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諏訪見町のわんこたち、時々ねこ  作者: 竹 美津
わんこやにゃんこ達のお話:本編
15/17

回るリンカ


リンカ回るよ回るよリンカ。

たぶん、あったかかったからだと思うんだよね。リンカの母さんが、コインランドリーの丸の中、リンカと兄弟を入れたのは。

冬だったしねえ。


母さん犬はなんか、家の人と喧嘩してたって。家出のふらふら、店番のおじさんが呼んで、お茶くれたってさ。そのうち母さん、どうしても外に出たくなった。お乳もくれてたし、お腹すいたんだな。

で、兄弟達は、全部で5本の尻尾だもの。抱いて歩くだけだってあわあわだ。母さん考えて、一番安全と思うとこへ隠した。あははは。回るリンカ。ぐるぐる。


リンカはほら、ねじねじの髪。モップみたくに見えるのね。

汚くないよ。焦茶だけど、元々だって。

ぐわんと何でか回りだし、兄弟ごろごろひゃんひゃんと。なんなんなんだ!?•••と、思ってすぐに止まったよ。

お客さんがいたんだな。


リンカはぐるぐるしてました。丸の扉から、ぼとっと落ちて、ぐるぐるのまま歩いたよ。だって、足が揺れるんだもの。

そのままふらふらしていたら、丁度良い椅子があってさ。ぽてんと座ったら、びゅんびゅん走る。ぱーっ、ぱーっ、てクラクション、トラックの荷台、足乗せるとこだったのさ。


リンカは戻ってきたんだよ。匂いがするもの、生まれた町の。まわるまわるのリンカは荷届け屋。預かって、ご飯もらってそこにいく。まわるまわって戻ってきたの、もう3回前の春かな。


母さんは、リンカを抱いて黙っていたよ。ほっぺ舐め舐め、やっぱ随分、待ってたんだな。胸の中、おっきな石があるよな顔で。


それでもリンカ、まわるまわるは止まらない訳。だってそうでしょ。終わりだよって分かんなかった。荷物あるもの。

リンカの荷物は内緒ないしょのわんわん秘密便。だからさ。何回春が来たっていいから、絶対届けないといけないね。


でもしばらくは、近場でくるくるしようかな。母さんの石が無くなったら、また、おっきくくるり、風追うよ。

秋の匂いがする頃なんなら、母さん石は溶けてるかなあ?


リンカはいつかをのんびり待つし。

いつかはきっと、また巡るってもんだよねえ。


くるりくるりと、回っていれば。

少し更新予定の日に、おやすみしちゃって、すみません。

これからも休み休みとなるかもですが、更新していきますので、のんびりとお付き合いくださいませ。

どうぞよしなに。

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