表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/23

サバイバル演習

.見渡す限り木、木、木……。地面は人の手が入ったような形跡もなくけもの道すらない。空を見上げれば大きな鳥達が奇声を上げながら飛びまわっている。


「どうしてこうなったんだっけ……?」







始まりはこの父の一言。


「そろそろお前にも試験が必要だな」

朝飯を食ってるときに突如父さんはそう言った。試験……これが意図するところは俺がどれだけ単独で動けるか、ということだろう。


日々、父さんや母さんのスパルタ特訓により一般的な冒険者と同等、もしくはそれ以上の知識と技能を身につけ、二人の監修の元でギルドのクエストを受けていたりもした。


しかも、両親がいたということは俺は魔術と風の魔法のみを使ってそれらをこなしていたということで。制限をかけられた中での全力しか出していないということを意味する。


ゆえに生半可な状況下でなら余裕で生き残れるというわけで。


どんな試験を出すのか余裕の気持ちで次の言葉を待っていると……


「ほんじゃま、一度眠れや」


「かはっ……!」

いきなり腹に重い一撃を受けて気を失って……





.「今に至ると」

まったく父さんの突拍子のない行動には驚かされてばかりだ。というかあの人考えないに行動しすぎだろ。


そんなことを思っていると、目の前に何か書かれた紙があることに気付く。手にとって内容を見てみる。


今日から一カ月、お前は今いる森の中で暮らしてもらう。とりあえず死ぬようなことはない……と思うが、まぁ頑張れ。じゃあ一ヶ月後に逢おう。父さんより

追記。特別な魔具を使って今のお前魔法使えないようにしてるから














『それで?どうするんじゃ?』

軽く現実逃避が入った俺を現実に戻す声をリンが上げる。


「……そだな。とりあえずこれから住む場所と水源の確保、食料の調達だな。ヒータは食料になりそうな動物、植物の探索。ウィンは住む場所の探索。リンは俺と一緒にこの森の探索だな。奇襲を受けないように気をつけてくれ」


『『『了解』』』』

そう言ってヒータとウィンは何処かへと飛んでいく。とりあえずこちらは得物……スリングショットあたりを作成するとしよう。


「じゃあ行こうか。リン」


『うむ』






.とりあえず歩き回りながら見事得物をゲット。籠手にスリングっショットをつけたものと弾代わりになる石や木の実、尖った石を削って作ったはぎ取り用のナイフ、後はロープ代わりの伸縮性に富んだ木の蔦とそれの両端に石を巻きつけて作ったボーラと呼ばれる投擲武器などなどの品である。近距離で使える武器がないのは魔法が使えない人の体で野生の動物など倒せるわけがないことからである。

出来ても大型犬、もしくはそれよりもう一回り大きい生物が限界である。まだ俺は人間やめてないもの。


『まぁそれも時間の問題だと思うがな』


「不吉なこと言うなよリン」

ただでさえ魔法関連では異端異常の文字が飛び出るほどのものなのだからせめて肉体的には人間でいたいと思うのが普通でしょうに。


ちなみに、父さんが本気を出すと下級のドラゴン相手に生身で立ちまわれるらしい。


下級といえどもドラゴン、普通の冒険者であれば1パーティー5人編成が複数合わさってようやく互角といえる程度には力を有している。つまり、人外判定を受けているというわけだ。まぁそれくらい力がないとAランクなどにはなれないのだろう。



そんなことをだべりつつ歩き回っているとかすかに血のにおいを感じた。警戒しながらにおいのもとへ向かうと、一匹の狼が血だらけになって倒れていた。周りには特に気配は感じられないので狼へ駆け寄り、容体をみる。

どうやら今すぐには命に別状はないものの血も止まっておらず、このまま放置しておくとヤバいかもしれない。


そのとき、ちょうどウィンが帰ってきて、


「水場がありましたよ。ここらすぐのところです。ところでそのこは?」


「説明は後だ。案内してくれ!」

そう言った直後、ウィンも狼の様子が芳しくないのを感じ取ったのか何も言わずに水辺へと案内する。多少狼の身体が大きいものの、父さんの扱きのおかげで難なく運ぶことができた。

水辺に着くと葉や草などをかき集めて簡易ベッドを作成し、そこに横たえる。その後、服を脱いで破り、水に浸して血を拭き取っていく。大体拭き終えたら歩いている間に採取した薬草をすりつぶして傷に塗りこむ。それが終わったら残った服も破いて傷をふさぐように巻いていく。


あらかたの処置が終わったところでヒータが帰還。


「この川を少し下ったところの近くにほら穴があったぞ。何かが住んでる様子もなかったしな。近くで食料になりそうな小動物も住んでるからかなりいい環境だと思うぞ。ところでそいつは?」


「とりあえずそのほら穴へ案内してくれ。そこで事情は説明するから」

そう言うと、特にヒータは反論することなく俺らを案内する。どうやらすぐに聞きたいというわけではないようだ。


とりあえず、食・住に関しては確保完了。はてさてどうなることやら。


約一カ月……もうちょい次は早めに投稿したいと思います

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ