それぞれの戦い ユエナ編
がんばって、ユウヤ……
心のなかでユウヤの無事と勝利を願いながら、私はナイフを構え直し、眼の前の敵に向き直る。
ブラックスライム……ユウヤでも歯が立たなかった相手。でも、ユウヤはあんなに準備してたからきっと勝てるはず。私が考えないといけないのは、この場をどう切り抜けるかだけ。
別に倒さなくたっていいんだ。ユウヤが残りの敵を倒して戻ってくるまでの時間を稼ぐだけでいい。他の冒険者たちは……私では彼らを守りながら戦う事はできないから自分たちで頑張ってもらうしかない。
とにかく一秒でも長くこいつを引き付けるんだ!
自分のやるべきことを再確認した時、目の前のブラックスライムが待つのは飽きたとでも言うようにモーニングスターに変形させた腕を伸ばしてこちらに攻撃を仕掛けてきた。
トゲのような突起がついた球体での攻撃だが、受け流せないことはない。右足を半歩後ろに引き、体を回転させ、飛んできた球体をナイフで受け、そのまま受け流す。思った以上に重い攻撃だったが、この戦闘スタイルが通用するなら時間稼ぎくらいはできるだろう。
そう考えていた矢先、ブラックスライムは勢いよく地面を蹴ってこちらとの距離を詰めてきた。しかも距離を詰めながらモーニングスターに変形させた右腕を縦横無尽に振り回し、更には変形させていない左手も拳を握りしめて明らかに攻撃するつもりのようだ。
「――ッ!!」
繰り出される連続攻撃を躱し、いなし、受け流す。
だが、攻撃間隔が短く、威力の強い攻撃にだんだん体力が削られていく。力も体力もない私では立っているのがやっとだ。チラリと周りを見てみれば、あの冒険者たちも相当苦戦しているようだ。
「ユウヤ……早く……」
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