全体的に思ってたのと違う
馬車に乗っている人がギルドマスターという立場だからか身体検査はなく、ギルドマスターが警備兵に何かを話すと、しばらくして俺たちは中に通されたのだが……
「ギルドマスターたちは来ないんですか?」
「ああ。呼ばれているのは君達だけだ。私たちは送っただけだな。帰りは皇帝陛下が手配してくださるらしい。では、私たちはこれで帰らせてもらう」
「失礼します」
軽く挨拶をすると、ギルドマスターと秘書は俺たちが乗ってきた馬車に乗って帰ってしまった。
残った俺たちは近衛兵に連れられて広い城の中をぐるぐると歩き回らされていた。
「着きました。この部屋です。では、失礼します」
近衛兵が連れてきたのは大きく豪華な扉の前だった。どう見てもほかの扉と違い、この奥に玉座があると推測できる。
あれ?こういうのって王様の前に連れていくまで従者とか近衛兵とかがやってくれるものじゃないの?いや、王様を待たせているからあんまりもたもたできないな。
「ユエナ」
「なに?」
「俺、この服でいいのかな?」
ユエナはフリルの着いた黒いブラウスにショートパンツを着ているが、俺は黒いズボン、シャツにコートを着て、マフラーを帯のようにつけている。ユエナは正装ではないが、それなりにフォーマルに見えるが、俺はどう考えても王様に会える服装ではない。
「何かあったら逃げればいいよ」
「……なんか悪い意味で俺の影響受けてない?」
「いこっ!」
俺が止める前に、ガチャっと扉を開けてしまう。バン!という音があたりに響き渡った。
「……ごめん。開けてくれる?」
ユエナは思い切り扉を開けようと手をついたのだが、扉が重く開けることが出来なかった。
俺が代わりに扉の前に立ち、力を込めて大きな両開きの扉を押す。
ギギギと音を立てながら扉が開いた。
扉の向こうはやはり謁見の間だった。高い天井には大きなシャンデリアがいくつも取り付けられており、広い室内をきらびやかに照らしている。奥には玉座が置かれており、ごてごてとしたきらびやかな装飾を施された服を着たひげを生やした中年の男が座っていた。服の上からでもわかるほど筋肉があり、顎と上唇のあたりにはやしているひげが、玉座に座っていて豪華な服を着ているにも関わらず、目の前の中年を身分が高いと思わせない。その玉座の前には、部屋の入口から続くレッドカーペットが敷かれている。玉座の両広報には二十歳くらいの女性が一人ずつ立っていた。二人とも派手過ぎないが一目で上質なものだとわかるワンピースを着ている。部屋の中にいたのは三人だけ。こういうときってもっと周りに人がいるものじゃなかったっけ。
想像していたものと違って俺が立ち止まっていると、中年が口を開いた。
「お前らがカシワギユウヤとユエナか。もっとこっちにこい!」
立ち上がり、ガハハと笑いながら立ち上がった中年。
こいつなんなんだ。
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次回は明日の10時に投稿します。




