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 公開チョメチョメで恥ずかしさの余り、限界を越えて寝た。そして朝が来た。


「昨日のは夢でも嫌だな。まあ、夢じゃないか」


 昨晩は議論を重ねたようだ。俺のだから適当にシンプルなのでいいのにな。白熱するほどの研究は不要だと思うぞ。俺の下着もマイナーチェンジを繰り返してるしな。まあ、着るけど。


 フィーリアは俺のとなりで、お姉さん達は床で、それぞれ爆睡してる。何故かみんな下着姿だ。ああ、着せ替え人形()が寝たから自分達で着たのか。ご苦労様です。


 みんなが起きる前に聞いておくか。



  ○  ○  ○



「おっさん、宿を貸し切ったら怒る?」


「何じゃ? そんなに女を抱えても竿は一本じゃろ」


「俺はフィーリア一筋。いやな仲間を増やしたいんだよ」


「金を払えば客だ。二階は一泊100ルークだ。十部屋もあるぞ」


「一部屋二人寝れる?」


「連れ込み宿だぞ。二人で寝て当然だろ。ああ、坊主の部屋のよりはベッドは小さいぞ」


「予定じゃ17人増える。半端に残しちゃおっさんが損するし、全部借りる予定だ」


「そりゃありがてぇが。パーティは6人が最大だろ? クランでも作るんなら家借りりゃ安かろうに」


「その時にゃ相談するよ。なあ、洗濯場とかねえか? シーツとかどうやって洗ってんだ?」


「今は外注だ。使ってねぇ洗い場ならあるぞ。シーツの洗濯もすんのか?」


「いや、体を拭くのにいい場所が欲しいんだよ。排水は大丈夫か?」


「洗や使えるだろうよ」


「それも仲間が増えたら相談するよ」


「毎日満室だと儲かってかなわねぇな!」


 いいおっさんだ。しっかりと金を払おう。



  ○  ○  ○



 戻ればゾンビ……睡眠の足りないお姉さん達がのろのろ動いてた。


「ご主人様、おはよう」


「ああ、ミーディイおはよう。ちゃんと寝れたの?」


「微妙。でも朝に会いたい」


「ん。俺も頑張るよ」


「ありがとう。抱かれても、いいよ。永久無料」


「フィーリア、おはよう。ミーディイが話があるって」


「ちょ、ご主人様!?」


「ミーディイさん、こっち来て~」


「「「うわぁ」」」


 フィーリアの嫉妬が直接お姉さんに向いた。八つ当たりで公開チョメチョメはもう勘弁。おおう、フィーリアも強くなったな。ミーディイ(お姉さん)相手にスパンキングとは。


「痛い」


「俺へのイタズラは懲りてね」


「本気なのに」


「ミーディイさ~ん」


 二度目のスパンキングで皆の目は覚めたようだ。ミーディイだけが尻を赤くして倒れ込んでいるがな。



  ○  ○  ○



 フィーリアも混ざってお姉さん達は夜の蝶と話にいった。釘を刺したいらしい。俺は訓練所巡り。特ではあるが無意味に三文字二重職の枠が出来た。予定外過ぎるので準備なんぞしていないのだ。


 目的の職業は「野心家」「技工士」「整体師」。ゲームでは微妙な職業であるがリアルになると意味あるよな。ああ、野心家はゲームじゃ賭け事の確率アップがあって意外に多かったぞ。


 野心家。公営ギャンブルをするのだが、冒険者ギルドの本部でできるとはな。ちゃちゃっと丁半一回やって終わり。朝から客が多いこと。一口10ルークで負け。訓練所で初めて支出したな。


 技工士。歯医者の手伝いだった。言われた事をするが、この世界の歯医者には絶対来ないと誓った。麻酔なく抜歯するとは。怖っ! 歯磨きちゃんとしよ。まあ指で濯ぐだけだがな。あと爪楊枝っぽいのもある。


 整体師。医学の分野らしいが、空いていた。なのでそこのオーナーの体をマッサージ。しつこい注文で一時間は揉み叩きしたぞ。腕が疲れたし、おっさん揉んでも面白くない。


「午前中に終わったー!」


 一度宿へ。皆が帰っていた。



  ○  ○  ○



「ロザンナ。腕の調子は?」


「ああ、平気だ! これなら「強癒」もいらねえよ」


「明日、不調を訴えたら即時撤退だぞ!」


「ってか、今からでも行けるぞ!」


 半日で終わったもんな。そういえばみんなの用事は?


「順調ですよ。いい具合に客を遠ざけています」


「ご主人様。絶対、守らないと! 痣つくってたよ!」


 聞けば体をはって胴元に嫌われようと動いている。体罰くらいは平気で振るうので、それを覚悟で俺の仲間になろうとしているらしい。まだ金は用意できていないぞ!


「途中で抜けるのは、相応のリスク。胴元は、バグ持ちの女を、道具にしかみてないの」


「よし! 一日でも早く解放させるぞ!」


「「「おー!」」」



  ○  ○  ○



「ご主人様の新たな職業「心技体(オールステータス)」はどんなスキルがあるんですか?」


「単純にステータスが上がる。職業レベルでも上がるけど、魔力、技巧、体力、その三点がスキルでもあがるだけ。前を守るのに体力と魔力、無駄なく動ける技巧は必要だと思ってね」


「私がトチったからか?」


「俺も男だ。格好いいとこ見せたいんだよ。肝心なときにへばらないようにしないとな」


 このスキル、条件だけ整えばいい壁役のスキルなんだよね。ゲームじゃ数値での計算だけど、こっちじゃ命に関わるから保険になる。俺が倒れたら不味いんだよ。「王太子」なんて職業は知らんしな。使えねぇ。


「さて、行こうか」


「「「はい!」」」


 目標は17000ルークと宿賃。そこを越えれば日々稼げばいいだけだ。今回は安全に戦おう!

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