対側にキスをして部屋を出て行く。

ジョルジオは戻る夫人達に頭を下げて扉を閉める。

「奥様方がレン殿をからかわれたこと、誠にお詫び申し上げます」



ユキが寝ていて良かった。見ていたら夫人達の匂いを消そうと俺に擦り寄って、顔もベロベロと舐めてきそうだ。


「ハァ。緊張した・・・」


ため息を吐きながら、ソファーにドカッと腰かける。



すると寝ていたと思っていたユキが、目を大きく開いて俺をじーっと見ていた。


父が光もの大好きで、リビングにシャンデリアがあったんです。脚立に登って一つ一つ外して掃除するのですが、半日掃除に費やしてました。大変そうでしたね┐(´ー`)┌

私は普通の照明でいいです♪

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