男女の神域
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
実際に感じた事なんで、生々しいとは思うんですよ。
私の幼馴染は男の子だった。昔は何時も肩を並べて一緒に遊んだ。彼は幼いながらに気遣いの出来る子で、少女らしい遊びにも付き合ってくれた。それに返す様に、私も男の子が好きな遊びに付き合った。そんな毎日が延々と続くのかと思っていた。けれども決してそんな事はないのである。
学年が上がるに連れて、幼馴染は私と過ごす時間よりも男友達と過ごす日々が多くなっていった。幼い頃は何をするにも一緒に行動していたのに、それが段々と少なくなっていった。
高校生の学園祭で模擬店を行うことになった時のこと。文化祭前日に皆でテントを立てようとしていた時のこと。クラスの男子が声を上げて『手の空いてる人〜』と声を上げる。それに倣って慌てて駆け寄った時、その場にいた男の子達がバツの悪そうに顔を見合わせた。そこには幼馴染だった彼も一緒にいた。
「あの……その……」
「女の子は危ないから下がっていて良いよ。男子〜? 働け〜!!」
「…………分かった。他に何かあったら声を掛けてね。直ぐに行くから」
その時に感じたのだ。あの空間に私は入っては行けないのだと。犯してはいけない神域があるのだと。それは決定的な格差を感じた出来事であった。
何か男同士で仲良さげに話している時も、何か作業をしている時も、私の居場所は何処にもない気がして、幼馴染に声を掛けるのが億劫になっていった。
けれどもある時、たまたま誰とも帰りの約束をせず、たまたま帰る時間が一緒になった時、幼馴染は私にそっと近付いて、一緒に帰ろうと言ってくれた。
「……男の子だけの空間って入っちゃいけない気がするんだ。君達には男子間では男の友情なんてものがあって、その中に女の子は入っちゃいけなくて、きっと……」
君の心の深い部分には入らせて貰えないんだろうね。と言いかけて口を噤む。男女の友情が存在するかは分からない。けれども此処まで言うのは深入りし過ぎだ。付き合ってもいないのならば尚のこと。
「それは此方にも言える事だよ? 君達女子達には独特の空気感があって、あんまりそれを壊しちゃいけない気がするんだ。そこに僕が入ったら異質だからね」
「君は……それでも……私と昔のように仲良くしてくれるかな?」
「どう……だろうね……」
そう言いながら、彼は黙って私の手首を掴んだ。そのまま隣同士の家に着くまで一緒に帰った。それから離れる時にそっと耳打ちをされた。
「幼い頃の様な深い関係には、戻れないかな」
そうして彼と分かれて、家に入るのを見送った。そうしてただ一人で呆然と立ち竦んでいた。頬を濡らす雨には気付かないでいた。
学園祭の時にテント立てたんですよ。
その時たまたま周り皆が男性だったんです。
そこで手伝いを申し出た時の事。
物凄く気を遣われていると言いますか。
バツが悪そうと言いますか。
この空間に私は入っちゃいけないんだな。と思ったんです。
色んな漫画読んで生々しいな〜と感じたのが、この空気感。
蚊帳の外になったような、疎外感。
同性間の友情は成立するとは思いますが、異性だとどうしても難しい。中々その懐に入れないと言いますか。
最後はちょっと恋愛匂わせておきました。
泣かせるつもりじゃ無いんですよ。
友情を感じたいと言われたら、此方は恋愛感情で接したいと思ってるよ。
と思っての言葉なんで。
すれ違い辛いっすね( '-' )