自分との闘い 勇也編
「はぁ、はぁ、はぁ……」
みんなと別れた俺は強化された身体能力を全開しつつ、全速力でモンスターキャッスルを駆け抜けていた。
目指すは最深部。あの、このダンジョン内にいるもう一体の魔物がいた場所だ。
今回は時間をかけてはいられないのでモンスターキャッスルのマップを魔法で脳内に映し出し、そこにしめされた最短ルートを辿っている。前回のように時間をかけてはいられない。早くこっちを片付けて皆のもとに行かないと……。
ダンジョンの構造はみんなと別れてすぐのところまでは分かれ道がいくつかあるだけだったが、しばらく進んでいると急な曲がり角や坂、カーブなどが出てきて、距離感覚や平衡感覚を狂わせる。改造された俺の体は文字通り機械的にダンジョンを分析し、感覚を狂わされることもなくダンジョン内を進んでいく。普段なら人間離れしたこの体を気持ち悪く感じてあまり能力を使わないのだが、こういうときだけはこの体でよかったと思う。
「急げ……」
言葉が自然に口から漏れる。
みんなと別れてからまだ五分も経っていないのだが、体感時間ではすでに十分以上が経過していた。機械の体で分かっていても、心と体は焦ってしまう。
俺は焦る気持ちを抑えられないまま持てる力のすべてを出し切ってこのダンジョンの最深部へと向かった。
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