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5、照れる


「え、えっと……その、さっきはありがとな……////」


「いや、べべ、別に、気にしなくて、良いよ……か、カスイとかいう奴にムカついただけだし////」


………なんかカスイとかいう奴にムカついて、感情の赴くままに契約してしまったが………。


……その、まぁ、ビーストテイマーと獣人や亜人の婚姻契約(エンゲージ・リンク)は結婚と同等の扱いらしいのは周知の知識らしく、カスイ達が外に出た瞬間に周りの人間に滅茶苦茶揶揄われた………そこかしこからヒューヒューという口笛の大合唱、恥ずかしかった私達は明日の稼ぎの為に、Fランクの私達でも受諾可能な薬草採取の依頼書を取ってそそくさとギルドを後にした。


………恥ずかしさからお互い顔を見ることができないでいる………。



「ゴ、ゴホン、じゃあこれからどうする?」


「ど、どうするって?」


いつまでも照れあってるわけにはいかないと思ったのか、ルーガスがわざとらしく咳払いをして、話をしだす。


私もいつまでもこのままじゃダメだと思い、彼の話題転換に乗っかる。



「いや、その、今日はもう日が暮れるし、宿屋に泊まるか?それとも何か買い物でもーーー」


「ェェェェ//////?!!?!?、いやいやいや、そ、その、結婚と同等の契約したからって、いきなりそんな、宿屋で休憩なんて、わわわ私そんな軽い女じゃーー」


『宿屋』というワードを聞いた瞬間に私の理性は蒸発し、テンパってしまう、結局ロゴミスとそういう事はしてないし、そういう話に対しての耐性がない私は慌てふためく。



「ーーーブッッッ////、ち、違うわ!!!バカ!!、だ、誰が同じ部屋に泊まるって言った!!!?、け、契約結んだって事はしばらくは同じ冒険者パーティーメンバーだろ?!!、お、同じ宿屋に泊まった方が色々都合がいいだろうが!!、そ、それだけの話だッッッ!!」


「ーーへ?、あ、ああ、そういうことね………ご、ごめん、変な勘違いして………///」


私の言葉に思わず吹き出すルーガスは事細やかに説明をする、別にそういうことをしようと誘っているわけではないと……。


早とちりをしてしまった私は彼に謝罪する。


「………リフィルって意外とムッツリなんだな……」


「そ、そんな事……ないと思うけどなぁ~~////」


さっきの発言のせいで曖昧な否定しか出来ない私……。


「クスクスクス」


「お母さん宿屋で休憩って何~?、初心なカップルって尊いね~」


「しっ、見ちゃだめよ、今からおねちゃん達はお楽しみなんだから」


「「…………///////」」


………声を荒げたせいで通行人にガッツリ会話を聞かれてしまったようだ……微笑ましいものを見る目で微笑する人やマセ過ぎな子供に指を差される………。


その状況に再度赤面してしまう私達。



ーーーーーーーーーーーーーーー


「「ええ??!」」


「すみません、当宿はもう満室でして、空いてる部屋がありません」


りんごのように顔を真っ赤に染めながらも、最低限の装備品を買い揃えて、ルーガスが寝泊まりしている宿屋に到着するも、受付に満室で空きがないと言われてしまった私達。


「………そ、そっか~……な、なら私、他の宿屋を探すよ!!」


「………この時間だとどこの宿屋も空いてないかと………」


「……ま、まぁ本当に最悪の時は野宿するさ!!」


「………失礼ですが、お連れ様と一緒の部屋ではダメなのでしょうか?」


「「ーーーー!!!\\\\\」」


「ナナナ、何をいっちゃってるんだよ!!!!、そ、そんな男と女が一緒の部屋になんか泊まったら……だ、ダメでしょ!!、色々!!\\\」


「………で、でも、契約者を野宿させるのは……嫌だな……リフィルが良いなら一緒の部屋でも俺は構わないぞ」


「へ?\\\、で、でも、その、ねぇ………」


「………そうだよな、成り行きで契約した俺なんかと同部屋なんてーーー」


「ーーー!!!、やっぱり野宿なんて乙女な私にできるわけないよね!!!、同部屋でお願いします!!!」


流石に同部屋はヤバいと思って断ろうとするも………なんだかルーガスがネガティブなテンションになりかけたので慌てて了承する。


「ハァ…………」


紆余曲折を経て、なんとか部屋にたどり着く私達。


「………あの、風呂………先に入るか?」


「へ?\\\、あ、いや、その、お、お先にどうぞ!!!\\\\」


お互い体が汗でベタベタなので、沸かした風呂をどうするか聞いてくるルーガス、私は『風呂』という単語を聞いて再度テンパり、感情の赴くままに一番風呂を譲る私。


「そ、そうか………\\\」


ルーガスは着替えを用意した後、脱衣所に向かう。


「………………我ながら後先考えてないな………」


………ベットに寝転がり、今更ながら、感情的に契約してしまった自分の猪突猛進さに一人呆れる私…………。






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