０６３
買い取り♪ 褒賞金♪
という事で、支所に到着。いつもよりは少ないけど現金収入は嬉しい。しかしなぁ。三文字職がレベル上限になったら困るな。フィールドってこんなに簡単には儲からんだろ。素材を売るんだもんな。限度がある。
悩ましい。
「お待たせしました。３２４匹で４８６０ルークです」
微妙。まあ、仕方がないな。ゴブリンをいっぱい狩ったしな。勿体ない待ち時間は、ギルド支所内で前衛と後衛に別れてもらっている。理想は前衛１１後衛６。前衛に支援が入るが。
「前衛六人か。支援希望は？」
「消極的な感じですが、前衛が少ないならというのは大体です」
ふむ。ならばこれがいいんじゃないか？ お蔵入りしそうだったハルバード。「戦術」のスキル『魔力薙ぎ』や『魔力落とし』と相性がいいんだよね。発生源が槍のリーチ分だけ先で発生するから、敵の間合いの外から撃てるんだよね。
一旦、ダンジョンへ。ハルバードの黒属性を乗せた『魔力落とし』を披露する。叩いた地面から前方へと扇状に黒い噴流が溢れ出す。
「「「かっこいぃ」」」
数名食いついた。その中には後衛志願もいたので中衛というポジションを作った。中衛支援。「剤治」のポーション投げに、「戦術」の槍のリーチからの中範囲攻撃。欠点は杖が持てないので魔力消費が大きいことと、立ち位置と判断力が求められること。
意外に人気なんだが、性格が問われる。落ち着きがあり機転の利く者を五名推薦させる。前衛からは前のめりな性格が多いそうで、後衛志願から選抜されたのは良かった。
「今は二本しかないが五本用意する予定だ。前衛にはエフェロナが使っている剣を、後衛には杖を二本持たせる。素材がゴブリンやコボルトの手にする武器だ。しっかりと集めていくぞ」
「「「はい！」」」
「今日は前衛と中衛は「骨服師」に。後衛は「肉魔飾」に転職してもらう。あー、訓練所が必要か」
「「「……すみません」」」
「いやいい。「拳骨家」と「服飾師」を「骨服師」に、「魔術師」と「服飾師」を「肉魔飾」に訓練してきてもらう。急ぐぞ！」
「「「はい！」」」
前提をクリアしてなかったが、時間はある。訓練所の後に、転職だ。
○ ○ ○
大分時間がかかったが、皆、無事に三文字職に就けた。訓練所で時間を費やしたのもあるが、転職途中で混乱して転職キャンセルも続いたからな。顕著なのが前衛。どうも頭は弱いようだ。しかし、直感はいいようで体が自然と動くタイプが多い。
今は夕食。みんなで喜びを分かち合っている。
んー、明後日は休みにするか？ 「強癒」を施したい。「強癒」がレベル１でも三文字職のステータス上昇と杖の補助で大分癒されるだろう。完治まで待たなくてもいいのだ。二文字二重職で就いて完治まで休み。うん。そうしよう。
宿に帰ったら各自の自由時間。の筈だが。
「昨日と同じ配置で掃除開始です」
「「「はい！」」」
ちょっと薄暗いが、剥ぎ取りにと預けているスローイングナイフを灯りに作業開始。指示の全てはロザンナだ。よく働くよ。助かるけど。洗濯も任せっきりだしな。にしても、よく一晩で乾くよな。
「とても乾きやすいです。洗えば直ぐに汚れも落ちます。欠点としては少しだけ色褪せしますね。私の考えでは『皮飾り魔術』の保護を消費していると思います」
なんて便利機能。それで狩りの後に返却するのか。常に耐久値の回復をしてくれているのね。ありがとう。
「では、失礼します」
部屋に一人。まあ、今日は素材整理があるから暇じゃない。
今日の戦果。４８６０ルークは少ないがいい。安全第一。
ゴブリン、こん棒１１３、ソード８２、骨布５８５。
コボルト、丸盾３２４、片手斧１２１、片手剣１２４、片手杖７９、骨布１６２０。
先に奥さん達を考えよう。装備の再分配でフィーリア、ロザンナ、ミーディイの杖を奪ってしまった。なのでアミュレットなんだが、二つ分しかない。いや、夫人に渡すのでいい塩梅かもしれないな。
デザインはリング。でも、俺のシルバーなシンプルリングではなく小さい石が埋め込まれたものを選ぶ。うん、結婚指輪っぽい。
この世界って結婚とは、協会で簡素に祈り、親族で祝う程度が結婚式だ。祈りだけっていう場合も多い。祝うほど裕福なのは少ないかららしい。
フィーリアには薄い黄色の石。ロザンナには透明な石。石は後を考えて三連に並んでいる。差別ではないが、ミーディイ、サロワナ、エフェロナへは石は一つにする予定。
オプションだが悩んだ。最初は魔法威力増加と範囲増加を考えた。杖の代わり。だが、最近は物騒になってきた。四六時中、防具はつけていない。服はあるのだが、あれはダメージ軽減だ。
悩んだ末に、魔法ダメージ完全反射（一日一回）と状態異常攻撃完全反射（一日一回）にした。俺のバグ職「心技体」の劣化版だ。狩りには今のところ不要だが、まあ指輪に込めた俺の気持ちだ。
「作っといてなんだが、柄じゃないな」
次だ次。ミーディイにゴブリンこん棒でマジックスタッフを作成。返却ともいう。ゴブリンソードでロングソードを一本追加。特に持ち主は決めていないが、家事に戦闘にとよく使うので水属性を作っておいた。
戦闘メイドに靴を与えたい。が、足りないので作るだけ。お揃いのブーツ。数が揃ったら配る。平等大事。同じ考えでハルバードも三本目を作成して保管。
コボルト片手剣は俺のためにストック中。これで俺の整理は終了。
お風呂に呼ばれたので、ランジェリーのセットを戦闘メイドに作るように指示。ストックを合わせたら皆に配れる。余った骨布でデザイン変更も許可。奥さん達じゃないとデザイン変更できないけどね。レベル不足。
狂喜乱舞。
言うタイミングを間違えて一人風呂。のんびり体を流したよ。
フィーリアは俺が寝るまで戻ってこれなかった。ｚｚｚ。
