第12話:散策・・・だったのになぁ
すみません。一か月放置してて・・・。
話の構想はできていたのですが、それを文章にするのに手間取りました。次回はもっと早くに投稿できるようにします。
今日は街へと出てきている。今までは一人で出ることは禁止されていたが、この間父さんと戦った後、許可が出た。
ので、今まで親に付いて回っていた時じっくりと見れてなかったところを見ていこうと思う。
この街は首都のベルべニア。一応王宮みたいなのもあって、王族もいる。政治体系は半世襲制みたいな感じ。日本で言うなら総理大臣は変わんないけど、その他の議員は普通に民衆から立候補と投票で選ばれるといったところ。
いま俺が歩いているのは首都としてふさわしい大通り。旅人を対象としたお土産屋さんみたいなところもあるし、武器屋とか食料品店とか色々ある。大抵のものはここで揃うと言ってもいい。まぁ旅慣れた人とかは裏通りの方へ行くのだろう。
あっちは人の目に触れない分多少法に触れてたり触れてなかったりする店が多い。大体がグレーな営業の仕方だ。まぁ、その分表通りでは手に入らないような魔法具などを手に入れることもできる。まぁ厄介事に巻き込まれる可能性も上がるけどさ。
さっきの言葉がフラグだったのだろうか?
「どうした坊ちゃん。今更怖気づいたか?」
目の前にいる男はゲヘヘと生理的に受け付けれそうもない笑い声を上げながらこちらに近づいてくる。
それを見て俺の後ろにいる少女は俺の服を一層強く掴む。はてさて・・・なんでこうなったんだか。
事の発端は表通りから外れて裏に来てしまったことだろう。ここには職にあぶれたものたちがうろうろしている。あぶれたと言っても、大体が『働いたら負け』みたいな精神の人達ではあるが。
そんなホームレスの群れが居る所を俺は堂々と歩いて行く。理由?そんなん好奇心から1割、迷ったのが9割だ。ぶっちゃけてしまえば迷ってここに入ったからこそ開き直って興味が湧いたと言うところだが。
『アホだの。ショーゴは』
うるさいリン。そんなの俺自身が一番わかってる。だけどどうしようもないじゃないか。表通りに戻れないんだから。
『だからといって風を操って自分の周囲だけ清潔に保つのはどうかと思いますよ?』
しょうがないだろ?ウィン。ここがちゃんと清掃されてないのが悪い。上の奴らが公共事業としてこいつら雇ってここを掃除させればいいんだ。それで全て解決さ。
『無茶を言うな・・・汝は』
まぁそんな無駄話をしながら迷走を続けていたのだが、何となく悲鳴みたいなものが聞こえてきた気がする。
『ショーゴ。先ほどの声、聞こえましたか?』
どうやら聞き間違いではなかったらしい。
「場所、わかるか?」
『ええ。あっちです』
ウィンのナビゲートで声の発信地へ向かうと、そこには、
「おとなしくしなぁ、お嬢ちゃん」
手にナイフを持っているキモいおっさんと、
「いや・・・いや!!」
そのナイフで服を斬り裂かれたであろう少女がいた・・・。
はい回想終了。この間実に1秒未満。いや~最近は詠唱を加速するために思考速度を上げてみたからこんな芸当も可能になったんですよ?
『現実逃避しておる場合か。さっさと片付けろ』
『そうですよ。目障りですからさっさと消してください』
精霊二柱から酷いお言葉。相手に聞こえないからってひでー言いようだ。
まぁその意見には同意だが。
ささっと片付けてこの少女に表通りまでの道を聞こう。その辺の浮浪者と違ってまともそうな子だし。
そうときまれば、さくっと行こう。
「≪風よ≫」
超短縮呪文。元の威力より大幅に落ちるが今はこの程度で十分。俺が腕を振るうと風の刃が相手を襲う。
「ぎゃああ!!」
流れ出る血の量はしょぼいが五月蠅い悲鳴をあげるおっさん。この程度でガタガタ五月蠅い。更に腕をふるいアキレス腱を切る。更に五月蠅い悲鳴をあげる。
「≪奴を黙らせろ。沈黙≫」
適当な呪文だと思うが、元々呪文というのは脳内のイメージをより確かなものにするために使用する。ので、使用者がやりやすいなら大体適当なもので良いのだ。
まぁ大体の奴は教科書通りの使い方ではあるが。
静かになったおっさんを通りの端へ蹴り飛ばし、改めて少女の方へ向く・・・がすぐに首をねじ切らんとばかりに百八十度回す。
理由は・・・服がほとんどないんだよ。いくら俺が精神的に大人といえども、相手にとっては同い年。裸同然の姿を見られるのは嫌だろう。そう思っての行動だ。
「どうしたの?」
しかし、少女は特に何も思わないのか周りこんで俺の顔を覗き込む。
『ショーゴ、汝の歳はいくつじゃと思っておる』
五歳だが?
『その歳で異性云々の観念を持ってると思うのですか?あなたは』
ウィンが呆れたような声でそう言う。そんなもんだっけ?
『そんなもんじゃよ』
そーなのかー。まぁ、そう言うことならいっか。
そう結論付けてから改めて少女を見る。腰辺りまで届くであろう赤色の髪を後ろでポニーテールにしている。目は橙色。そして何より特徴的なのが耳。犬耳である。尻尾も生えている。髪は人間の耳があるところまでかかってるので見えにくいが人間と同じものはない。まぁ獣人はそんなもんだって聞いてたけどさ。
まぁ少女の説明はこの辺にしておこう。
「大丈夫か?」
そう言いながら俺は羽織っていた上着を渡す。俺が来ているのは黒色のジャージのようなもので動くのにとても適している服だ。まぁ普通はこんなので外に出る人はいないだろうが、前世では私服=ジャージだったものだからなれている。人の視線がうっとうしいことこの上ないが。
まぁ、そんなジャージっぽいそれを少女は少し見、俺の目を見、
「あ、ありがとう・・・」
おずおずと手にとって着た。
まぁこれでとりあえず変態がよることはないだろう・・・下手したらこっちのほうがエロいかもしれんが。
「ところで、なんでこんなとこにいるの?子供には危ないところだと思うんだけど」
自分の年齢は棚に上げて少女に聞く。まぁ・・・俺は大丈夫だろ?精神的に戦力的にさ。
「あなたも人のことを言えないと思うけど・・・わたしは孤児院に帰る途中で、ここを通った方が近道だからいつも通ってて、今日に限って・・・」
そこまで言って先ほどの男のことを思い出したのか顔が真っ青になる。まぁ、本能的にヤバいと思ったんだろ。女としてなのか獣としてなのかはわからんけど。
「そかそか。その孤児院ってどの辺にあるの?」
聞くとどうやら表通りに近いところにあるようなので送ることに。さっきみたいなことがあってもいけないしな。
そう伝えると、「・・・うん。お願い」と少女は言った。
「そういえば名前を言ってなかったな。俺はショーゴ。君は?」
短い付き合いになるかもしれないが、せっかくの縁だ。名前を聞いておこうと思い、自己紹介。
「わたしはユーリィ。よろしくね」
そう言ってユーリィは手をこちらに差し出す。握手かな?と思いその手を握ると、
「さ、いこっ!!」
俺を引っ張って走り出した。
「ここが孤児院?」
「うん、そう」
あれから半刻程かけてユーリィの住んでいる孤児院にやってきた。いつもならこの1/2か1/3程度の時間で来れるらしい。今回は俺がいたためゆっくりにしたんだと。
「みんなただいまー!」
俺と手をつないでいるのを忘れているのか、そのまま孤児院の中へと入っていく。
「おじゃましま~す」
探知すると奥に人の反応があったので、入る時にそう言っておく。
「お帰りなさい・・・ってその服どうしたの!?」
院長さんだと思われる女性がユーリィを迎えに来たのだろう。玄関にまでやってきての一言。まぁ服がぼろぼろになってたらしょうがない反応だ。
「ちょっと・・・ね。でも、ショーゴが助けてくれたの!」
「ども・・・ショーゴです」
手を引っ張られ院長さん(仮)の前に出されたの挨拶する。
「そう・・・ユーリィ。あなたは着替えてらっしゃい。ちょっと私はショーゴくんとお話があるから」
「わかった!ショーゴ、後でね!」
そう言ってユーリィは部屋へと走って行った。
「さて、ショーゴくん。ついてきて下さい」
院長さん(仮)が歩きだしたので、それについて行く。ついたのは院長さん(仮)の書斎。机の上には様々な書類が置いてある。ちらっと見てみたがここの経営にかんするものだった。
「ごめんなさいね。何も出せないけど」
「いえ、別に気にしていただかなくても」
むしろ五歳児相手にそんな客人に対する応対はしなくてもいいと思う。俺は。
「ありがとう。私はここの院長をやってるミュゼットよ。それで、わたしが聞きたいのはあの子になにがあったのか、ということ。きっと酷い目に会ってきたのでしょう?」
「ええ。まぁ・・・」
「あの子、凄く怯えてるようだったからきっと話してくれないでしょう。だから教えてもらえます?」
「わかりました」
そこからは俺がみたことをそのまま話す。
話が終わるころには、ふぅ。とため息をついていた。
「あの子が無事でよかった・・・。ショーゴくんもあの子を助けてくれてありがとう」
そう言って院長さんは頭を下げる。
「どういたしましてです」
「わたしからはもう終わりよ。あの子のところに行ってあげてくれる?わたしはちょっと仕事があるから行けれないけど」
そう言ってミュゼットさんは書類の乗った机へと向かう。俺はそれの邪魔にならないように部屋から静かに出た。
「あ、ショーゴ!」
廊下に出ると、ユーリィがちょうど居てこちらに駆け寄ってくる。
「お話は終わったの?」
「終わったよ」
そう言うとユーリィは笑顔になり、
「じゃあ遊ぼ!」
俺の手を握る。特に断る必要性もない。ので俺はそれを了承した。
あれから数時間、孤児院の子供全員を巻き込んで遊びに遊びまくった。
「もう帰るの・・・?」
犬耳をペタンと伏せ、悲しげな表情になってユーリィは言う。
「別にもう会えないってわけじゃないさ。また遊びに来るから元気出せ・・・な?」
いつもセリアにしてるように頭を撫でる。
「はふぅ・・・」
すごく和む表情になっていた。
「ふふ。ユーリィがそこまで気を許すなんてね。歓迎するからまた来てね?」
「ええ、是非。じゃ、またなユーリィ」
「・・・うん」
俺の離した手を見ながら残念そうに言う。後ろ髪をひかれつつも俺は家へ向かうために歩きだした。
「またねーーー!!絶対来てよーーー!!」
振り向くとブンブンと手と尻尾を振りながらユーリィがいた。それに俺は手を上げて答え、今度こそ家へと向かって歩き出した。
後書きに小説内の説明とか質問とかに答えを書くべきだろうか・・・。みなさまはどちらがいいでしょうか。
特に何もないようだったら、ある程度話が進んでからそれだけで投稿します。