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人造勇者の理想郷  作者: 鈴花雪嶺
第三章 人造勇者の理想郷
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勇也VSその他大勢

 ほかの参加者の戦いは手に汗握るものが多かった。正面からのぶつかり合い、フェイント、話術、自分の持てるものをすべて使った戦い。


 だが、そんなエンターテイメントは俺の燃えるような怒りの前には何の意味もない。


 「次の試合は、今回の大会優勝候補でもあり、皇帝陛下へのリベンジを目標に鍛錬を続けてきたこの男、クルト・スートー!対するはここまで勝ち上がってきた無名の新星!カシワギユウヤ!それでは、両者構えて!始め!」


 俺の個人デビュー戦。なんか相手はすごい人らしいけどユエナの仇を取らないといけないんだ。恨みはないけどさっさと終わらせてもらうよ。


 「おぉぉぉぉぉぉお!」


 対戦相手が雄たけびを上げながら槍を構えて突進してくる。だが、その軌道は行動予測で丸見えだ。体をわずかに傾けて攻撃を最小限の動きでかわし、木剣で一撃を素早く、重く打ち込み、一撃で勝負を決める。


 騒がしかった会場が一気に静まり返った。


 「し、勝者、カシワギユウヤ……」


 審判でさえも呆然としている。知るか。皇帝と同じようなもんだろ。うん。何も問題はないな。


 その後も……


 「俺はあいつのように簡単には……グハァ!?」


 タラタラしゃべってんじゃねえよ。俺はそんなの待ってやんないぞ?


 という感じで次の対戦相手をあっさり倒したり……


 「フッ!!……ゴホァ!?」


 ナイフを弾幕のように飛ばしてきた相手には木剣を投げて思い切りぶつけて倒し……


 「閃光!!」


 開始前から魔法の詠唱するという不正をしていた相手が目くらましの魔法を使ってきたこともあったが、行動予測は視界が見えなくても魔力や温度で相手の位置を割り出し行動の軌道を予測するので武器を持って突っ込んできたのをあっさりと躱し一撃を入れた。


 「勝者、カシワギユウヤ!」


 何度目かの司会の宣言。


 初めは周りも戸惑っていたが、今では普通ではありえないスーパーバトルに会場は沸きあがっていた。


 何日かに一回は俺の出る試合がある。試合がない時は冒険者の仕事をしながらだらだらと過ごしていた。だらだら最高!


 もちろん不戦敗はごめんなので定期的に観戦もしている。


 おっと、今の試合で個人戦が終わったようだ。個人戦、時間かかりすぎだろ。その間ずっと祭りが続いてたぞ。


 だが、それも明日までだ。


 明日はこの大会の決勝戦。俺VS皇帝の戦いだ。

今回も読んでくださりありがとうございます。高評価、ブックマーク登録もありがとうございます。いつも励みになっています。

次回は明日の10時に投稿します。

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