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人造勇者の理想郷  作者: 鈴花雪嶺
第三章 人造勇者の理想郷
37/63

冒険者ギルド本部

さすがは世界有数の大国の首都。店や宿は歩いていればいくらでも見つかる。俺たちは良さそうな宿を見つけると、早々に部屋を取り、冒険者ギルドへと向かった。


 ◉


 冒険者ギルド本部————ギルド帝国の帝都にある冒険者ギルドで、世界で初めて作られた冒険者ギルドでもある。


 外観はほかの冒険者ギルドとあまり変わらないが、何よりも目を引くのはその大きさだった。


 「おっきい……」


 「うん……」


 ユエナさん。その言い方はなんか……いえ、何でもないです。


 中に入ってみると、やはりほかの町の冒険者ギルドとは一回り以上大きく、活気もほかの町とは違った。


 この町でも例によって酔っ払いに絡まれたが、軽く“お仕置き“して依頼を見に行く。


 ユエナは初めは自分が魔人であるということが周りに知られるのを恐れていたが、今では自分の顔を隠さずに普通に生活している。それでも絡まれはするが、前よりは件数が減っているように感じる。俺たちの噂でも流れているんだろうか。いや。そんなわけないよな。


 依頼はギルドの規模が大きいからかやはり数も多く、特に魔物の討伐依頼が多い。帝国領は魔物が多いらしいし、ギルドの勢力拡大にもかかわっているのだろう。


 「うーん……この討伐依頼なんてどう?」


 「うん。いいと思う。こっちは?」


 「そっちの方がいい感じがする」


 「これは?」


 「それだ」


 「じゃあこれ出してくるね」


 「まって。一緒に行くよ」


 依頼を受けようとしていた俺たちに、突然声がかけられた。


 「カシワギユウヤさんとユエナさんですか?」


 「なにか」


 突然名前を呼ばれたことで警戒し、相手を威圧する。どうやら俺の体からはほかの人間以上に覇気というかオーラのようなものが出ているらしい。それを開放し、その中に少しだけ敵意や殺意といったものを乗せる。


 声をかけてきたのはギルドの受付嬢だった。初めはいかにも仕事ができるような、警戒しているようなキリッとした目つきだったのが、涙目になっている。良心の呵責が……


 とりあえずオーラを全て抑えて話を聞いてみる。


 「俺たちに何か用か?」


 「すみません!すみません!おこらないでくださいぃぃ!私はただ、上からのめいれいでぇ!」


 「お、落ち着いてください!」


 やばい。やりすぎたかもしれない。ちら、と横のユエナを見ると、「あーあ、やっちゃった」みたいな目でこっちを見ている。ほんとにやめてほしい。名指しで呼ばれたら誰だって警戒するというものだろう。



 「すみません。取り乱しました」


 「いや、こちらこそ無駄に威圧するようなことをしてすみません」


 「それで、何の用なんですか?」


 「この国……ギルド帝国の皇帝陛下があなたたちを探しています」

今回も読んでくださりありがとうございます。高評価、ブックマーク登録もありがとうございます。いつも励みになっています。

次回は明日の10時に投稿します。

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