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第53話

「バカハリュウ!」

 メイの声と共に背後に控えていたメイの従者、巻物のマキさんから雷撃がハリュウへと落とされた。

「うぎゃ!」

『ハリュウ殿、申し訳ないがこれもメイ殿の命令なのです』

 ふわふわと周囲の視線からメイを守るようにマキさんが浮遊する。

 下手に刺激すると雷撃が飛ぶので、ギャラリーも静かになった。

 そんな中、ささっと現れたのは、フランだった。

「えへへ、フラン可愛い?」

 そのままハリュウの目の前に躍り出る。

 フランは男性なので上半身には何も着けていなく、軽く緑のパーカーを羽織っているだけだった。

 下も股間が強調される緑色のブーメランパンツを履いており、何だか見てはいけないものを見てしまっている印象だった。

「おいおい……それは反則じゃあないか?」

 揺れる双丘を見ながらハリュウが狼狽する。

 フランは見た目、女性にしか見えないので事情を知らないギャラリーからも困惑の声が流れる。

「だって、フラン男だもん、上は裸でもいいでしょ?」

『男の娘だとおおおお!?』

 場内がざわつく。

「ハイハイ、判定判定!」


上:4点、少しやり過ぎな感じがするから4点

ハ:9点、悔しいが魅力的なのは確かだ

J:6点、組み合わせの妙はあると思う


「ちぇ~」

 思ったほど点数が伸びなかったからか、フランは拗ねるように奥へと引っ込んだ。

「さて、後は……」

 ハリュウが人数を確認する、まだ出ていないのは……

「真打は…」

「遅れて登場するものよ♪」

 歓声と共に、現れたのは、レイチェルとオリゾンテのマスター、リチアだった。

 彼女はレイチェルに誘われて、ビーチに駆けつけたのだ。

「これは……美しすぎるっ!」

 ふたりはそれぞれ、レイチェルは青いビキニに花柄のパレオ姿、リチアは赤いビキニに波模様のパレオ姿と完全に合わせたデザインの水着姿だった。

 しかも身長、魅惑的なスタイルと、共に似ているためにお互いを高め合う効果も出している。

 つまり、ビーチにいる全ての男性の目を釘付けにするくらい、ふたりの存在は圧倒的だったのだ。

「どう?海里さん、私達も本気になったら負けないでしょ?」

 レイチェルが海里を挑発している。

 元々、このサウスビーチへの小旅行はレイチェルが提案したもので、ユメカも流れで水着になったわけだが、そこには女同士の勝負があったのだ。

 やや大人げない気もするが、レイチェルは勝つためには手段を選ばない。

「ははは、やるねぇ♪ 面白くなって来たよ!」

 海里も負ける気は無かった、勝負はまだ3日間ある。

 今は無理でも明日以降に捲ればいいのだ。

「さあ、採点だぁ!」


レイチェル

上:9点、本気になった教師は怖いのう

ハ:9点、ふたりまとめて素晴らしいっす

J:8点、まだ改良の余地はあるが、完成度の高さは秀逸


リチア

上:8点、レイチェルに合わせた結果、少しだけ評価が低くなったのう

ハ:9点、個人的にはリチア姐さんの方がエロいかも

J:8点、レイチェルに同じ


「そんな訳で今日の時点ではレイチェル先生が26点でトップです!」

「海里さんも触れてたが、採点はこの3日間で何度でも変更可能じゃから、みんなの今後にも期待じゃな」

「はい、ワガハイも今からワクワクして来ましたぞ」

 審査員の3人の額窓が一旦消える。

 こうして長かった水着のお披露目は終了したのだった。

「というか、まだ海にすら入っていないんですけどね」

 やれやれと、テヌートが両手を上げたように、一行のバカンスは始まったばかり

 これからどうなるのか、セイガには予想もつかなかったが、きっと楽しい旅になる、その予感だけは間違いないと思った。

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