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ラグナロク  作者: ピロ
第2章 異世界
21/42

準備

気付くと寝落ちしています・・・

休みが欲しいのです

宿の前でアリューシャと別れ、俺とユキは部屋に戻る。

戻って来た瞬間、ユキはコアラのように俺にくっついて離れない。

「明日はユキの新調した服を取りに行くからな」

「うん。オイラ、あんちゃんと一緒に領主様のお家に行っていいのかな?」

「ああ。いいに決まってるだろ。駄目って言うなら俺も行かないだけだよ」

「でもあんちゃんに迷惑掛からないか心配なんだ・・・」

シュンとしているユキの頭を撫でる。きっとこんな感じでいろんな所で人の顔色伺ってきたんだろうな。

「大丈夫だよ。俺が強いのはユキが一番知ってるだろ?」

「・・・うん」

気の無い返事だ。でもユキの言いたい事は分かる。

暁の牙と騎士団を相手にするのでは訳が違う。

まぁ、戦うつもりなんて無いけどさ。


そういえば暁の牙を相手にした時、予想以上に力がある事に気付いた。

ユキがのぼせていた時に試してみたのだが、元の世界の体よりも相当にフィジカルが強い。

俺はあっちで体を鍛えていたつもりだ。人としてかなり限界に近い所まで鍛えていたと思う。

転がっていた石を拾い、握りつぶす。

握力がどれだけあればコレが出来るんだ・・・

この体は異常としか言いようがないほど、力に溢れていた。


街の外に出て魔物と戦ってみたいのだが、領主に会う予定がある以上、急な呼び出しが掛かるかもしれないからな。それにベルクさんからも、街の外には出ないでくれと念を押されている。当たり前の事だが、街から出るつもりは無い。

この世界に知り合いがいない以上、味方は増やしておかなければならないし、領主とコネを作ることのメリットは大きいはず。

それからアリューシャに言われたことがある。

アルバート辺境伯には二人の夫人がいる。

もし交渉の場に付くのなら、もう一人の夫人にも相応しい物を用意しろと。

タブレットから購入出来るのは有難いのだが、入力された物に対して紐づけされた物だけが表記される仕組みになっている。

細かいサイズの商品が多数ある場合はそれでもいいけど、もう少し幅広く関連した物のリストが出てきてくれると使い易いのにな。


「ユキ。話がある」

「うん。どうした?」

「ユキはこれからずっと俺の仲間でいるつもりがあるのか?」

「当たり前じゃないか。おいらはあんちゃんの子供も産むって決めたんだからな」

んっ?どういうことだ?

「何の話だ?」

「あんちゃん・・・あれは嘘だったの?」

そういえば大きくなったら気持ちいいことをするとか言ってたな。俺もつい勢いにつられて、つい楽しみにしてるなんて返事をしちゃったんだよな・・・

アレは獣人にとって嫁になると同義ってことなのか?

ユキの顔が一気に死んだ表情に変わる。

「そんな訳ないだろ。だからそんな顔するな」

泣きそうになった顔が瞬間で笑顔に変わる。まぁ時間が経てば気持ちも変わることだってあるだろう。

まだ子供だからそんな感情を持つことは出来ないけど、俺もユキのこと嫌いじゃない。

「うん。あんちゃん、大好きー」

ここまでストレートに来てくれるのは悪い気はしない。

顔がヨダレだらけになるのが困るくらいか・・・

「なぁユキ。今から見ることを絶対に他の人に離さないで欲しいんだ」

「うん。大丈夫。オイラ絶対に言わないよ」

ユキを俺の膝の上に座らせる。

「見てろよ」

次元収納の指輪に収納されているタブレットを触ると、空中にデジタルの表示が現れる。タブレットに人工宝石、ネックレスと入力すると購入出来る一覧が表示される。

「あ、あんちゃん。コレ何なの?」

「コレはお店のような物だ。これでここに出ている物を買う事が出来るんだ」

「????????」

ユキは理解が追い付かないようだ。

この前エメラルドの人工宝石を使ったネックレスを買ったのだが、同じ所に人工宝石を使ったネックレスが表示されている。俺は人工サファイヤのネックレスを購入して、次元収納から取り出す。

「うわっ!!!!!!」

何も無い空間からいきなりネックレスが現れて、ユキは飛び上がるほど驚いた。

付属しているネックレス用の専用ケースを取り出して、そこに入れる。

「キ、キレイ・・・・」

「これが俺の秘密だ」

ケースに入れて次元収納に戻し、今度は前に市場で買った果物を出してユキに渡す。

ユキの顔がパァっと明るくなって目をランランとさせている。

「コレが権力者にバレたら、俺は捕まえられて死ぬまで利用されてしまうと思う」

「だから言っちゃ駄目なんだね」

「そうだな。ユキに会えなくなっちゃうからな」

「あんちゃんはやっぱすげぇんだな」

ユキは再び俺の頭を抱えてスリスリして甘噛みしてペロペロしてきた。

まぁ機嫌が良くなってくれてよかった。


前に実験としてしまって置いたチャーハンを取り出す。一度取り出してあれから更に時間が経っているが、チャーハンは暖かいままだった。ひと口食べてみると、食べた時のまんまだ。

「コレってあんちゃんの国の食べ物なのか?」

「ああ、そうだよ。食べたいか?」

「うんっ!!食べてみたいぞ」

ユキはひと口食べて、初めての味にしばらく眉間に皺を寄せていた。しばらく口をモグモグと食べていたのだが、美味しいと思ったらしくガツガツと食べている。

ホント、美味そうに食うよなぁ。

「欲しかったらお代わり出してやるからな」

ユキがチャーハンを食べている間、タブレットで購入出来る物を確認する。

日本円で6億以上の金額があるから、ほとんどの物を買うことが可能となった。

軍事用の物を購入出来るかと思ったが、さすがにそれは無理だった。

だがそれ以外の物であれば大抵の物を買える。

俺はコンテナ用の家を購入しようとしたが、この世界でそれを出したとしても平坦な土地などほとんどない。あるとしても人が住んでいる場所で、次元収納から取り出すことの出来ない場所だ。だから牽引用のトレーラーハウスを購入することにした。これならばジャッキで持ち上げて水平を取ることが出来るからだ。舗装されてないけど、コンクリートブロックを下に置けば水平を出すくらいは大丈夫だろう。

他にもこちらの世界で買うことの出来ない生活用品や、便利なアイテムなどをどんどん購入していく。

それから防刃用のシャツやインナーパンツ、ベスト、グローブやブーツなどを、俺とユキ用に購入していく。この上にミリタリー用の服と防弾チョッキを着て、マントを羽織る。ユキにレザーアーマーを買ったけど、防弾チョッキの方がいいだろう。この上からポンチョのようなマントを被らせるつもりだ。

あとは水をガロン単位で1万リットル分を購入し、調味料、レトルト食品やなどをどんどん購入していく。

とりあえず本番前に試着しておくか。

ユキはチャックとか見た事もないからな、俺が見本を見せながら着て行く。

さすがにこの場でヘルメットまでは被らないが、軍隊用の服を試着する。

「あんちゃんカッコイイっ!!」

鏡が無いから姿見も購入してみる。

なかなか様になっているな。この姿に中世のロングソードは似合わないかもしれないけど、まぁいいだろう。

ユキも何とかチョッキを着る事が出来た。こちらのブーツも購入したが、やはり現代の物の方が圧倒的に履きやすく、軽くて耐久性も上だ。だからブーツも現代の物にして、膝当ても現代の物に変更した。

ユキも動きを確認する為に動いているのだが、獣人というのは凄まじいフィジカルを持っていることに気が付く。

「ユキ、お前凄いんだな」

「そうなのか?オイラ普通に動いてるだけだよ」

おそらく獣人から何もかも奪うことで、能力まで奪っているのだろうな。

これなら一緒に街から出ても大丈夫だろう。

「そうだ。コレもやるよ」

この前テント街で見つけた魔法の付与されたリングを三つ渡す。

「コレはなに?」

「魔法が付与されたリングだ。」

「そ、そんな高い物、おいらは貰えないよ」

「いいから付けておけ」

「わ、わかったよ」

ユキは指に付けていく。

「何か力が湧いてくるような気がするぞ」

それはストレングスリングの効果だろう。

指輪の効果をユキに説明する。だがどの位の効果があるか分からないが、成長途中の幼いユキには効果てきめんのはずだ。

明日はユキの服を取りにいった後は、冒険者ギルドの訓練場で模擬戦をしてみるか。



次元収納に入れてあるタブレット。操作している時はコンソールと表記しているのですが、タブレットに変更しようと思います。今までアップしていたものも順次変更していこうと思っています。

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