武器屋と防具屋
最近疲れているからか、気付くと寝ています・・・
休みたいのですが、休めないのがつらいところです。
皆さんは休める時はちゃんと休んで下さいね
「ユキ。ギルドは退屈じゃなかったか?」
俺達は商人ギルドを後にする。領主と会うことが出来るようになったのはラッキーだった。
「ううん。オイラ緊張してずっと固まってたんだ。だからよく分からなかったんだ」
そういえば借りて来た猫のようにおとなしかったな・・・
「そっか。それなら良かったよ」
まずは防具だな。
商人ギルドから見える所に防具屋はあった。レーザーアーマーが主流だが、プレートメイルも置いてある。
「らっしゃい。何にする?」
店の奥から筋肉質のおっさんが出てきた。
「この子に防具を買いたいんだ。何かいいのがあるかい?」
店主はユキを見て獣人だと知ると、怪訝そうな顔をする。
「この獣人にかい?勿体無くないのか?」
そうだった。この世界の獣人に対する扱いというのを忘れていた。
「そうだ。金は出す。ちゃんとした物を用意してくれ」
ついイラッとして語尾が荒くなってしまう。
「わかった。ちょっと待っててくんな」
そういって店の奥に行って何やらガサゴソと探して、しばらくしてサイズ的に合いそうな物を持ってくる。
「前に貴族の坊ちゃん用に作ったんだが、キャンセル喰らって放置されてたもんだよ。子供用の防具なんてのは無いからな。すぐに用意するならコレのサイズを合わせるしかない」
確かに造りのいいレザーアーマーだ。軽そうだし、分厚い皮を重ね合わせてあり、防具としての役割をしっかり果たしそうだ。
「ユキ、着てみてくれ」
「うん」
ユキが細すぎるからブカブカではあるが、しっかり食べさせるつもりだ。
急に成長をする可能性もあるから、少しくらい余裕が無いと、すぐに着ることが出来なくなる可能性がある。
ブーツは重そうだが、足を怪我することはこの世界では命取りになる。
獣人の素早い動きが制限されてしまうが、これはユキに慣れてもらうしかない。
「どんな感じだ?」
「あんちゃん。オイラにはちょっと大きいかな」
それを聞いた店主は店の奥に行って綿を持ってきた。必要以上に動く部分に綿を詰めて弛みを無くす。
「これでどうだ?」
店主はブーツにも綿を詰め込んで行く。さすがは防具屋だ。
「あんちゃん。これなら大丈夫だよ」
「そうか。おっちゃん、いくらだい?」
「金貨1枚でいいぞ」
「それじゃあ安すぎて、何も儲けがないだろ」
「ずっと眠ってて邪魔だったからな。むしろ有難いくらいだ」
「また欲しい物があったら来るよ」
そう言って俺は黙って金貨2枚を渡す。
すると店主は再び奥に行って何か持ってくる。
「その時に造ったマントだ。ついでだから持ってきな」
「おっちゃんありがとな」
「ああ。また来いよ」
貴族に売るのだから、本来ならそれなりに値が張るだろう。
金貨2枚を払ったけど、それでも全然足りない筈だ。
「いい物が買えてよかったな」
「ねぇあんちゃん。オイラなんかにこんないい物を買ってくれてよかったの?」
「あのな、仲間に何かあったら嫌だろ?俺はユキが怪我したら、何で俺はユキにちゃんとした格好させなかったんだ。って絶対に後悔する。だからオイラなんかになんてことは言うな」
「うん。分かった」
ユキは複雑な顔をして涙を流していた。
俺はユキを抱き寄せて頭を撫でてやる。
「オイラ頑張るから。絶対にあんちゃんの役に立つからな」
「ああ。分かった。でも無理だけはするなよ」
「うん」
続けて俺とユキは武器屋に向かう。
「ねぇ。あんちゃんはどんな武器を買うんだ?」
そういえば俺はどういった武器が向いてるのかな?日本人だからイメージ的には刀なんだけど、この世界に刀は存在しない。片手直剣に盾ってのがセオリーなんじゃないかな?
ちなみに防具はタブレットで軍用の防具一式を揃えている。だから俺が買うのは剣だけで、ユキの防具や自衛用の武器を購入する予定だ。
「俺はしっくりくる物を選ぶつもりだよ」
「ユキはどうする?」
「オイラは分かんない。あんちゃんが選んでくれたのでいいよ」
「駄目だ。自分が使う物だからな。しっくりくる物をちゃんと選べ」
「うん。分かったよ」
武器屋は少し離れた場所にあった。
扉を開けて俺達が店に入ると、店主が剣を磨いていた。
店主は俺達に気付いて一瞥したが、俺達には興味無さそうに再び剣を磨いている。
この店は様々な武器を扱っている。取り立てて凄い武器は置いてないが、悪い物が全く無い。
需要に応じたいい店なんだろうな。
俺は片手で持てる物を探して適当なロングソードを手にする。何本か持ってみて、グリップがしっくりするものに決めた。
「俺はコレにするか」
「ユキはどれがいい?」
「おいらはコレがいいな」
ユキは両手スピアを手にしている。背の低いユキには長くて扱いが大変じゃないかと思ったが、獣人は思っているより力があるようだ。
盾は腕に固定するタイプにして両手が自由になるようにする。
槍を構えるとそれなりに立派に見える。
「ユキ、カッコイイぞ」
「エへへへへ。オイラもコレで冒険者の一員だね」
「そうだな。ユキには頑張ってもらうからな」
「うん」
あとは俺とユキの予備の武器も選んで買うとするか。
愛想の無い店主に金貨5枚と銀貨2枚を支払う。
それなりにいい装備を買えたと思うな。
子供のようだが、腰に剣を付けるとそれだけで強くなった気分にさせてくれる。
「ユキ、これから冒険者ギルドに行くけど大丈夫か?」
ユキは少し暗い顔をしている。冒険者達にあまりいい思い出が無いのだろう。
「無理なら誰もいない時間を狙って行く・・・」
「いい。大丈夫だよ、あんちゃん。オイラは変わるんだ。だから大丈夫」
「そっか。俺がついてるからな。誰もユキに手を出させたりはしないよ」
そうは言ってもやはり不安なのだろう俺の服の裾を掴んでいる。
ひと月は毎日アップする予定いたのですけど、昨日は気付いたら寝ていました。何とか今日アップ出来ました。明日もアップ出来るよう頑張りたいと思います♪




