急に言われても答えられない感じの質問
「家?」
「あぁ。家だ」
俺たちが結婚のうんぬんをやってから数日が過ぎた昼、アルベルトが急に話を切り出した。なんでも結婚したのだから家を建てればどうだ、とのこと。
家かぁ。どこかに定住しようなんて考えてこなかったなぁ。行く先々で問題起こしてるし、半分機械の人間と脅威認定されている魔人の少女の二人組だからな……。いつも宿をとってたし……。
俺たちがこれまで訪れた場所は異世界なのに魔術だけじゃなくて科学もあって戦争で半壊したサムマジス、ユエナが魔人で俺たちの実力もばれているルスキヤ、最強の冒険者を倒して隕石もぶっ壊したけど王様とは仲がいい(?)帝国。
ここに住みたい!っていうところは今のところないんだよなぁ。
「今のところは、この街に家を建ててそこで暮らそうかと思ってるけど、具体的な考えはまだないんだよなぁ。いつまでもここで暮らすわけにはいかないとは思ってるけど」
「私たちからユエナを奪う気か?」
静かな怒りを帯びた声で言い返してくるアルベルト。
めんどくせぇ!エレナさんがたしなめているが……こいつほんとにこの世界(魔界)の最高権力者で最強なのか?とてもそうは見えないな……。ただの娘大好きお父さんに見える。
そんな時、急にユエナが口を開いた。
「私、向こうに家建てたい」
「向こうって、人間の世界のこと?」
思わず聞き返してしまう。
魔界で生活するようになってもう一か月以上が経過していると思う。てっきりもう人間の世界には戻らないのかと思っていた。
「うん。私とユウヤが出会ったのもあの世界だし、せっかく土地ももらえたんだし……。ダメ、かな?」
「「よし。今から家建てるか」」
俺とアルベルトの声が重なった。上目遣いでそんなことを言うのは反則だろう。
俺とアルベルトはすぐに席を立つと、移動の準備をし始めた。
この時はそんなに深く考えていなかった。魔界の王的な人物とその身内全員が人間の世界に来て定住の準備をするという意味を……
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