シリアスの後は日常パートになりがち
俺とユエナが隕石との闘いを終えた日から一日が過ぎた。
「なんで俺たちまた呼ばれたんですか?」
俺とユエナはまた皇帝に呼び出されていた。
「なんでって、お前が一番わかってんだろ?それと、そんな堅苦しい話し方するなよ。こっちが息苦しくなってくるわ」
ここで遠慮したら失礼だし最悪首が飛ぶのではないだろうか。
「チッ、うっせぇな。これで満足かよ」
「ああ。俺はそっちの方が好きだぞ?」
「知るか、そんなもん。そんなことより、本題は何なんだよ。どうせ隕石関係だろ?」
「そうだ。正直俺はいまこんなことしたい気分じゃないから手短に済ませるぞ?」
皇帝はそう言うと、二つの丸められた紙を渡してきた。
「鉱山と洞窟のギルド島の権利書だ。これは帝都を救ってくれた礼だな。後これ。大会の賞金の金貨だ。それからお前らいま冒険者ランクは銅だろ?今回とルスキヤでの活躍を受けてお前らのランクを上げる。まずユエナ。お前は俺と同じ銀ランクに。カシワギユウヤ。お前は世界初の金ランクに昇格だ。以上!帰ってよし!俺も早く休みたい。今日休みだったのに急にこの予定が入って……」
情報量多いな!とにかく優勝賞金はおいしいしありがたくいただいていこう。ギルド島も自由に使える土地が多いのは何かと役に立つだろうしうれしいかもな。
「冒険者ランクの昇格っていつも依頼をこなしたらいつの間にか勝手に上がってたんだけど、今回はどうすればいいんだよ」
「あ?あぁ、そのことなら冒険者ギルドに行けば昇格してもらえるから行ってくるといい。俺は寝る」
必要なことにだけ答えると皇帝はさっさと帰ってしまった。
この場には俺たちと皇帝しかいなかったので取り残されてしまった。
「……帰る?」
「そうだね」
俺たちは宿の自分の部屋に転移する。
「どうせなら冒険者ギルドでランクアップしてこない?」
「いいね。ユウヤ、世界初おめでとう」
「ユエナだって銀ランクなんてすごいじゃん」
他愛のない話をしながら冒険者ギルドに向かう。
「カシワギさん、ユエナさんお待ちしておりました!」
ギルドに入ると俺たちに気づいた受付嬢が俺たちをカウンターに案内する。
「冒険者ランクの件、皇帝陛下から伺っています。カードをお預かりしますね」
受付嬢は俺たちのカードを受け取ると手慣れた様子でカウンターで何かをすると、俺たちのカードの見た目が変わった。
毎回思うんだが、何やってるかも隠れて見えないし、どうやって見た目が変わるかも見えないからわからないし、不思議だ。気になってもやもやする。
「お?カシワギじゃねえか?」
「ほんとだ!カシワギだ!」
「おい、優勝したんだろ?奢ってくれよ!」
「そうだそうだ!」
「おーごーれ!おーごーれ!」
「ランクアップ祝いだ!」
なんでこの冒険者という人種は人の話を聞かないで酒を飲むのが好きなんだ。
「たまにはいいんじゃない?」
「ユエナがそう言うなら……」
「お?なんだ?ノロケかぁ?」
「うっせー!おら、俺のおごりだ!てめぇら好きなだけ飲みやがれ!」
その瞬間、ギルド中から歓声が上がった。
◉
「ねぇ~ユエナちゃ~ん。彼とはどうなのぉ~」
「え?え~っと……」
「おぉいカシワギィ~。お前隕石まで壊して金ランクなんてどうやったらできんだよぉ~」
「黙れ、酒臭い」
こ、こいつら……酒癖わっる!というか、隕石壊したことよりも金ランクになったことよりも酒のことなのかよ。これだから冒険者ってやつは……
ユエナは女性冒険者たちに絡まれている。普段こんな風に人と話す機会がないからか戸惑っていたが、その表情はどこか嬉しそうだ。
俺はというと、おっさんどもにダル絡みされていた。どうせならユエナと過ごしたかったな。
これ……今日一日でどれだけ賞金減るんだろう……
そんな考えが頭をよぎると、俺は素直に宴会を楽しめなかった。
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次回は明日の10時に投稿します。




