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人造勇者の理想郷  作者: 鈴花雪嶺
第一章 戦争での出会い
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エピローグ的戦争後日談

 広がる青空。復興を進める人々。そんな日常に戻ろうとしている世界の片隅で俺は目覚めた。眼の前にはあの時守った少女の顔。


 ……ていうか近っ!!


 眼の前にある異性の顔に緊張しつつ何か話そうとするが……。


 「……」


 「……」


 話題が見つからない。なんでキミ黙ってるの?なんか話してよぅ。……気まずい。


 その沈黙を破るように、少女がポツリと呟いた。


 「よかった」


 「心配してくれたの?」


 「助けてくれたから」


 相変わらず距離が近いし、俺は話し方が若干おかしい気がするが、なんとか会話を続ける。


 「……」


 「……」


 無理だった。再び沈黙がその場を支配した。……気まずい。


 俺は寝ていたベンチのような場所から起き上がり、体を少し動かしてみる。……うん。問題なさそうだ。その間もじっとこちらを見続ける少女。


 「キミ……名前は?」


 ずっと気になっていた事を聞いてみる。自己紹介だったら少しは間が持つだろう。


 「ユエナ」


 少女が短く答えた。肩下まで伸びた透き通るように白い髪に紅玉のように赤い瞳。華奢であまり凹凸がないが、それでも女性らしく成長し始めている体はその整った顔立ちもあいまって見るものの目を惹き付けそうだ。


 「俺は柏木勇也(かしわぎゆうや)っていうんだ」


 「カシワギ……変なの」


 「ああ、柏木が名字……家名で勇也が名前だよ」


 「変なの」


 「俺はこの名前気に入ってるけどなぁ。親からもらった大切なものだし」


 「ごめん」


 名前を変と言われたことに若干傷つきながらも、俺はもう一つのずっと気になっていたことを聞いてみる。


 「なんで俺のコート(?)着てるの?」


 少女……ユエナは俺の外套を着てフードを目深に被っていた。


 「目……見られるから」


 「目?」


 「魔人はみんな目が赤いの。他の種族には赤い目の人はいない」


 その言葉を聞いて俺は植え付けられた知識の中から魔人について探してみる。


 魔人は魔界に住んでいる種族でみんな目が赤いらしい。その起源は魔物とされていて、魔物が進化したと考えられているが、本当のところはわからない。そのことで差別されているとか。


 「……くっだらねぇ」


 ユエナは目のことを話した時悲しそうな表情をしていた。女の子にそんな表情は似合わない。


 「今まで魔人がどんな扱いをされてきたかなんて知らないけど、俺だって化け物だから、だから……えーっと……」


 「フフッ、ありがとう」


 何を言おうとしているのか分からなくなり、グダグダになってしまったが、励まそうとしたことは伝わったのか、ユエナの表情は少し明るくなった。


 「これからどうするの?俺はどこかに行こうと思ってるけど」


 差別されている魔人の少女を一人置いていくこともはばかられ、一応これからの予定を聞いてみる。


 「ユウヤについてく」


 「えっ?」


 思わず間抜けな声が出てしまう。


 「……ダメ?」


 上目遣いでこっちを見てくるユエナ。その表情はずるい。


 「全然!全然ダメじゃない!」


 勢いよく否定する俺をみて可笑しそうにクスクスと笑いながら、ユエナは俺の横に来た。


 「じゃあ、行こうか」


 「うん」


 これからこの国がどうなるかはわからないが、それは俺ではなく国民がどうにかすべきことだろう。


 ただひとつ、確かなことは……。


 ここから俺の新しい冒険が始まるということだ。

今回も読んでくださりありがとうございます。高評価、ブックマーク登録もありがとうございます。いつも励みになっています。

第一章、これにて完結です!そして十話目になります!ここまでこの作品を書くことができたのはこの作品を読んでくださる皆様の応援があったからです。ありがとうございます!

さて、最終章に入ってから出てきた少女……ユエナちゃんはお察しの方もいらっしゃるかもしれませんが、本作のメインヒロインとなります。ようやく出すことができました。次章からはユエナちゃんも本格的に物語に関わってきます!楽しんでいただけると作者も嬉しいです。

そして、第一章完結記念として、何話か短編を本編の合間に投稿したいと思います。本編だけではなく、短編も面白いと思っていただけると嬉しいです。後日談や裏設定、幕間などになると思います。リクエスト大歓迎です!

活動報告やX(Twitter)もたまに更新しているので見ていただけると嬉しいです。小説情報なんかが載ってます!

あいかわらずの不定期投稿ですが、これからも読んでくださると嬉しいです!

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