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⑶『路上封鎖』
⑶『路上封鎖』
㈠
而して、俺が佇むところの、路上は、非常に精緻な構成で、封鎖されつつある。これを俗に、四面楚歌、というが、俺はこの小説では、四面楚歌、という言葉は使わない。やはり、俺にとっては、路上封鎖なのであって、それが自然なのである。
㈡
如何にも、路上封鎖と聞けば、現実的な感じがするものの、拘束という言葉とは程遠いものだ。自分で自分の首を絞める様な、路上封鎖という現状。これは、俺が書こうと思ったタイトルが、路上封鎖だった、ということに、原因があると言える。
㈢
しかし現実に、確かに思えば、そういったタイトルが思いついた時点で、確かに俺は、路上封鎖に合っているのかもしれないな、と思うばかりである。何せ、捨て犬の様な扱いをされた子供が、負け犬になるように、俺には看取出来るからだ。