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ラグナロク  作者: ピロ
第2章 異世界
24/45

戦いの合間に

wifiの繋がりが悪くて更新が止まるかと思いました・・・

何が調子悪いのか分からないのが困りものです


「あ〜、生き返るぅ。気持ちいい~」


目を閉じてお湯にプカプカと浮かんでいると、川のせせらぎが聞こえてくる。

少し肌寒さを感じる今の気温が丁度よく、いつまでも風呂に入っていたい気分だ。

緩やかな流れの川の一部をせき止めて、水たまりを作ったアイラは、水溜まりにレーザーブレードを突っ込み、お湯を沸かしていた。

それというのも小夜がどうしてもお風呂に入りたいと言って、露天風呂を造らされたからだ。

神に狙われて粛清対象となっている小夜は、呑気にもお風呂に入っている。


「アイラちゃんも入りなよぉ」

「いいえ。私は汗をかかないので風呂は必要ありません。それにナノプロテクターを着用していれば、汚れは自動的に浄化してくれます。小夜も風呂に入る必要はありませんよ」

ここに来た時に着たインナースーツはハイテク装備だ。体温に合わせて温度を変化させるし、骨が折れたとしてもスーツが硬化して折れていない時と同様の動きが出来て、神経も遮断して痛みも感じない。同時に治療もしてくれる優れものらしい。

身体能力も向上させてくれるし、自動で防御もこなす。未来の技術様様だね。

「全くアイラちゃんは分かってないなぁ。風呂がなければ日本人は生きていけないんだよ」

確かにスーツを着ている間は汗をかいてもベタベタしないし、キレイなのは分かる。でも違うんだよ明智君。見たまえアイラ君。風呂に入ってふやけながら見るこの月を。

真っ赤な月が私の中に眠る血が騒ぎ立てて・・・

って、あーっ。私今ヴァンパイアなんだったな。

何かキバが伸びてるし、興奮して血がゾワゾワしてるしさ・・・

「まったく、情緒無いなぁ」

ため息をつくと小夜は立ち上がった。

腰まで伸びた金色の髪は月の光を浴びて光を帯び、青い瞳は赤くなる。

小夜は吸血鬼と化していた。

しなやかな美しいライン、張りのある乳房はツンと上を向いて男を挑発している。

女性であろうと目を離すことが出来ないほど小夜は美しかった。

そしてしなやかな手を月にかざす。

指の間から月の光が漏れて、小夜はその光を見て瞳を細める。

そして何もない空間から現れた物を握った。

薄いピンクの唇を舌で上唇を舐めると、濡れた唇が光を反射して色気を帯びる。

唾をゴクリと飲み込んで、手にしたソレを芳香とした瞳で見つめ口元にあてる。

そして口に当てがい顔を上げながら飲み込んで行く。

ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ。

飲み終わり口から離す時、口の端からひと筋の液が流れ首筋を伝う。

小夜の瞳はどこか遠くを見つめ幸せを噛みしめていた。

「プハァー」

やっぱ風呂上りはいちご牛乳だよね。


「・・・・・小夜、いちご牛乳のビンは次元収納からちゃんと返却して下さいね」

しばらくボォーっとしている小夜を見兼ねてアイラが声を掛ける。

「はぁ~い」

少し火照った体を冷やすのに、近くにあった石に腰かける。

「やっぱお風呂は最高だよねー」

アンドロイドのアイラが呆れた顔をして、着替えとタオルを持ってくる。

「風邪を引かないうちに着替えて下さいね」

小夜の手の届く所に置いて離れようとすると、小夜が声を掛けてくる。

「拭いて」

持って来てくれたバスタオルをアイラに向けて拭いてくれをアピールする。

「んっ」

「・・・自分で拭いて下さい」

「アイラちゃんは生後10日の私に対して優しくない。生後10日って言ったら赤ちゃんだよ?」

「こんなに大きな赤ちゃんはいません」

「何だよ。お兄ちゃんはちゃんと拭いてくれるってのにさ、アイラちゃんは優しくないなぁー」

プンスカしている小夜は、ガサガサと適当に体を拭いてインナースーツを着ようとする。

が、ちゃんと拭けていないので引っ掛かって服が着れない。

「ハァ。全くしょうがない人ですね・・・」

見兼ねたアイラは小夜の拭き残しを拭きながら、インナースーツを着せて行く。

「次はちゃんと自分で拭いて着て下さい」

「はぁーい」


ここ数日私達は女神ミレニアからの激しい攻撃に晒されていた。だが予想以上に小夜の力が強く、魔人を難なく撃退していた。

こちらで小夜に用意した体はヴァンパイアの遺伝子を組み込んではいるが、転生前のような力は無い。それでも想像よりもはるかに力を持っている。データを見てもコレは異常なことだ。


「世話の焼ける人ですね」

甘やかされて育っているが、どこか憎めないとアイラの思考回路は判断する。

魔人を一撃で消し去るような存在には見えない。


「明日は地下迷宮の近くにある街、コピットに到着する予定です。早く寝て体力を回復して下さいね」

「えっ!?街があるの?やった!!美味しい物食べれるかなぁ?」

小夜は全く緊張感のない人間だと思う。

こんな衛生状況が悪い世界の食事なんて、何が入ってるか分かりません。寄生虫でも入っていたら、どうするつもりなんでしょう。

私が用意するスーパーフードさえ食べていれば、ノープロブレムなのに。

いつもブツブツいっていますが、一体何が不満なんでしょうか?

「小夜。毎回言ってますが、私が用意するスーパーヘルシックチューブを食べていれば、全ての栄養素を摂取することが出来るのです。原始的な食べ物を口にすることはお勧め出来ません」

「えーっ。そのチューブに入ったその茶色いの、う●こみたいなんだよね・・・」

「う●こではありません。確かに押し出した時に出てくる感じが、肛門が開いてう●こが出てくるように見えなくもないです。ですが、コレは空気に触れて酸化しないようになっている優れもの。未来の人はコレばかり食べているので、そんな原始的な排泄物をする人はいないのです、排便もほぼ液体なのでコレをう●こと思う人はいませんよ」

「何だよー。私達が原始人みたいな言い方するなよー。私にはソレがう●こにしか見えないのは本当なんだからね」

毛布にくるまって芋虫のようになった小夜が私の隣りにやってきて横になる。

食事の度に言い合いになって、いつも小夜がプンスカしています。怒る理由が分かりません。

食事はエネルギーの摂取を行うためのものです。すぐに摂取することが出来て、体にいい。

完璧でパーフェクトな食材なんです。

その良さが分からない小夜は残念な人ですが、許してあげましょう。何故なら私は未来からやってきた、心の広いスーパーアンドロイドだからです。


隣で眠る小夜を見つめながら、眠らないアンドロイドはスーパーフードの良さを伝えようとCPUをフル活動させているのであった・・・


食は文化。美味しい物を食べるのは幸せですよね~

最近パフェを食べてないのです・・・

パフェが食べたいな

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