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諏訪見町のわんこたち、時々ねこ  作者: 竹 美津
わんこやにゃんこ達のお話:本編
18/24

はじまりのわんこ:ヒキリ


「おおおぉお前たち。おとーさんを許しておくれぇ!何でかわゆいお前たちを、裏黒愛玩闇オークションなんかにかけなきゃならんのか!」


おとーさ、うるたい。

ヒキリはおひるねしてただのに、起きちゃった。

でも、きゅむきゅむ、他のコと、合わせて抱っこのギュは、ほわっとニコっと大好きなのだ。おとーさのお胸は、おくちゅりくちゃいけど。


おとーさは白衣。けんきゅう?はかせ?ヒキリたちを、ヒトとケモノから、うみだした、いだいなる。いだいなる、ちっぽけなただの父、であるらしい。


「やみおーくしょ。」

「なにだ?」

「うまうま?」

「ひゅん。」


おみみかゆかゆ。

ひゅんひゅんの兄弟姉妹。なかまのわんこっこ。おててちむちむ、ねんねんのねこっこ。いごこちのよい、ふかふか寝床にみんなして、だまっとまるっとぬくぬくと。

してたのだのに、おとーさは何か、ぎゃわぎゃわしてる。


「おおお、ヒキリ。」

「アゥん?」


ヒキリはおとーさに抱っこ、天にさしだされ、うんめい、たのもし、まかせられ。


「お前は賢い子犬だ。足のぶっとい、いい犬だ。お父さんの胸に抱っこの、まだ子犬でも、ベビーサークルの鍵あけ、こないだ、してのけたっけな。」

「んー。あきぇた。」


ヒキリとなかまは、かぎあけ、ってやつをならった!おもしろ〜い!ヒュン!もっと!もっと!


「この檻、開けられるように細工をしておくから。ちょっとだけトラックにも細工するし、リリンと音がして、ジッと止まったら、みんな、檻から抜け出して、外の世界にゴーだ!」


あちこちおでんわ。

ニシシシシ、笑うおとーさ。たのし?


おとーさは、ここから出られないんだって。

つかまってるんだって。

でも、ここにいることは、しゅうちのじじつ、だのって。

金もちたちだけのために、あいがんアニマルをつくりだすのは、ヤーのペッペ!なのだとて。


「なぁに、心配するこたぁない。お前たち、可愛いじゃないか。大好きな匂いの相手を見つけられたら、表の連中は、引き離すことなどできまいよ。話題性もあるしね、大騒ぎになるに違いない。同時に私の仕込みのニュースも、ドカンと落ちる。きっと、この研究は表に出ざるを得なくなる。沢山の人に、ヒキリたちアニマルは、愛されなくては立ち行かなくなる。俺を表に出さない訳に、いかなくなる。その手は打ってある。」


ゆけ!ゆくのだ!我が子達。

世界に広まり、愛されて混ざってゆけ!


「ふぁ〜あぅ。」


大あくびしたヒキリは、しまらねぇナァ、っておとーさに鼻をツンツンされちゃった。



檻ってやつに、ひゅんひゅんごろごろ、何かだまっと入れられた。おとーさが、しきものがなくちゃ、痛いだろ、ってふかふかーのおぷとん、入れてくれただのだ。

カチャリ、って音。しこみ、ってやつ。

あ、カギあけられる、しこみの音がしたな!って、みんな、耳がピンッとしたけど。そのあと、おとーさバイバイで、檻をゴロゴロのひっぱって、ふわっと布かけ、真っ暗にしたひとと、ひととの2人は、ぶつくさ文句。


「あ〜、俺、犬とか猫とか、すげえ好きなんだよ。超罪悪感。コイツらどうなんの。」

「黙って運べよ。金持ちんちで可愛がられるって。大丈夫だって。俺たちは何も見てない、聞いてない。」


「連れ帰りてぇよ〜。それに、女の犬子ちゃんや猫ちゃんだったりしたら、俺たちと赤ちゃん出来るんだっていうじゃん。めっちゃ可愛がるじゃん。今、赤ちゃんの出生率何パーだっけ?」

「そういう事含めて黙ってろっての。だから高く売れるんだろ、お相手が欲しい金持ちに。」


大丈夫かなぁ、可愛がってもらえるかなぁ、と声。

しんぱいのこえは、おとーさみたい。

おとーさはバイバイしたけど、きっと、お外は、よきだ!ってヒキリは思った。だって、2人とも、すっごく。

大丈夫?って、なかまにヒュンと鼻ならす、ヒキリたちと、おんなじ声してたもの。


トラックはガタガタするものらしい。ドン、プスン!ってぎゅわーと揺れたから、だまだまのヒキリたちは、うわっとゴロゴロ、上に下に。

リリン、て音がしたぞ。

ゆくのだ、おまえたち、だのなぞ!


ヒキリたちは、さあっとカギ開け、まっくら布をえいっと放り投げた。でもまっくら。ううん、なんか、光ってる。


トラックの、まっくらは、緑の布だった。カーテンみたくに分かれたから、そっからヒュンヒュンゴロゴロ、はい出して、なかまはバイバイ、バイバイね!って、鼻の向くまま気の向くまま、あっちこっちにシッポふりふり、走っていった。


ヒュン。

ヒキリは、走らなかったんだ。

トラックのそばで、いい匂いがしたの。


「あぁ〜パンクかよ。」


草にかくねて、見てたの。

トラックの足を、のぞいて、頭ポリポリするひと。おめめがほそい。でっかい。何かいい。声いい。ヒクヒク。によいもいい?

すき?かもしれない!


「もしもし?パンク修理のサービスをお願いしたくて。」

そーっと寄って、足にうしろ、鼻をスンスンしたんだ。ああ、落ち着くによい。やさしそうな声。汗、うまうまのによいも、する!

ぎゅ、と足に抱きついたら、「うぉ?」と声がして振り返った。


「おや、どこの子•••え、え、わんこの耳!?」

おしっぽもあるよ。


ぎゅーむとしてた。

はわはわ、びっくりしてたトラックのひと、すきなひとは、ヨネザワなんだって。うんてんせき、のじょしゅせき、ってとこで、ヒキリはぺたことお座りしてた。

ヒキリはよいこ。待てできる。


パンクのしゅうり?を待つ間、ヨネザワは、えーっと、て考えた後に、なんか飲む?おベント食べる?ってゆった。

ヒキリはおちゃのんで、おベントってのの、コロッケってのをもらった。うま、うま!うまー!!



ヨネザワのおウチに行ったんだ。

なぜって、おでんわジリリん、ヨネザワに、シャチョーってのが、ヒキリのお耳がビビッ!てなるほど大声で、言ったんだ。


『すぐ家に帰れ!ウチは関係ないって言え!今テレビのニュース、すごい事になってる!犬耳や猫耳の子達が、お前の荷物の中に入れられてたらしい、クソ!車の荷台なんてメチャ暑くなんだぞ、秘密で生き物押し込むなんて何考えてやがるんだ!ってゆーか生き物、いきもの!?ヒト?ケモノ?誰も残ってないんだよな?いるとしたら無事か?すぐ確認しろ!』


「あの、あの、荷台の檻には誰一人として犬耳ちゃんも猫耳ちゃんもいなくって。•••だけど1人だけ、その、今助手席で。」


「ヒキリ。」

「え?」


「ヒキリ。ヨネザワ、なかよし。」

ぺろりん、とせのび、ほっぺを舐めたら、ヨネザワが、二へ、って嬉しそうに笑ったんだ。

おでんわからは、シャチョーが叫んでた。


ヒキリはそれから、おとーさをテレビってのでバンバンみた。

ヨネザワとおウチで、ゴハン食べたり、ずっといたよ。誰も来なかったのは、アニマルのセンター、ってやつのごえい、ムキムキのムンなひとが、まもってくれたらしい。

いっかい、ヨネザワのおウチから、どっかに、いかない?ってセンターのひとが来たんだ。


「私たち公に発足した育成縁組センターが、引き取ってヒキリちゃんを、ちゃんとしたおウチに、しかるべき手続きをして」

「ヤャややややー!ヴルルルルルル!」


ヨネザワが!いいの!

いいの!ヨネザワ、すきだの!

よそは、いかないのぅぅうう!!!


ヴヴヴルル!ひゃーんひゃーん、ヒューンヒュヒュ、キャーン!


「ちょっと、こんなに嫌がってるじゃないですか!待って、待って下さいよ!もうウチの子なのに、何で俺が育てちゃダメなんですか!」

「ですが!」


ヒュンヒュンヒュイー、ヒー、ヒー、ヒーン!!


ヨネザワに抱っこでしがみついて、ぜったいはなれない!って。

むぐぐぐヒャンヒャン鳴いたら、あんまりにもかわいそうな声だって、のどから血が出そう、死んじゃいそうに切ない声だって、センターのひとは、がっくしあきらめだった。


むりやりつれかえった、なかまのこも、みんな鼻をヒュンヒュン、すぐ逃げだしちゃうんだって。げんきもなくしちゃうって。

ヒキリたちはあきらめない。

だからセンターのひとが、あきらめた。


だって、センターのひとも、よきのひとだったものね。ヒキリたちが、逃げてジコッたり、げんきなくしたりは、つらいんだって。ジコッたこは、まだいないらしいけど。

おまえたち、ひろがって、まざれ!

なかまのみんな、ブジに、まざっただのだな。


ヨネザワは、ヒキリをギュッと抱っこして、ずっとセンターのひとから、守ってくれただった。



『アニマル達を生み出した事を、批判する方は、沢山いらっしゃるでしょう。けれども、これから先の未来、愛し愛され、混ざりゆき、共に良きところを目指すひとつの助けに、彼らはきっと、寄り添ってくれましょう。あ、言っときますけど、無理やり仲良くなんて出来ません。だって、分かるでしょ。好きな人の匂いを見つけて、彼らが選ぶんです!皆さん、養育縁組センターに、何度でも足を運んで下さい。あなたを選んでくれる、愛しいわんこやニャンコ達が、いる、かもしれません!』


テレビのおとーさは、いい顔してるから、きっと大丈夫ダナ。


「ヒキリ。コロッケ食べるか?」


ヨネザワは、少ししてから、ヒキリをシャチョーのとこに連れてった。いっしょにはたらくだとて。

シャチョーは、良かった、良かったと泣いて、ヒキリをばんざーい、たかいたかーい!したから、トクベツにほっぺをなめてやった。


そうして、ヒキリたちは、はじまりのワンコ、にゃんこ、ってゆわれるように、なったんだった。




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