表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/106

045

「………………遠慮は、ないのですか?」


「いや、ここのダンジョン、数多いですから」


 山積みのコボルトの耳。血も抜いてるのでテーブルは汚れないが、数えるのも一苦労だろう。


「少し時間ください。ここって私一人なんですよ」


「食事したら戻ってきます」


「久々の仕事がこれですかぁ。……はぁ」


 ギルドのお姉さんが呆れているが、知らない。冒険者証を見てまた嘆いている。


「三文字二重職? どこのお偉いさんですか?」


「勝手に生えました。俺は一般人ですよ」


「詮索しない方が良いと私が私に告げています。では預かりますね」


「お願いします」



  ○  ○  ○



 夕食は豪勢に……とはいかないが、大皿3枚追加でいっぱい食った。話の話題は理想のワンピース。ここは各自が譲れない拘りがあるようで激論となったが、俺はフィーリア推しで話は流したよ。


 夕食を終えて、再び冒険者ギルド支部。


「……次からもこの数ですか?」


「半日でこの数ですが、苦戦するのでその時折ですね」


「ここの金庫はそんなにお金置いてないんですよ。この倍が来たら褒賞金を分割しても良いですか?」


「貰えるなら大丈夫です。コボルトは初めてでしたのでもう少し効率あげたいですね」


「お姉さん、困っちゃうな」


「ダメですよー。恋人が睨んでますので」


「まあ、あの美人集団に勝とうとは思いません。無理しないでくださいね。はい、コボルト389匹分の褒賞金5835ルークです」


「久々の現金。ありがとうございます」


「いえいえ。お金にならないゴブリンを倒してまで、ここのダンジョンに籠ってくれるので助かります」


 有効利用してるけどね。普通ならゴブリンソードしか金にならんからな。あの階層全てがモンスター溜まりの二層を越えようとは思わないよね。


「ああ、明日は休むと思います。では、失礼します」


「また来てくださいね」



  ○  ○  ○



「帰ってきました! 早速、作りましょう!」


 妙にテンションの高いフィーリアだ。いや、達だ。お姉さん達も隠せてないですよ。でも、主人なので優先しないとダメらしい。今日は俺の服を論ずるのだろう。地味がいいな。


 今日の戦果。ゴブリンが、こん棒82、ソード65、骨布441。骨布はアイテムボックスに女性ランジェリーにして仕舞ってある。かさ張らないので結構持ち歩ける。万が一に他人に見られると問題だからだ。こん棒とソードは物置をタダで借りて山積み。結構な数だよ。


 コボルトの戦果。丸盾389、片手斧148、片手剣151、片手杖90、骨布1945。素材としては綺麗に回収できたが、最後の逃げの一手だけは拾えなかった。無限に湧くんじゃないかって錯覚するほど多いんだもんな。


「フィーリア、コボルトの骨布で何ができるんだ?」


「6種類です!」


 リストアップ。


 →パンツ(男性) 消費134

  シャツ(男性) 消費142

  ジャケット(男性) 消費311

  パンツ(女性) 消費148

  ワンピース(女性) 消費199

  コート(女性) 消費403

  デザイン変更 消費3


 女性ものは高いなー。女性は優遇されているのだろうか? まあ、良いけどね。男性一式で607か。女性一式で750。女性の熱意の分だけ高いと言うことにしよう。


「あー、そっち優先でいいぞ。サロワナが怪我したしな」


「「「ダメです!」」」


「なら、主人命令だー。俺の戦闘用を3セット作れー」


「「「はい♪」」」


 あちらの論争に巻き込まれないように、俺は戦利品の加工だな。



  ○  ○  ○



 一気に四つの素材が増えた。一気にリストアップ。


 コボルト丸盾の『武具創り』。


 →ガントレット 消費103

  グリーブ 消費124

  ブレストプレート 消費308


 コボルト片手斧の『武具創り』。


 →ハンマー 消費96

  アックス 消費188

  ハルバード 消費290


 コボルト片手剣の『武具創り』。


 →ソード 消費131

  ツーハンドソード 消費217

  太刀 消費534


 コボルト片手杖の『武具創り』。


 →マジックスタッフ 消費99

  マジックアミュレット 消費200


 ふむ。突っ込みは何点かあるが、先ず盾で盾が作れないことだな。防具だけど盾も欲しいよな。斧に剣は無難。太刀のコストが高いよ! で、杖のアミュレットってお守り? 武器? 防具? いや、アクセサリー枠か?


 とりあえず武器は保留。何が足りないか分からない。今でも十分に戦えているからな。


 問題は丸盾だ。今回ので、ガントレットとグリーブか、ブレストプレートのみか悩む。が、すぐさま不格好と言うことでブレストプレートを選んだ。急所を守らんでどうする。


 デザインか。昨今の冒険者の鎧は革鎧。ベストからジャケット、肩当て付きと進化して、金属製へと移るが金属製はあまり見ない。初心者の街だからだろうな。と言うことで、胸当てに肩当てが付いたデザインに。


 オプションか。三つまで。色々あるから迷う。耐久力増加に、常態異常耐性に、んー、物理攻撃軽減と魔法攻撃軽減とダメージ軽減はどのくらい差があるだろうか? ダメージ軽減で。


「うっし。完成」


 着てみる。意外に軽いな。オプションに重量軽減も考えたがこれなら不要だ。


「「「良いですね♪」」」


「あ、ありがとう。みんなも同じようなのを用意するけど、いい?」


「「「楽しみです♪」」」


 真っ直ぐに誉められると照れる。照れ隠しに話題を反らしたがバレバレだな。いいお姉さんなのでちゃんと合わせてくれる。合わせた上で手のひらで転がす。


「この鎧に似合う服を作りませんとね♪」


 夜が更けるまで延々と着せ替え人形にされた。いや、自分で着れるって! それ下着! 脱がさなくていいから! 手が滑りすぎ! 気持ちいいから触らないで! フィーリア、あ、止め……………………あっ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ