5/20
⑸『路上封鎖』
⑸『路上封鎖』
㈠
どこもかしこも、路上は封鎖されているようだ。困ったことだ、では済まされないのだ。行き場のない場所が、俺を苦悩へと押しやる。しかしどうだろう、封鎖された以上は、もう、ここに居るしかないのではないだろうか。
㈡
そんな風に思うと、気が楽になったよ。生きること、また、呼吸をすること。ありがたい、それは本当にありがたいことなんだ。何が何でも、この路上封鎖を解放しろとは思わない。俺の人生の、俺なりの決着点なのである。
㈢
路上封鎖、俺はその言葉が、心底似合う様な気がして来たよ。俺は俺で、世界は世界で、路上は路上で、それなりに動態している訳だから、であるからして、光の無い闇が夜を覆い尽くしても、封鎖された路上に、俺は眠り出すのだ。