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人造勇者の理想郷  作者: 鈴花雪嶺
第二章 モンスターキャッスル
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主人公はよく絡まれる

 ルスキヤまでの旅で、俺の冒険者ランクは銅まで上がっていた。ユエナも冒険者登録し、ギルドカード(身分証)を手に入れてランクも銅まで上がった。


 同ランクは冒険者で言うところの一流から一国の騎士団長レベルまでらしい。まあ、銅ランクにもピンキリあるってことだ。


 ギィィィィィィと音を立てながら冒険者ギルドの中に入る。


 扉の音につられてギルドの中にいた大勢の人から一斉に注目を浴びる。


 俺たち、正確には俺の隣のユエナを認識した途端、冒険者たちは武器を手に取り、臨戦態勢でこちらに迫ってきた。


 改造されたことで気配を感知できるようになったが、こいつらは殺気をこれでもかというほど放っていた。


 殺気を放ちながら迫ってくる冒険者達にユエナは怯えたような表情だ。


 「おいガキ。そいつは魔人だぞ?人間の敵だ。大人しく俺たちに殺らせてくれないか?」


 俺は怯えて背中に隠れるユエナを庇いながら、冒険者たちの殺気に対抗するように敵意をぶつける。改造で気配を感知したり操ったりすることができて……地味に便利だな、この能力。まあ、この世界の冒険者なんかの戦いをしたりする職業の人は大体できるらしいけど。


 「こいつは俺のツレだぞ?手ェ出すんじゃねェよ、三下」


 負ける気はしない。これも多くの人間ができるらしいが、改造のお陰で、俺はなんとなく力の差……というか強さのオーラ?というものがわかるようになった。


 それでなくても、改造された今の俺は負けることはない(と思う)。


 自信があるのでとりあえず煽っておいた。


 「そこの魔人と一緒に死にてェのか!?ああぁ!?」


 「一緒に死ねるなら一緒がいいかもな。でも、お前らに負ける気はねえよ」


 「忠告はしたからな」


 その言葉を合図とばかりに、その場にいた冒険者が一斉に俺たちの方に襲いかかってくる。


 それを右目の行動予測で確認しながら、改造によって底上げされた身体能力をフル活用して一瞬で接近し、みぞおちに一撃を加えていく。もちろん素手で。


 グホォ!?とかガハッ!?などと声を上げながら、数秒後にはその場にいた数十人の冒険者は一瞬で地面に倒れた。


 「つ、つえぇ……」


 こんなことが、今着ている服を買った服屋やルスキヤに来るまでの街でもあったのだが、同じような方法で解決したことを思い出した。……このやり取りはまだ何回かやる気がする。


 「なぁ、聞きたいんだけどよ、魔人が何したっていうんだ?」


 「は?何言ってるんだおまえ」


 床で腹をおさえて痛みに耐えながら一人の冒険者が会話に応じる。話しかけておいてなんだが、こいつらの状況を文字に起こすとトイレに行きたくて腹痛を我慢してるみたいだな。


 そんなどうでもいいことを考えながら、埋め込まれた記憶の中の魔人に関することを探る。ユエナは自分や魔人に関することをあまり話したがらないからな。


 記憶を探るとすぐに目当ての記憶を見つけることができた。この作業にも慣れてきたので目当ての記憶を見つけるのが早くなった。


 その記憶によると、魔人は大昔、神がこの世界を創り、人間と魔人という種族を作ったときに今俺達がいる場所(現在の人間たちのテリトリーとなっている世界)を奪い合うための戦争をしたらしい。長く続いた戦争は、魔人の敗北という結果で幕を閉じた。戦争の間に人間や魔人は魔法や生成技術などを覚え、神は魔物や動物などを創った。魔人は敗北したときに魔法で創った世界である魔界に逃げて今に至る。


 ……らしいが、この話はおとぎ話程度で信憑性は薄いらしい。現在一番有力な説は魔人は魔物が進化したもので魔界から何らかの方法で魔物や魔人がやってくるというものらしい。


 「あ、あーおもいだした」


 思いっきり棒読みになったが今思い出した体を装って話を続ける。


 「本当にくだらねぇな。おとぎ話を信じて魔人を差別するなんて馬鹿らしいだろ。それに、魔人になにかされたならともかく、こいつが何したっていうんだ?何もしてないのに魔人だからって理由で差別して殺そうとするほうが俺は悪人だと思うけどな」


 冒険者たちの表情は歪んでいた。俺に殴られた痛みと俺の言葉に賛成しているのと分かっていても行動に移せないというところだろう。


 「まあ、また俺たちに突っかかってくるんなら容赦はしない。それだけだ。じゃあな」


 俺はそれだけ言い残し、受付の方へ歩いていった。

今回も読んでくださりありがとうございます。高評価、ブックマーク登録もありがとうございます。いつも励みになっています。

第二部投稿再開です!これからも楽しんでいただきたいです!

不定期投稿ですが、次回も読んでくださると嬉しいです。

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