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「なあマスター、王都の様子ってすぐ分かるか? 祭りが落ち着いたら王都に行きたいんだが」


「旦那様の頼みなら聞こう。なあ、リリーって呼んでくれよ」


「痛っ! 諦めて別を探せよ。もういっぱいだって」


 女マスターことリーリア。通称はリリーらしい。ゴブリンフルアーマーは狙っていない。狙っているのは俺の奥さんの座。困った。嫉妬魔神のフィーリアさんが正常な状態に戻ってこない。腕が痺れる。


「五人も居るんだったら増えてもいいだろ。ギルドマスターになったら稼げるぞ」


「責任は別のところにもうあるの。これでも従業員が百越えてんだよ。王都で用事済ませてファーストに帰るんだよ」


「そう、それだ。ファーストのとこのポーション。あれが欲しいんだが流通するように言ってくれないか? あっちとは仲いいんだろ?」


「痛っ! あっちの現マスターの話は遠慮する。いや、俺んとこの従業員がポーションを作ってんだよ。体制が整ってないから量産は無理だな」


「へー。将来安泰だな! 私がマスター辞めても嫁げるな!」


「痛っ! 痛いって! マスターなんて簡単には辞めれんだろうし、俺は既婚者で、もう受け付けてません! じゃ、明後日に来るよ」


「明後日は結婚を賭けて決闘だ!」


「断る! 痛いって!」


 横腹がアザまみれになってそうだ。



  ○  ○  ○



「うー! うぅー! うがぁー!」


「ちょ、フィーリアさん?」


 宿に帰った途端にフィーリアが暴走した。嫉妬魔神の執拗な攻めは力尽きるまでだ。高い飯に、お風呂を逃してしまう!


「だ、誰か、止めてくれ!」


「はい。フィーリアちゃん。こっちの従者用を使ってね。その間にお食事とお風呂を用意してもらうから」


「むふぅー! ご主人様っ!」


「ちょ!? そういう心遣いはぁー「バタンッ」」


 狭い個室の窓のない暗いベッドだけの部屋。目がイッたフィーリア。服が乱れた俺。この期の結末は…………あー!



  ○  ○  ○



「この肉、冷めても美味しい」


 一対一なら逆転はまだ可能だ! フィーリアに散々愛を呟いて、散々愛を打ち付けて、やっとで寝かせつけた。


 今、何時だろう? 深夜っぽい。


「お先でした。ああ、ワインは飲んでませんよ」


「飲んでもよかったけど、今日はもう無理だよ」


「いや、まだイケるって!」


「最近、節操ないんじゃない?」


 複数で攻められるのでお姉さん達には絶対に勝てない。もし優勢っぽくなっても誘い受けだ。結局はお姉さんの手のひらさ。


「ご主人様、可愛いから、いじめたい」


「ミーディイ、攻めてくるご主人様も捨てがたいわよ」


「焦らして、焦らして、我慢の限界で攻めてもらうのは、どう?」


「「ロザンナ、天才ね!」」


 結局はお姉さんに勝とうってのが無理。もし勝ちの手があるとすれば、おあずけだけだろう。最近、行為も楽しんでるよね。商売の時と違って生き生きとしてるのは良いけど、リードされっぱなのは男として情けない。


「主人? 空の皿見つめてどうした?」


「ちょっと自信がな。遊ばれてる」


「ご主人様、優しすぎる。もっと、野生になる」


「いや、野生でも一晩に五人は相手しないんじゃないかな?」


「試してみましょう。こっちですよ」


「ロザンナ!? えっ? また、個室ぅー「バタンッ」」


 ロザンナ発案の、焦らして焦らして爆発させる、は一回りするまで行われた。最後のミーディイが鬼畜だった。もう無理って言ってるのに、その気になるまで盛り上げさせるテクニック。ドが付くサディストだったよ。


「おお、ご主人様。もう立たないとは、情けない」


 一回りで終わってよ。もう無理。zzz。



  ○  ○  ○



 翌朝、フィーリアと一緒に寝てた。ちゃんと服も着て、体は綺麗にされていた。ふむ。やはりお姉さん達には絶対に勝てない。フィーリアも綺麗にされていた。


「ああ、ご主人様。おはようございます」


「おはよう。みんなは?」


「ご主人様の昼食の調達です」


 翌朝と思ったら翌昼だった。道理で寝不足の感じがないのか。熟睡したらしい。限界の越えた先で戦ったからな、昨晩は。


「すみません。ご主人様の朝食、食べちゃいました」


「ああ、いいよ。起きれなかったし」


「貴族様の朝食、美味しかったです」


 あ、宿の延長を忘れてた。


「大丈夫ですよ。ロザンナさん達が立て替えてます」


「850ルークを? そんなに持ってないだろ」


「明日がお祭りですよね。今日、明日、明後日の三日間延長です。そんなに使ってないので残ってるそうですよ」


「申し訳ない」


 少々、不甲斐なさにヘコんでいたらみんなが帰って来た。そして、真っ先にロザンナが言う。


「姐さんになんぼか預けて欲しいぞ」


「済まん。みんなにも預けよう」


「いえ、ロザンナだけで良いですよ」


「いや、旅行中は何かあるかもしれん。フィーリアは……」


「ご主人様から離れないので大丈夫です!」


 みんなに一万ルークを預ける。返さなくてもいいとも伝える。が。


「なら、運営費に回しましょう。お預かりします」


 気分を変えよう!


「昼からダンジョンだ!」


「あからさまに反らしたな。でも乗った!」


 昨日、ナンパされつつも聞き出したダンジョン情報を話し合いながら昼食にした。


 微妙かな?

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