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「骨布、たくさんです♪」


 お腹が空いていたので夕食は多めとなった。宿の俺の部屋でミーティングという形の戦果確認。こん棒542、ソード412、骨布2862。封鎖による時間稼ぎと、作業の効率化、消える前にほぼ回収。これらによって戦果は物凄いことになった。


「さて、ここまでの戦果は今後は見込めないだろう。それに主戦場は3層のコボルトに変化する。よく考えて使うため、今晩はフォーメーションを考えたいと思う」


「ご主人様の考える理想はどうなのですか?」


「理想は前3後2支援1のパーティが安定するが、三文字職を弄りたくはない。今回の戦いも三文字職のレベルによるステータス上昇が大きいと見ている。三文字職だけをみれば、後5特殊1、俺が特殊だな。どうみてもバランスが悪い」


「それでもあの乱戦であれば有効でしたよ」


「メインの火力は三文字職であった。それも有効的だったな。そこで二文字職で役割を決めていきたい。実際に数が減ればロザンナとミーディイは三文字職で戦闘には貢献していない。素材集めも大事であるので否定はしないが、早期殲滅、残党処理には物理で殴って処理できていた筈だ」


「ああ、この剣、つええよ」


「ゴブリン相手になら属性は不要でした」


「そこでフォーメーションだ。正確には一芸で終わらずに、小回りの効くスキルがあればと思う。スキルも使い場所で効率が変わるからな」


「ホール中央だからこその『肉皮剥ぎ魔術(ミートセパレーション)』でしたね。細い通路だと無駄が多いですか」


 自分中心にパーティメンバー無害の範囲魔法『肉皮剥ぎ魔術(ミートセパレーション)』。威力は低いが肉離れによる行動不能を誘える。本来なら囲まれた時の自陣の建て直し等に有効なのだ。積極的に攻める魔法ではない。モンスターと対峙するのは大体が一方向であり、無駄が多いのだ。


「私達には、単体攻撃が必要。ってことですね」


「そうなる。切り込んで敵陣で撃つって手もあるけど、リスクが大きい。自分達から囲まれに行くのは蛮勇。命が軽い奴だけだ」


「前面に出て撃つか、後方で温存するか。ご主人様は後者を望んでいませんか?」


「まあ、ロザンナもミーディイも突っ込むの苦手だろ? そこで自分の相性と悩んでほしいんだ」


「なあ、私とエフェロナは前出ようか?」


「その実力があればな。『骨下拵え術(ボーンスピードワーク)』で近付けるモンスターの数を調整しつつ近接攻撃をする。それが今の実力だろう。無意味に三文字職のスキルを使わない環境はいらん。しかし、自分で対応できる敵の調整、これも慣れが必要だな」


 遠距離のできる近接は、視野が広くないと勤まらない。目的が後方へとモンスターを流さないことだ。倒せればいいが、火力より敵を引き付けておく壁役の側面もほしい。これはフォーメーションの話し合いだ。


「ご主人様の希望では二文字二重職の一つは「強癒」ですが、戦闘中に怪我をして、速効性があるのですか?」


「そりゃ無いが、命がかかってる場面だと、あるとないとじゃかなり違うぞ」


「それもダンジョンを出てからの治療が必要ですよね。むしろ、怪我を治すために魔力が無理に減る方が怖いです」


 ん? ああ、確かに休息や食事がないと魔力の回復は遅い。「強癒」の回復はかすり傷でも発動するだろう。それは魔力運用の計算が狂うな。ダンジョン内だとデメリットが大きいか。


「休みは今後も貰えるのですか?」


「ん? ああ、酷使する気は全くないから、定期的に休むぞ。コボルトで稼げるなら隔日で休んでもいいくらいだ」


「隔日は多すぎますね。ご主人様に提案です。休みに合わせて転職すれば、傷病の治療ができます。戦闘では二文字職も二つ使えます。どうでしょうか?」


 おおう。ナイスアイデア! しかし、懸念もある。ダンジョンでの治療が一切ない。どうスッかな?


「私の二文字職業の希望は、相手を治療するスキルや魔法です。ありませんか?」


 んー、直接はないな。あっても三文字職からだ。普通の職なら手当て程度の魔法や傷薬なんかを作れるが、普通の職は無理だしな。


「あの、全てをスキルで補わずに薬効ポーションを買うのはどうでしょう?」


「薬効ポーション? 詳しく」


「薬師ギルドの顧客に巻き込まれないように、冒険者ギルドで購入すれば安全ですよ。冒険者の大半はそれを使ってます。効能は微妙ですが、無いよりマシですね。魔法付与ポーション、通称聖水は高いのでお勧めできません。薬効の方が薬師ギルドで、魔法付与の方が協会ですね」


 なんと、派閥に巻き込まれずにポーション買えたんだ。それなら良いものがありそうだな。


「今日はこの辺にしよう。フィーリアみたいに漠然とした要望でいい。言ってくれ。あと、フィーリアの案を採用する。休日は「強癒」で過ごす。アイテム作成は明日の朝に話し合って決めていこう」


「二つかー。悩むな」


「あら、本当ね」


「剣が使える職がいいわ」


「武器も、考えるよね。難しい」


「むふー、皆さんを癒しますよー」


「寝ろ!」


「「「はーい」」」


 お姉さん組は隣に移動。この世界の夜は深くて長い。明かりが少ないからな。横になって相談でもするだろう。


「フィーリアは今日はあっちじゃなくて良いのか?」


「考えはまとまってますよ。それに今晩は下着は作らないのでいいんです。だから、夜はこれからですよ♡」


 嫉妬のない行為は久し振りで俺がハッスルした。いい夢見れそうな気怠さに包まれて眠る。

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