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ラグナロク  作者: ピロ
第2章 異世界
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これから進むべき道

コインランドリーで敷き布団と毛布を洗ってきました。

これで冬の準備は万端です。温かい布団にくるまるのは至福の時間♪

ずっと寝ている猫を見ていると羨ましいです・・・

ユキが興奮して俺の顔という顔を涎まみれにしてくれた。

だから予定を後回しにして風呂に入ったのだが、ユキは石鹸の匂いが気に食わないようだ。

俺の体を洗ってくれている途中から、ユキは俺の体をペロペロと舐めだす。

「ユキ。舐めなくていいから、ちゃんと体を洗ってくれ」

「むーーーーーーーーーっ!!」

ユキは俺に対する愛情より、体を洗うことを優先したことが気にいらないようだ。


ユキは獣人だからか、舌が猫のようにザラザラとしている。首とかペロペロし出した時に、神経を刺激してゾクッとするほど気持ちいい。このままいろんな所を舐められていたら、ヤバいことになりそうだ。

ユキは納得していない顔をしているが、俺が強いと認めているようで、言うことを聞いてくれた。

ユキは自分の匂いが消えるのが嫌なのか、あまり体を洗いたくないようだ。

一人では絶対に洗わない気がする。

仕方ないので俺がユキの体を洗っていると、それは嬉しいみたいだ。

「あんちゃん」

「なんだ?」

俺がユキを見ると、ユキの顔がどんどんニヘラ~と顔が緩んで行く。

ギュッと抱きついてくると、再びあちこちを甘噛みして舐めてくる。ここまで好きって感情が分かりやすいのも悪くはないが、獣人はみんなこんな感じなんだろうか?

さすがにちょっとウザい。



「ハァー。風呂に入ると生き返るな」



大きなため息を吐きながら風呂に浸かる。風呂は命の洗濯。身も心も癒されるな。

「お風呂って、温かくて気持ちいいな」

「そうだろ。風呂の良さがユキにも分かってもらえて嬉しいよ」

ギルドが用意してくれた宿にはなんと風呂が存在していた。

しかも俺が泊まっている部屋専用の風呂だ。

「うん。温かくて凄く気持ちいいぞ」

ユキがこれでもかと俺に張り付いている。岩にくっ付いてる貝みたいだ。



それにしてもスゲェ風呂だよな・・・

中世のヨーロッパのようなこの風呂は、とてつもなく豪勢な造りだ。

浴室は新円になっていて、緩やかな階段状になっている。

床は全て大理石に似た石を使用して、彫刻の施された石柱が周りを囲んでいた。

浴槽は一番下の中心部にあり、詰め込めば20人くらいは入れるだろうか?

部屋の入り口の反対側から滝のように注がれているのだが、ドラゴンの彫刻が湯口になっていて、そこから大量の湯が注がれている。

残念なのは水が硬水なことくらいか・・・


「あんちゃん」

「んっ?どうかしたか?」

天井に向かっていく湯煙を眺めながら至福の時間を堪能していると、ユキが声を掛けて来た。

諦めてユキのやりたいようにさせていたが、さすがに落ち着いてきたか?

「何だか目がグルグル回るんだよな」

ユキの顔がゆでだこのように真っ赤になっている。

ユキはのぼせていた。そしてグタッと倒れ込んだ。

「お、おいっ、大丈夫か?」

同時にようやく俺が解放される瞬間でもあった。


のぼせて真っ赤になったユキを寝かせて、俺は考え込んでいた。

49日が経つ前に小夜を連れ戻さないといけないが、幸いなことに、この世界はあっちの世界の1時間がこっちの1日だ。

こちらの世界で猶予は3年以上ある。それは正直ありがたい。だがこの世界の事をあまりにも知らなすぎる。

何も考えないで事を進めるのは恐らく駄目だ。

今の俺に足りないものは何だ?知識も金も人脈も何もない。

小夜を探すのに、俺一人で探すのは効率が悪すぎる。すれ違いなんてことがあれば目も当てられない。だからこっちの人にも探すのを手伝ってもらわないとな。

それでどうやって人を動かす?

動機なんてのは色々あるが、一番の理由は生きるために糧を得ることだ。

この世界は原始の世界ではない。だから必要なのは金だよな。

宝石を日本円と交換すれば、かなりの富を得ることができることは分かった。

次元収納にあるタブレットから、現代の物を購入して売りさばくのが一番だろうな。

売るには出来るだけ小さくて高額な物。そして利益率が高い物だ。

それに関しては現代の物を持ってくればいくらでも金になるだろう。

客層は金を持つ者。貴族や豪族の金を持つ者達だ。

あとは商会を立ち上げて、貴族とのコネクションを広く持つことか・・・



隣でグッタリとしているユキを眺める。

ユキは信用出来るけど、商会を運営する能力は無い。

商会を任せることが出来て、信用のおける仲間か。どうやって見つけるかだけど、コレが一番の難題だな。


「ハァ。それにしてもどうしてここまで情報が無いんだ・・・」


あっちの世界とも連絡は付かないし、小夜も映像に映っていただけだ。

一緒にいた女性は誰か分からないが、こんな最先端の技術も持っているのだから、通信手段も無いのだろうか?


でも俺がこっちに来たかどうかなんて知らない訳だし、連絡なんかするわけも無いよな。

考えながらベッドに横になっているうちに、俺はいつの間にか眠りについていた。


ユキは獣人としか書いていませんが猫族です。


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