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諏訪見町のわんこたち、時々ねこ  作者: 竹 美津
わんこやにゃんこ達のお話:本編
5/24

256の濃淡よりずっと深い奥まで:フロー


256の濃淡よりずっと深い奥まで、見通せる者だけに開かれる、灰。霞。膨大な無駄。


「ごめんな。」


あやまってくれたけどいやだ。

咎めないなら、許すのできないから。これ、諦めっていうね。


本を読んでなさいって、言ったんだ。

そのうち、寂しくなって、鼻が鳴った。したら、キョウさん振り返った。キイと椅子、肘掛けふかふか。天から降るみたいな目は、奥の奥の濃い色。


怒ってるって、すぐ分かった。


ちらちら、縞模様、流れるモニタ。フローは見てた。産まれてお乳はもう飲まなくて、でも時々は、むぐまぐしたい頃の事。

キョウさんはフローを抱いてくれなかった。モニタを見てた。しましま模様の。ずっと。


フローは3回やるまえに、邪魔するのが駄目ってわかった。だからいつも待ってた。椅子の後ろ、ぺたんと座って、キョウさんの頭とモニタ。面白かったよ。本は時々読んだかな。


キョウさんが何してるかは良くしらなくて、ぱかぱか開く窓や線や灰色の絵が、素敵にフローに花咲いた。


ごめんなって言うのいやだ。どうして連れてってくれないの。コンパニオンドッグだって、一緒に出てっていいはずでしょ。知ってるよ。読んだもの。後ろで収監者の権利ファイルを最後まで、キョウさん一生懸命読んでたじゃない。


「ごめんな。••••••。」


連れてってよ、て。それ駄目かったから、どう吠えていいか、良くわかんなかった。




フローの窓を開けてみる。今は後ろからじゃない。椅子に座ってるの。

窓から悪いのつかまえる。それがお仕事。


フローには分かる。いつも見てたから。

でもね、キョウさんの、頭で隠れた少しのとこが、見えてたら少し、絵が変わったんじゃないかって、思うんだ。


フローは欠けてる犬だって。でも見える、灰の256よりずっと奥、あの湿り、目の中。怒った光の底に沈む、フローを待っている血のにじみ。


フロー。

本を読みなさい。

絵を見なさい。

たくさん見なさい。あらゆるものを。人も、辛くないなら、アツク痛くならないなら。


お前が欠けている犬なら、そこにはたくさんの人からのものを。

遠く小さく、少しずつ埋めていくのがいいからね。


キョウさんは、フローはいい犬になると言ったよ。だからたぶん、そうなってるよ。


「フロー、今月の報告書ここね。」


ひゅーん。


いろんな皆と一緒いっしょの、お仕事わんこになったんだよ。






ーーーーーー



赤い光がちかちかと。

フローの画面にきっと赤。赤は地味な色溶ける色。でもフローには、256の1でも分かるから、ちかちかしてるのすぐわかった。


何だろう?


開くと絵。絵だ。


原始犬と人が仲良く走ってる。人はメスで裸だ。そんなのはどうでもいい。

コピーライトにキョウさんのサイン。


256の深く、こんなとこに生きてる、キョウさんの欠片。


フローの目は走る。

流れる情報がかかる、フローの欠けたくぼみは、きっとこのために。


集めたデータはメールの切れ端。


キョウさん、フローに一体、何が言いたいの?

窓の中、一体どれだけ、キョウさんの欠片があるの?


キョウさんは響さん。

ネットに欠片をばら撒いて、遠くで悪い事をしながら、フローを待ってる。

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